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鋼鉄の聖女~勇者召喚されたOLですが、不遇なジョブの所為で追放処分を受けました。でも実は、私のジョブは最強のようで、いつの間にか無双しちゃってます。  作者: 楊楊
第五章 大陸統一

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75 最強のドラゴン 2

 山頂に到着した。

 山頂は少し開けており、世界樹を植えるには適してそうだ。


 しかし、山頂の中央部に巨大な灰色のドラゴンが寝ころんでいた。

 周囲には、ビッグボンバーロックがゴロゴロいる。


「ビッグボンバーロックの隣で、平然と寝るなんて、やっぱりヤバいドラゴンだニャ」

「うむ、これは危険だぞ」


「じゃあ、みんなは隠れていて、私が声を掛けるからね」


 私は緊張しながら、灰色のドラゴンに近付いた。

 とりあえず、声を掛けてみる。


「こ、こんにちは・・・お休みのところ、失礼しますが、少しお話を聞いてもらっても、よろしいですか?」


 眠そうな目で、灰色のドラゴンがこちらを見てくる。

 そして、叫んだ。


「に、人間!!何でここに!?も、もしかして・・・僕をいじめに来たの?」


 何を言ってるんだ、コイツは?


「そ、そんなことはしませんよ。とりあえず、話だけでも・・・」

「そ、そうだ!!ここは威厳を示さないといけなかった。お、おい!!人間。すぐに立ち去れ!!そうしなければ、酷い目に遭わすぞ」

「まずは、話し合いを・・・」

「だったら、掛かって来い!!ドラゴンの恐ろしさを分からせてやる」


 全く会話にならない。

 ルージュが言っていたとおりだ。


 私は、「鋼鉄化」のスキルを発動させ、びくびくしながら、ドラゴンの攻撃を待った。

 しかし、攻撃は一向に飛んでこない。私とドラゴンは微動だにせず、睨み合いを続けていた。30分くらい、そうしていただろうか、堪りかねた私は言った。


「あのう・・・そちらから、攻撃されてはどうでしょうか?」

「えっ!?そ、それは・・・そっちが攻撃したら?」

「いえいえ、そちらからどうぞ」

「いや、そっちからしてよ」


 微妙な雰囲気になってしまった。

 これは困った。私には、攻撃手段が全くないのだ。聖女パンチという必殺技があるが、ドラゴン相手に通用する技ではない。かなり悩んだ末、ある作戦を思い付いた。


「それじゃあ、こちらから行きますよ」


 私は、近くのボンバーロックを抱え込み、何発も聖女パンチを喰らわす。

 10分くらい、殴り付けてたところ、真っ赤になって自爆モードになった。私はボンバーロックを抱えたまま、ドラゴンに突進した。

 すぐにボンバーロックが爆発した。


 土煙が収まり、確認すると、ドラゴンは無傷だった。


「そんな攻撃は効かないぞ。どんどん来い」

「そんなの、悪いですよ・・・今度はそちらからどうぞ」


 ドラゴンは、どうしてか分からないが、かなり困っているようだった。

 しばらくして、ドラゴンは、近くに転がっていたビッグボンバーロックを殴り付けて、爆発させた。大爆発が起きたが、私は無傷だった。


 ドラゴンがびっくりしたように言う。


「この攻撃を防ぐとは、なかなかやるな。次はお前の番だ」

「えっ!?私は別にしなくてもいいんですが・・・」

「いや、順番は大切だ」


 仕方なく、私はボンバーロックを爆発させた。

 当然、結果は同じだ。


「それでは、今度はドラゴンさんの番ですよ」

「そ、そうだな・・・よし、仕方ない」


 それからは、もう何をしているのか、分からなくなってしまった。

 私とドラゴンで、順番にボンバーロックやビッグボンバーロックを爆発させているだけだった。


「もう止めませんか?とりあえず、話し合いを・・・」

「話し合いは苦手なんだ・・・怖いし・・・」


 もう訳が分からない。

 そんな時、ルージュが私とドラゴンの間に入った。子犬サイズから通常の大きさに戻っている。


「フェルスよ。何をしておる!!わらわを倒したお前が、何という有様じゃ!?」


 おい、ルージュ!!

 アンタは、どっちの味方なんだよ!!


「えっ!?ルージュ?何でこんな所に?」

「それは、こっちのセリフじゃ。わらわは、こちらのアオイの騎竜となっておるのじゃ」

「そ、そうなんだ・・・それで、僕をどうしようというんだよ?」

「何もせん。ここを調査に来ただけじゃ」

「そうなんだ・・・だったら帰ってよ」


 何とか会話はできそうだった。

 そんな時、ルージュのお腹が激しく鳴った。


「緊張したら、腹が減った。アオイよ、とりあえず食事にしよう。話し合いなら、食べながらでもできるぞ」

「ちょっと、ルージュ」

「うるさい!!わらわは腹が減ったのじゃ」


 聞いてくれなかった。

 仕方なく、食事の準備をする。保存用の食材で、料理を始めることになった。鍋に入れて、火にかけるだけだけどね。

 しばらくして、いい匂いが漂う。


 フェルスも、料理には興味を示していた。


「フェルスも食べたいじゃろう?早く小さくなれ。そうすれば、いっぱい食べられるぞ」

「小さくなっても、いじめない?」

「そんなことはせん。早く、小さくなれ」


 子犬サイズとなったフェルスとルージュ、一心不乱に料理を食べている。


 ミウが言う。


「一体、私たちは何をしているんだニャ?」

「訳が分からん。アオイとドラゴンがボンバーロックを爆発させ、今は一緒に料理を食べている・・・」


 私だって、意味が分からない。


 料理を食べ終えたので、話をしようとしたところ、ルージュもフェルスも寝てしまった。


「どうしようか?寝ちゃったし・・・起きるまで待つしかないわね」


 私たちは、途方に暮れていた。

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