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都市伝説<※※※※> 9














 次の日。





 俺の朝食は新聞を見ながらが取るのがルーテインだ。

 今日の主食はトースト。

 主菜は昨日余った肉。

 肉を早く消費しないと、次のヤツが冷凍庫が満杯で入らないんだよね~~。


「うん?」



 新聞端の記事に目を止める。


「うん?」


 あれ?

 気の所為かな?

 何か既視感が……。

 何だろう。

 

「それに伊万里市、鹿児島、佐賀、佐世保で男性が刺され死亡?」


 年齢及び仕事や勤務地もバラバラと?

 事件の共通点は全員全身めった刺し。

 怨恨の線が高いと?

 ふ~~ん。


 うん?


 あれ?



 この名前……。


 まさかな。


「おはよう」

「家主より遅い目覚めとは良い御身分だことで」

「いいじゃん食費は入れてるし」

「家賃も入れてくれたら何も嫌味は言わん」

「さ~~て何が残ってるかな~~」



 台所に逃げるな。


「北川」

「何?」

如月(キサラギ)が惨殺死体で発見されたと警察に言われたらしい」

「誰が?」

鱶鰭(フカヒレ)

「ふうん?」

「反応が薄いな」

「俺らの繋がり方ならこんなもんだろう」

「まあね」

「だろう?」


 俺らは同じ趣味というか嗜好というべきか、ある思想が似ている。

 だからそれだけで意気投合しているだけであって、それ以外の些事などには基本無関心。

 あくまで利害だけで繋がる関係性。

 俺と北川は例外として、友情とか親愛の情とかで繋がっていないのが金曜日クラブの特徴だ。

 だから会員がが死んだからって何?


 等という考え方が自然なんだ。


 

「とはいえ誰が殺したのやら」

「通り魔?」

「確率は低いと思うぞ」

「なら怨恨?」

「生きている以上、誰かしら恨みはかってるだろう」

「まあね」



 いや本当に。

 誰が殺したのやら。


「残りの金曜日クラブのメンバーは此処に来るのかな?」

「来るだろう。断りのメールは誰からも届いていないやん」



 ふむ。


「パーティの準備をしとくか」

「お~~」

「家庭菜園から野菜を収穫してくる」

「肉は解凍してたやん……あ……」

「どうした?」

「冷凍してる肉が少なくなっていた……」

「捕まえてたやつを今から解体すれば間に合うだろうに」

「言われてみるとそうやん」

「どじやね」

「折角だから皆んなの前で解体でもしたら?」

「ふうん?」

「解体ショーてのは、好きな奴は多いと思うぞ」

「そうかな?」



 いや人によっては引くぞ。

 屠殺場での解体と同じでアレは。


「となると……バーベキューコンロを出して準備したら後は暇になるな」

「夕方まで暇でも潰すやん?」

「良い」

「あ~~そうだ」

「どうした?」

「俺が解体しといてやるよ」

「良いの」

「おうよ」






 トントン。



 

 北川が何処かに行く。


 何処に行くんだ?


 あいつ?


 解体作業はどうした?



 まあ~~いいや。




 ふむ。


 たまの休みだ。


 温泉にでも行くか。


 夕方には金曜日クラブの連中が全員集まるだろう。


 それを考慮してもパーティー開始時間までには間に合うはずだ。



「という事で温泉に行くか」



 そう考えた俺は早速準備に取り掛かる事にした。


「北川~~。俺、温泉に行くけどお前どうする?一人でやれそうか?」

「……」



 返事は聞こえない。


 遠くにいるという感じでは無い。



 唯何処からか声が聞こえた。



 但し内容は良く聞き取れない。



 何かの障害物が音を遮断している感じがする。




 

 外ではない。



 家の中。




 障害物のある場所。






 多分地下だ。

 北川は地下に行ったのだろうか?


 獲物を保管している地下。


 放置するだけだと色々悪臭がするからな~~。


 だから水道とか下水を充実させてるんよ。



 それに解体してる現場を所を、関係者以外が見たら大抵腰を抜かすだろうし。


 いや。


 本当に。




 

 北川は間違いなく、地下の獲物を解体しに行ったんだろう。


 俺は家の地下を目指し台所に足を向けた。




「あ~~やっぱり地下か」




 床下収納の中身が外に出されている。


 各種調味料。



 それに油類。


 缶詰。



 それらが床下収納から外に出されている。



 それだけでなく、最底に収納されていたプラスチック製の大きな収納箱も外に出されてる。





 更に下。



 その下に有るベニア板まで外されている。





 その下には更に空間が存在する。


 地下へと続く階段が。




 ソコに足を入れる。




 階段を使い地下へと降りる。







  



 四方をコンクリートの壁で囲まれた階段。




 地下へ続く闇を照らす明かりは壁に設置した蛍光灯のみで仄暗い。








 ジジッ。



 ジッ。




 蛍光灯の調子がおかしい。


 消えかかって不規則に点滅している。



 蛍光灯の寿命が近いんだろう。












 異臭がする。



 異臭が。



 何かが腐った匂いが。




 


 ゴリゴリ。



 ゴリゴリ。




 何かを切る音がする。



 木では無い。



 何か湿った物を切る音。




 鋸らしき物で切る音。










 終点はこの家の地下に有る一室。






 ゴリゴリ。



 ゴリ。




 薄暗い蛍光灯でぼんやり照らされた地下室。





 ソコに北川は居た。



 予想通り北川は獲物を解体していた。




 



 吊るされた獲物から血が流れる。



 ドンドンと。



 ドンドンと。




 喉から刃物を入れたのだろう。



 腹部が縦一直線に切られてる。




 腹部から取り出された内蔵が床に置かれていた。




 胃。



 大腸。



 小腸。



 肝臓。



 腎臓。



 その他諸々。



 それらが部位別に並べられている。




 首から下。



 皮膚が綺麗に剥がさていた。



 剥き出しの筋肉。



 骨。



 神経。




 



 顔に恐怖の表情を張り付かせて死んでいる女性。




 その女性は獲物として天井から吊るされている。



 錆びた鎖で。






 


 女は解体されていた。



 まるでアンコウを解体するかのように。



 皮膚は剥がされ。


 血は抜かれ。


 腹は割かれ。

 


 内蔵は取り出されていた。







「北川」

「……」



 北川に声を掛ける。



 ピクリ。


 人肉を出刃包丁で切る北川の手が止まる。



 


 グルン。




 血まみれの出刃包丁を持った北川がコチラをみた。




 爛々とした目で。


 血走った目で。




 コチラを認識した。

 


 興奮している。


 興奮。



 若い女を解体して興奮してるみたいだ。



 息が荒い。


 その目には人をやめた狂気しか感じられない。



 


「ナンダ?」

「有難うな。金曜会に使う焼肉の材料の準備」

「……」




 北川の興奮は落ち着いたみたいだ。



「気にするなよ。居候だからな。コレくらいはね」

「おう」



 ニッコリと笑う北川。


 人好きのする笑い。


 いい笑顔だ。




 この場所に合わんが。






「さてと俺は温泉に行くか」

「行ってらっしゃい」




 快く俺を送り出す北川。



 さてと……。



 俺は北川に背を向けた。








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― 新着の感想 ―
[気になる点] 軽く流し読みした時は気になりませんでしたが、この二人の会話文が分かりづらいんですよねぇ。 [一言] 理由はこの二人の会話が『脳内会話』のようで『何方がしゃべっているのか双方語尾が同じな…
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