妖怪 ※※※※※※※と都市伝説対策課 5
この異常事態に無駄口を叩いている二人。
この怪異に対し軽口を叩ける余裕。
明らかに場慣れしていて異常だ。
この二人は。
とても常人とは思えない。
「え~~と。こんな時まで喧嘩しないで欲しいのだけど」
「「すみません御嬢」」
その豪胆な二人を従えている少女。
その胆力は明らかに異常だ。
ガチガチ。
ガチガチ。
ガシャドクロは首を斜めに落とし三人を見下ろす。
潰す気だ。
三人を。
その怪力で。
そして食べる気だ。
三人を。
「二人共」
「おうとも」
「はいはい」
二人に声をかける少女。
それに合図のように答える二人。
「妖狐変身」
男はキワードを唱える。
ボウン。
白煙とともに現れたのは奇天烈な衣装を着た狐。
顔は狐。
体は鍛え抜かれた人。
その背後には四本の尾が揺れていた。さらに……。
「幻王天狐」
朱を下地に金糸で刺繍された奇天烈な和服。
腹に撒いた木綿の布。
煙管をその手に見栄を切る。
かって存在したという忍者王。
歌舞伎や映画にで有名な、自来也を思わせる見栄をきる。
もう一人の女もキーワードを唱える。
「化け猫変身」
ブワッ!
全身から毛が一斉に生えて来る。
そして女性を包みこんでいく。
瞬時に女性は変体していた。
瞳孔が縦に裂け。
毛深い顔。
鼻孔近くに生える長い毛。
毛深い顔。
不自然な迄に長い爪。
そして最後に三本の尻尾。
「妖獣 猫魈」
猫魈。
強力な霊力と人間を凌駕する知識を持つ存在だ。
化け猫や猫又を従えるボスともいえる妖怪である。
猫が化け猫や猫又になるまでに10年。
猫魈になるには30年かかるといわれている大妖怪だ。
「後はよろしくね」
少女はそう言いながら印を組む。
「あいよ、式神としてお嬢は守るよ」
「はいはい」
式神 / 識神(しきがみ、しきじん)。
陰陽師が使役する鬼神だ。
本来は。
だがこの二人は少し違う。
術者。
そう呼ばる存在が都市伝説対策課に存在する。
陰陽師。
拝み屋。
退魔師。
呪術師。
魔術師。
マギ。
符術士。
巫術師。
様々な対超常現象の専門家。
それらを一纏めにして『術者』と呼ぶ。
そんな様々な対超常現象の専門家を集めた組織。
それが『都市伝説対策課』だ。
そこに所属するものは過去のどんな経歴も問われない。
年齢、性別。
そしてどんな出自や身分でも。
都市伝説に対抗出来る術を持つならば犯罪者すら問われない。
唯、ひたすらに都市伝説や妖怪を滅する。
あるいは封印する超法規的機関だ。




