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カフェで注文をする


 窓際の席に僕とサシャは案内される。その席は窓の外の光景を見ることが出来る。植えられている植物が見えて綺麗だなと思った。



 ただまぁ、僕とサシャがこのカフェにいることを聞きつけた人が結構の数外にいるから景観は損なわれている感じはあるけれど。



「サシャ、なんかメニュー表も可愛いね」



 僕は机の上に置かれているメニュー表を見ながら、可愛いなぁと嬉しい気持ちになる。

 だってそのメニューには可愛いイラストが描かれている。文字を読めない人のためにもそういうイラストが入っているのかなと思うのだけど、なんだか可愛い雰囲気のものなんだ。

 こういう可愛いイラストのメニューが置かれているのは、此処が帝都という都会だからかな? 田舎の村とかだとこういうお店もないだろうからね。




「サシャはどういうものが食べたい?」



 僕の食べたことのないものが沢山あって、僕はどれを頼もうかとうずうずした気持ちになっている。

 というか、なんでもかんでも食べてみたいなという気になるのはそれだけこのメニュー表に描かれている絵が魅力的だから余計にそう感じてしまうのかな? 美味しそうなものが沢山あって、全部食べてみたいなみたいな気にもなる。



「我はこれにする」




 サシャは初めてこのカフェに来たというのに、全く躊躇せずにすぐに食べるものを選んでいた。なんというか、サシャってあんまり悩まないよね。そういうところはさっぱりしているというか、逆に僕はこれだけあると悩んでしまうのでサシャを待たせてしまう形になってしまう。




「んー。なんか僕はすぐに決められないかも。どれも美味しそうでどれを頼もうかなって。全部頼んだら流石に食べられないだろうし」



 並んでいる間におすすめのメニューは聞いていたけれど、なんというかそれ以外の物も全部美味しそう。


「むむむ……」



 僕が悩んでいるとサシャは僕のことを笑顔で見ている。待たせているけれどサシャは気分を害してはいないみたい。




「ウルリカ、ゆっくり選ぶといい。幾らでも食べてよいぞ」

「ねぇ、サシャ。またこのカフェに一緒に来てくれる? また来れるんだったら僕、分けて頼む形にしようかなって思うんだけど」

「もちろんだ。ウルリカが来たいのならばまた幾らでも連れてこよう」

「やった! ええっと、なら――」



 どうしようかな。




 またサシャが僕と一緒にこのカフェに来てくれると思うと嬉しいのだけど、何を頼もうか?

 また連れてきてくれると言ってもらえてもやっぱり悩むよね。




 だってこれだけ多くのメニューがあるんだよ!



 カフェだとがっつりとした食事のメニューは少ない。どちらかというと軽食系ばかりが多い。

 サシャはカフェで用意されている数少ない重めのメニューを選んでいた。お肉系だね。

 僕はパスタ系にしてみた。あとはデザートもいっぱい頼んだ。甘くて美味しそうなものが沢山あるんだよ。

 サシャもデザート系も一つ、頼んでいた。

 ちなみに僕はこういう場所で何かを注文するのも初めてだったので、ちょっとドキドキしながらやってみた。メニューを言い間違えたりしてしまったけれど、店員もにこにこ笑って頷いてくれていた。




 飲み物もね、美味しそうなものが多かったからちょっと悩んだんだ。

 一杯飲んで、まだ飲めそうだったらもう一杯飲んでみようかな?




「サシャ、こうやって食事が来るまで待つのも新鮮だね」




 聖女として引き取られてからは僕はずっとこうやって食事を待つというのはあんまりしていなかった。だからなんだか新鮮な気持ちになっていたりする。聖女になる前は逆にお腹がすいて仕方がなかったけれど、今の状態はその中間って感じがする。




「そうか。ウルリカは何気ないことも楽しそうだな」

「うん。楽しいよ。だって僕にとって新鮮なことばかりだもん。なんでもかんでも物珍しいというか。それにサシャと一緒だからね。どんなことをしていてもきっと楽しいと思う」




 何をするかも大事だけど、誰と一緒にいるかも大切だもん。

 僕はサシャに対して好感を抱いているから、こうして待っている時間も本当に楽しい。




「このカフェの食べたいメニューはこれから制覇していくとして……、他の飲食店にも色々言ってみたいよね。あ、でもサシャは女帝って立場だからそんなに一緒に出掛けるは難しいかな? でも僕ね、こうして帝都に来るならサシャと一緒だと嬉しいなと思う」




 多分、サシャは僕が一人でこうして帝都を歩くことも許してくれるとは思うのだけど、僕はサシャと一緒にこれからも沢山帝都をぶらぶら出来たらいいなと思ってしまう。



 僕の言葉にサシャは笑って、頷いてくれる。



 そしてカフェでご飯を食べた後に、次にどこに行くかなどの話をしながら僕らは食事が届くのを待つのであった。



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