表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/103

103 エピローグ

 結論を言うと、高校生たちは旅立つことになった。


 順を追って話すと、高校生たちに同情の声も多く上がった。

 カリエスやチャールズ、クルミが中心となって、減刑を申し出た。まあ、勝手に勇者召喚された被害者だし、それに、情報統制された状況で魔王討伐に向かわされたんだからね。


 高校生たちの被害者はというと、ゴブリンたち弱い魔族、護衛に就いていた冒険者、そして誘拐された私ということになる。魔族たちには、治療費を私たち国家連合会議から支払っているし、冒険者はそもそもがそういう仕事だから、治療費が貰えてラッキーくらいにしか思っていない。

 そして、私もいつも通り無傷だ。

 よって、被害者が重い処罰を望まないという建て前で、高校生勇者たちは、かなり軽い刑罰で済むことになった。日本風に言えば、保護観察という感じだ。


 そして、今日彼らは出発の日を迎えることになった。

 彼らには、研修や訓練を受けてもらい、Cランク冒険者になってもらった。旅立つ理由は、未開の東大陸の調査任務のためだ。彼らにはカリエスとクルミが同行する。


「我がしっかりと最後まで、指導していれば彼らの未来も変わっていたかもしれないから、せめてもの罪滅ぼしだ」


「あの時、教会に逃げ込んでなければ、レンたちと同じ運命を歩んでいたと思います。何だかんだ言っても、レンたちとは友達でしたし・・・困っている時は支えてあげたいし・・・」


 相変わらず、カリエスは責任感が強いし、クルミも優しい。


 見送りは、ひっそりとして寂しいものだった。

 勇者パーティーが魔王を討伐しに旅立つわけでもないし、ただの冒険者パーティーが依頼に出発するだけだからね。


 別れ際、私にいつも辛く当たっていたミスズが声を掛けてきた。


「本当にごめんなさい・・・貴方が嫌いってわけじゃなくて、年齢の離れた姉と同じ感じがして・・・」


 ミスズが言うには、ミスズの姉は真面目で何でも結果を出してきたそうだ。それで、両親に姉と比べられて育ったミスズは、いつしか姉を嫌いになっていったという。


「八つ当たりしていたんだと思うわ・・・本当はお姉ちゃんに甘えたかっただけかも・・・もう会えないけど」


 こんな時、どう答えていいかなんて、分からない。だから、いつもの癖で言った。


「それは分からないわよ。貴方にも神の加護がありますように」


「お姉ちゃんも、私が我儘言っても優しかったな・・・ありがとう」


 ミスズは笑顔だった。


 高校生勇者たちを見送った後、私はミウたちに言った。


「それじゃあ、私たちも行きましょうか?」


「そうだニャ」

「うむ」


「ルージュ、西大陸でよかったのよね?」


「そうじゃ。母上が言うには、多分困っておるとのことじゃ。連絡も取れんらしいからな」


 私たちは、竜王から直々に依頼を受けていた。

 依頼内容はドラゴンの探索と保護だ。そのドラゴンというのは、雷竜と呼ばれる種族で、常時体に電気を帯びているようだ。なので、人間でそのドラゴンの相手をできるのは、私しかいない。


 まあ、そうなるよね・・・


 私とミウとダクラはルージュに乗って、空に舞い上がった。


「果たして、西大陸に旨い物はあるのじゃろうか・・・」


 またそれか・・・

 まあ、それが私たちっぽいけどね。

これでこの物語は終了となります。

この物語を作成するきっかけは、単純な思いつきです。某大人気RPGドラ〇エの全く使えない呪文、「アスト〇ン」しか使えなかったらどうなるだろうと思って、執筆を始めました。当初は短編で終わる予定だったのですが、思いのほか長い話となりました。これも皆様のお蔭です。


さて、話は変わりますが、新作を執筆しましたので、読んでいただけると幸いです。こちらも少し、変わった設定の主人公となっております。


「異世界のんびり刑務官~異世界で無双?そんなの俺は求めてない。ただ安定した生活がしたいだけなんだ!」

https://book1.adouzi.eu.org/n4150lk/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ