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鋼鉄の聖女~勇者召喚されたOLですが、不遇なジョブの所為で追放処分を受けました。でも実は、私のジョブは最強のようで、いつの間にか無双しちゃってます。  作者: 楊楊
第二章 冒険者の町 

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39 決着

 私が、アーミーアントに取り囲まれ、攻撃を受けている間にダクラが大声で、指示をしていた。


「おい!!お前たち、一旦休戦だ!!そうしないと全滅するぞ!!アオイを見ろ。その身を挺して、お前たちを助けているんだぞ!!」


 ノーリも叫ぶ。


「隊長!!まずは戦線を立て直してくださいッス!!」


 隊長が言う。


「ノーリに気付かされるとはな・・・よし!!隊列を組め!!まずは西ギルドの魔導士たちと合流するぞ!!」


 凄い勢いで、重装歩兵隊の突進が始まる。

 突進に合わせて、「ソードガールズ」がサポートに入る。すぐに魔導士たちと合流した。


「一旦、休戦だ。俺たちの後ろで、魔力を回復しろ。ある程度、回復したら今度は南ギルドの奴らと合流する」

「仕方ない・・・あんなのを見せられたらな・・・」


 東ギルドの戦士たちと西ギルドの魔導士たちが共闘し始めたことで、戦線が安定してきた。それに魔導士も回復薬や魔力回復ポーションなどで、持ち直したことも大きい。しばらくして、南ギルドのチームとも合流した。


「礼は言わん。だが、借りだけは返してやる」

「こっちも仕方なくやっているだけだ」

「共闘は了解した。だが、誰が指揮を取る?」


 ダクラが言う。


「ここは私が指揮を取る。文句は言わせない」


「いいぞ」

「この際、仕方ない」

「好きにしろ」


 ダクラが指示をする。


「まずは戦線を安定させる。東ギルドの戦士たちは、とにかく戦線を維持してくれ。西ギルドと南ギルドは、自分たちの回復とサポートに徹しろ。それと南ギルドは、罠設置はできるか?」


「ああ、あるだけ全部使ってやるぜ」


 これには、南ギルドの部隊員が反論を言う。


「隊長、それではこのバトルで・・・」


「うるせえ!!全滅したら意味ないだろうが!!まずは、何より生き残ることだ。そして、聖女様を助けないとな」



 ★★★


 ダクラの指揮は見事なものだった。

 徐々に後退し、南ギルドが設置した罠に大量のアーミーアントを誘い込み、一気に殲滅する。目に見えて、アーミーアントの数は減ってきた。


「よし、徐々に押し上げるぞ!!」


 徐々にだが、私のところまで、部隊が進んで来ているのが分かる。

 そして、とうとう私の位置までやって来た。すぐにノーリが飛び出して、私を回収してくれた。


「このまま、アーミーアントを討伐する。異論は?」


「ない」

「構わん」

「いいぜ」


「分かった。それではしばらくはこのまま維持だ。できるだけ数を減らす。そのうち、女王が出て来る。そこを一気に仕留める」


 私はというと、後方で待機して、ミウに水魔法で粘液を洗い流してもらっている。

 本当に気持ちが悪い。早く温泉に入りたい。


 戦況はというと、かなり安定していた。

 流石は一流の冒険者集団だ。戦士、魔道士、斥候とバランスが取れている。

 そんなとき、一際大きなアーミーアントが現れた。女王だ。


 すると、アーミーアントの動きが格段によくなった。


「女王が直接指令を出しているんだ。そうなると、今まで以上に手強い」


 こちらはというと、これまでの戦闘で、少しずつ体力が削られてきていた。


「無理して、攻勢に出れば、たちまち戦線が崩壊する。かといって、ジリ貧状態だしな・・・何か起死回生の手でもあれば・・・」


 私はある作戦を思いついた。

 ダクラとミウに伝える。


「流石にそれは危険だニャ」

「だが、やってみる価値はあるな・・・」


 私は、南ギルドの隊長にお願いをした。


「それぐらいはしてやる・・・しかし、本当にいいのか?死ぬぞ」


「大丈夫ですよ。神のご加護がありますから」


 適当なことを言ったが、そんなものはない。


 私はすぐに南ギルドが持っていた小型のカタパルトにセットされる。


「発射!!」


 そして、南ギルドの隊長の指示で、上空に打ち上げられた。

 そこにミウが風魔法を放つ。強風を吹かせるだけだから、ミウに取ったら朝飯前だ。スキルの「重量調整」で、最大限軽くしているので、物凄いスピードで、女王目掛けて飛んでいく。


 そろそろかな。


 フライング聖女アタック!!


 心の中で叫びながら、最大限重量を重くする。


 グチャ!!


 運よく女王の頭部に直撃し、女王の頭部が潰れた。

 女王は仰向けに倒れ込んだ。

 ダクラの声が聞こえる。


「アーミーアントの動きが目に見えて、悪くなったぞ。今だ!!戦線を押し上げる」


 私は、女王の頭部にめり込んだままなので、戦況は分からないが、それでもこちらが押しているのは、雰囲気で分かった。

 しばらくして、私は女王の頭部から引っこ抜かれた。

 ミウが抱き着いて来る。


「やったニャ!!アーミーアントを全滅させたニャ!!」

「アオイ、よくやったぞ」


「そ、そうかな・・・特に何もしてないんだけど・・・」



 ★★★


 ドロップアイテムなどを回収し終えたところで、これからの話になった。

 また、もめるんだろうな・・・


 しかし、予想外のことが起きる。


 東ギルドの隊長が言う。


「聖女殿、礼を言う。我は傭兵に成り下がったとはいえ、武人の端くれだ。命の恩人には礼を尽くす。よって、東ギルドはここで帰還する」


 西ギルドの隊長と南ギルドの隊長も続く。


「我らも下りる。魔導士としてのプライドが許さん。そして、ありがとう」


「俺たちもだ。俺たちは汚れ仕事もするが、それでも仁義は持っている。命の恩人を出し抜くことは、できんよ」


 私たちを残し、三チームは帰還した。


「ど、どうする?」


「16階層に行くだけ行けば勝ちだニャ」

「そうだな・・・行くだけ行くか?」


 とりあえず、16階層まで行ってみた。

 16階層は、12階層と同じでボンバーロックがひしめいていた。


「じゃあ、帰ろうか?」


「そうするニャ」

「そうしよう」


 こうして、私たちは15階層に戻り、そのまま転移スポットを使って、帰還したのだった。

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