表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼鉄の聖女~勇者召喚されたOLですが、不遇なジョブの所為で追放処分を受けました。でも実は、私のジョブは最強のようで、いつの間にか無双しちゃってます。  作者: 楊楊
第二章 冒険者の町 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/103

24 ボンバーロック 2

 次の日の昼には、依頼書が届いた。

 かなり急いで、町まで向かったようだった。そして依頼書を確認して驚愕した。


「この量はヤバいニャ!!30箇所以上あるニャ」

「1日では無理だぞ」


 村長さんが言う。


「依頼書を確認してくれ。期限は記載していない。だから、何日か掛けてもらってもいい。その間の滞在費はこちらで負担する」


 流石に何日も、ここにいる訳にはいかないので、1日10箇所、3日で討伐が完了する計画を立て、実行することにした。



 討伐はというと、順調だった。

 というか、単調過ぎて、三人とも集中力を欠いている。私は集中していても、していなくても大差はないのだが、ミウとダクラは顕著だった。

 ミウは、ただでさえ低い命中率が更に下がり、撃った魔法の半分は私に直撃していたし、ダクラなんて1回の戦闘で、1本しか矢を射らなくなったしね・・・


 流石に二人に注意する。


「こういうときに決まって、事故が起きるものよ。もう少し集中したほうがいいと思うのよね」


「それは分かっているニャ。でも、張り合いがなさすぎるニャ」

「そうなのだ。どうにも飽きてくる・・・」


 私は少し考えて言った。


「だったら一度、私一人で討伐させてくれない?」


 二人がここまで集中力を欠いているのには、理由がある。

 ボンバーロックは1体が自爆すると、周囲にいるボンバーロックも巻き添えを喰らう。極端な話、1体だけ自爆させてしまえば、群れごと殲滅できる。だから、適当に魔法を撃っても、そのうちの1体にダメージが蓄積されていけば、自爆して群れが壊滅する。

 普通の冒険者ならこんなことはできない。自爆攻撃に巻き込まれて、大怪我をするからだ。まあ、私のスキルが特殊だからできる戦法なんだけどね。



 ★★★


 私は今、群れから少し離れた場所で、一体のボンバーロックと対峙している。

 かれこれ、1時間近く戦闘を行っている。必殺技の聖女パンチを繰り出しているが、自爆するまでダメージを与えられないでいる。

 ここまで長く戦っていると、宿命のライバルのような気になってしまう。


 ボンバーロックの表面は徐々にではあるが、ひび割れていて、そろそろ相手も限界に近い感じがする。

 そんな時、ボンバーロックが、物凄い速さで突進してきた。以前までの私なら、為すすべもなかっただろうが、マーサさんとの特訓もあり、この程度の攻撃であれば、対処できるようになっていた。

 向かってくるボンバーロックに必殺のパンチを繰り出す。


「ハイパー聖女パンチ!!」


 ボンバーロックに鋼鉄化した拳がめり込む。そしてボンバーロックは、燃えるような真っ赤な色になった。


 自爆する!!


 私はボンバーロックを抱え込み、ボンバーロックの群れに向かって走った。

 そして、群れに向かって自爆寸前のボンバーロックを抱えて、飛び込む。ラグビー選手がトライを決めるような感じだ。


 ドカーン!!


 爆発が起こり、ボンバーロックの群れは壊滅した。

 私は鋼鉄化しているから、無傷だったんだけどね。


 誇らしげにミウとダクラに言う。


「どう?私もなかなかやるでしょ?」


「こんなことをしていたら、依頼達成まで1ヶ月は掛かるニャ」

「そうだな・・・だが、アオイの戦いを見て、私は作戦を思いついたぞ。これなら、今までよりも効率よく討伐ができる」


 ダクラの作戦を実際にやってみることになった。

 まず群れを見付けたら、群れから少し離れている個体に私が突進する。そして、そのボンバーロックを抱え上げた状態で鋼鉄化する。こうすると、ボンバーロックは動けない。

 そこにダクラが弓を射かける。私の聖女パンチとは比べ物にならないくらいの威力なので、すぐにボンバーロックは自爆モードになる。


 そこにミウが風魔法を私にぶつける。

 私は「重量調整」のスキルで、かなり軽くなっているので、ボンバーロックの群れまで飛んでいく。

 結果はというと、大成功だった。


 大昔のバラエティー番組でやっていた人間大砲みたいだ・・・


「これならあっと言う間に討伐が終るし、魔力も矢も節約できるニャ」

「そうだな。これも何れ飽きてくるから、さっさと終わらせよう」



 そこからは、早かった。

 楽しくはない。ただ三人共、とにかく早く依頼を片付けようという思いから、回を重ねるごとに効率がよくなっていった。

 計画では3日以上掛かるところを2日半でやり遂げてしまった。


 村長さんや村人たちもびっくりしていた。


「信じられん・・・これなら、追加報酬を払ってもいいくらいだ」

「村長、是非出してあげましょう。自警団を編成して討伐することを思ったら、安いもんですよ」

「それはそうと、折角だし宴でも開きませんか?」

「そうしよう。すぐに準備をさせろ。酒も料理も一番いい物をお出ししろ」


 村の人たちが喜んでくれて、私も嬉しい。

 ミウとダクラも誇らしげだ。


 そんな時、ベータさんが慌てた様子で駆け込んできた。


「子供たちがいなくなった・・・もしかしたら、未開の森に行ったのかも・・・」


 詳しく事情を聞くと、ベータさんの息子のゼータ君10歳とその妹のシータちゃん8歳が昼過ぎから、行方不明になっているようだった。付近を捜しても見付からず、村長に捜索隊を組織してほしいと要請に来たようだった。


「分かった。すぐに村人集めて、捜索に向かおう。すまないが冒険者殿・・・」

「もちろん、私たちも捜索に協力しますよ」


 こういった緊急事態であれば、ギルドを通さなくてもいいだろう。


 それにしても、心配だ。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ