妖怪 ※※※※※※※と都市伝説対策課 2
「ニ番! 私こと暁、行きますっ!」
「いけええええっ!」
「一気、一気」
「飲め飲め~~」
「美味しい~~スルメ」
猫にスルメ食わせて良いんかい。
知らんが。
「それはそうと……」
「うん?」
「さぁさぁ 一献どうぞ」
そう言いながら僕に紙コップを持たせる女子中学生。
知り合いの女子だ。
クラスメイトの『浅井』さん。
こんな場所には似合わない普通の女の子。
黒縁メガネが似合う子で、右目を前髪で隠した子だ。
髪が長いので三つ編みが似合いそうな文系女子という感じですかね。
補足すると胸がでかい。
これは……相棒より大きかも。
『おい?ドコを見た』
相棒尖すぎません?
『普通だ』
いや。
良いけど。
ぱっと見は普通の女子にしか見えないこの子だが……。
実はこの子ガッチリ僕達と関係者です。
都市伝説繋がりの。
ええ。
「お嬢。私がしますよ」
「いや、今回はこちらが迷惑を掛けたので誠意として私が」
「そんな……」
うん。
中年の男性よ。人化の变化が解けてるぞ。
妖狐だったかな。
名前は天狐だったか?
「それより天狐。お酒が飲みたいなら、お前も宴会に参加しなさい」
「いや、お嬢を放置して酒など……」
完全に顔が狐になってるんだが……。
四本の尻尾を振るのは止めろ。
「私がお嬢を護衛しているから、今の内に油揚が無くなる前に宴会に参加しとけ」
そういえば妖怪や都市伝説の特徴の一つを思い出した。
人と同様に何らかの栄養分を摂取しないと衰弱していくという事を。
この天狐もそうなのかな?
「良いのかっ!」
あ……違うな。
普通に好物みたいだ。
気の所為でした。
「良いからさっさと行け」
天狐のだらしない顔を見てため息をつく背広の女性。
いや、その顔は人のそれではない。
猫。
ただし化け猫とも猫又とも違う。
何だっけ?
忘れた。
「すまんな~~タマ」
「さっさと行け」
「それでは甘えて~~」
天狐。
お前、浅井の護衛役ではないのか?
いや、主従の問題なのでどうでも良いが。
「ささ、飲んで飲んで」
「どうも」
アルミ缶をこちらに向ける浅井。
両手で持ってるせいか胸が強調される。
眼福です。
『むっ』
相棒何でむくれる?
いや分かるけど。
「では、お言葉に甘えて……」
可愛い子のお酌って良いよね~~。
うん?
なんだろう?この強烈な匂いは。
あれ?
アルコール臭がしますが……。
浅井が持ってるのはお酒?
あれ?
「注ぎますね~~」
「どうも」
僕にどうしろと。
これお酒だよね?
でも美味そう。
「飲んでみて下さい。分家筋の方が作っている蔵酒です」
「うん」
クラスメートなら僕が未成年という事は知ってるよね?
『心配ない。都市伝説の一部は未成年でも法的に飲酒は認められてる』
「そうなの?」
『寧ろ酒を飲ませる事を推奨されている位だ』
まあいい。
舐めるだけながら……。
美味いっ!
爽やかな香りに口の中で熱くなる感じ。
ガチで美味い。
お言葉に甘えて飲むか。
「モフモフ~~」
……。
良いお酒を飲んだのが台無しなんですが……。
いい加減煩いな、この都市伝説。
「そう言えばコイツを埋めてたんだよな……」
僕の言葉に全員が目をそらす。
うん。
ヤバい。
犯罪だよね。
生き埋めって。
犯人は僕だけど。
というか短期バイトだけど仕方ないよね。
『……』
「「「「「……」」」」」
おい。
誰かツッコメ。
放置するな。
僕にツッコメ。
確かに『都市伝説職業安定所』から受けた短期のバイトだよ。
しかもコイツは犯罪を犯した都市伝説だ。
だから刑罰で生き埋めにされたんだ。
この僕に。
だからツッコメ。
何かヤバい奴から目を逸らす感じでやってるな。
この雰囲気だと僕が犯罪者にじゃないか。
だから誰かツッコメ。
というか今回は珍しく死体が出なかったな~~珍しく。
いや本当に。
『普通はそうだからな』
相棒煩い。
「それはそうと……ささ、もう一献」
なんでこんな事になったんだろう。
僕は浅井さん達が宴会に飛び入り参加になった経緯を回想しながら、初めてお酒を飲んだ。




