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鋼鉄の聖女~勇者召喚されたOLですが、不遇なジョブの所為で追放処分を受けました。でも実は、私のジョブは最強のようで、いつの間にか無双しちゃってます。  作者: 楊楊
第二章 冒険者の町 

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28 サポートパーティー

 その日私たちは、ギルマスのケアルさんから呼び出しを受けた。


「今日来ていただいたのは、少し相談がありましてね・・・マーサ!!来てくれ」


 ギルマスに呼ばれマーサさんがやって来た。


「相談というのは、「鋼鉄の聖女団」への加入希望者のことなんだ。三人程、何度も一次審査を受ける奴らがいるんだ。審査料も決して安くはないんだけど、いくら言ってもやめないんだ・・・」


 三人というのは、ドワーフの少女ノーリ、魔道士のライトル、コボルトのトールとのことだった。


「三人を見たことはあるだろ?」


 ノーリは部隊をクビになった現場に出くわしたし、ライトルもギルドとの契約解除された現場に居合わせた。トールは、暗殺の仕事を請け負わされたということで、北ギルドに駆け込んで来たので、よく覚えている。


「いくら言っても聞かないし、こっちも可哀想になってきてね・・・だから、アンタらに諦めさせてほしいんだ。それ用に依頼も見繕っているからね」

「依頼については、私のほうから説明します。場所はシュルト山で・・・」


 依頼というのは、シュルト山の未開の森の調査だった。

 最近、北ギルドにはシュルト山関連の依頼が多く舞い込む。北ギルドに所属していた冒険者が多く、シュルト山に移住しているのも大きい。

 温泉効果もあり、それなりに実力が戻った冒険者もいるが、未知の危険が潜む調査依頼を受ける者はいない。


「その調査依頼に、彼ら三人をサポートパーティーとして同行させてください。それで、それとなく才能がないと言ってもらえれば・・・」


 私たちが肩叩きをしろと?

 辛い仕事だな・・・


「報酬も弾みますし、彼ら三人の活動費は、ギルドで持ちます。最悪、直接伝えてもらわなくても、後日こちらから伝えるようにしますから・・・」


 ミウとダクラと相談する。


「可哀想だけど・・・この報酬は破格ニャ。私は受けていいと思うニャ」

「うむ。チャンスくらいは、やってもいいと思う」


 二人は報酬に釣られたようだった。


「分かりました。お受けします」



 ★★★


 3日後、私たちは三人の加入希望者を連れて、シュルト山に出発した。

 移動は前回と同じく馬車だ。魔導士の少年ライトルが自慢げに言う。


「どうですか?乗り心地は?この馬車を手配したのは、僕なんですよ」

「何で、一人だけアピールしてるんスか!?みんなでやったじゃないッスか!!」

「そうだよ・・・馬車の担当はライトルだったけど、僕とノーリは食料の準備や資材を準備したし・・・」


 仲裁に入る。


「みんなのお蔭で、快適な旅ができているわ。冒険者パーティーには、協調性も大事だからね」


 実際、三人のお蔭で準備や荷物運びも楽だった。

 ただ、この三人は何かにつけて、アピールをしてくる。本人たちは、最終審査と思っているからね。



 野営をすることになった。

 無理をすれば、1日でシュルト山に着くことができるが、これは彼らの能力を見るためでもある。


「珍しいキノコを採ってきました!!すぐに料理します」


 コボルトのトールがキノコを持って来たのを皮切りにアピール合戦が始まってしまった。


「ちょっと獲物を狩って来るッス!!」


 ドワーフの少女ノーリは、森に入って、スモールボアを狩ってきた。


「えっと・・・僕は・・・明るく照らします・・・」


 ライトルは、光魔法しか使えない。まだ明るいのに光の玉を出現させる。どことなく、その光が寂しそうに映った。


 次の日にはシュルト山に到着した。

 ここまでは彼らにケチをつけるところはない。夜間の警戒もしてくれるし、料理や雑務、御者も交代でしてくれた。正直、居てくれたら有難い存在ではある。


「仲間にしてやってもいいと思うニャ」

「しかし、費用がなあ・・・まだ戦闘力も分からんし」


 私の意見は、二人の中間だね。

 まあ、時間はあるし、総合的な評価を下そう。


 シュルト山で依頼主の村長を訪ねると、大喜びしてくれた。


「聖女様に来ていただけるなんて、本当に有難い。すぐに歓迎の宴を開きます。もちろんお風呂もご用意いたしますよ」


 かなりの高待遇だった。

 これには三人もびっくりしていた。


「こんな待遇が受けれるなんて、絶対に入れてもらわないといけないッス」

「そうだな・・・」

「このパーティーに入れば、将来は安泰だね」


 どこに行ってもこの待遇だと勘違いしているようだ。

 ボンバーロックの一件があったから、この村だけこんな感じなんだけどね。



 次の日、早速未開の森に入った。

 三人共、アピールする気満々だ。最初に活躍したのは、コボルトのトールだった。自慢の鼻で、薬草やキノコを見付けてくる。


「ど、どうですか?僕がパーティーに入れば、こういった採取活動も楽になりますし、索敵も得意ですからね」


 後の二人はというと、歯ぎしりをして悔しがっていた。


「私もアピールしないとヤバいッス。魔物が出てくれば、戦闘力の高さをアピールできるのに・・・」

「夜になれば、魔法で照らしてアピールするんだけど・・・」


 ミウとダクラと相談したところ、三人には、気の済むまでやってもらおうということになった。

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