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都市伝説<※※※※>  5

 

 

  





 ドッドッドッ。



 



 ザッ。

 ザッ。

 ザッ。


 ザ。



 バイクから降り、家の駐車場から玄関に向かう。

 懐中電灯良いな~~。


「なあ」

「どうしたん?」

「ヘッドライト買おうか」

「そうだな~~」


 携帯電話をここで弄るな。

 危ないぞ。


「電波が届かない」


 ここららへんは電波来ないからな~~。

 


「ふう」

 

 昼間なのに薄暗い。


 上を見ると空を覆わんばかりの沢山の木々。

 家を建てた時に、多少手を入れたとは思えんほど多いな。

 まあ~~これ以上は役所から許可を貰わないと伐採できないのが目下の悩みの種だ。



「自分の土地位、好きに伐採して良いだろうにと思うけどな」

「景観が損なわれるやん」

「お役所仕事やな」

「そうやん」


 はあ~~と俺はため息を付く。

 足元の舗装されてない地面が見える。

 


「もう少しだ」



 俺は麓の商店街からビールを購入していた事を思い出しそう呟いた。


「キンキンに冷えたビールが飲める」

「そうやん」





 それは長年の俺の夢が叶った事をあらためて実感する瞬間でもある。



 長年の夢。



 マイホームを山の中に建てる。


 平屋で安く。


 自然に囲まれた家を。




 思う存分アウトドアが出来る。

 


 等と言う思いで建てました。


 ええ。



 薪は家の近くの木を許可を貰って伐採して使ってます。

 休みの日は薪で炭を作り煮炊き物用。

 若しくは五右衛門風呂に使用してます。


 雨水を風呂に使うのは良いよね。

 貯水タンクの水は使わなくて良いし。


 良いよね~~。


「これぞ五右衛門風呂の醍醐味ってもんよ」

「そうやん」


 ガスは契約してないので使いません。


 



「野菜が食い放題って良いやん」


 北川いい笑顔やな。


「家庭菜園で取れた物がメインだけど」

「問題は肥料代とか何やかんや要求されなきゃ最高なんやんけど」

「野菜食わせんぞ?」

「家庭菜園の手伝いもなければ最高やん」

「お前には絶対に野菜食わせん」

「……」


 北川、当然の義務と思うぞ。

 目をそらすなや。


 余った野菜は冷凍できるの物は保存。

 それ以外は道の駅に卸して現金収入にしてる。

 


 肉は家の近くに来る奴を罠猟で仕留めて食ってます。

 ここら一帯は地形的な理由で獲物がよく掛かる。

 まあ~~掛かりすぎて余り過ぎになるが……。

 そんな時はネット上で知り合った仲間とバーベキューをして消費する。

 因みに仲間と定期的に集いバーベキューしてます。

 その集いを俺らは『金曜日クラブ』と言ってます。

 ええ。


 罠猟も慣れた物ですね~~。



 だから肉が取れた時はバーベキューですよ。


 ええ。



「ああ~~たまらん早くビールが飲みたい」

「それやん」


 今夜は家庭菜園で取れた野菜と冷凍庫に有る肉でバーベキューです。

 麓の商店街から買って冷やしていたビール片手に食べますか。

 いや~~バーベキューはアウトドアの醍醐味ですね。

 しかもキャンプ場に行かなくても味わえるのは良いことです。


「今度自家製で燻製でも作るか?」

「いいやんそれ」

「肉は結構あるし、やるか?」

「味見は任せろ」

「手伝えや」

「味見はするやん」

「味見は手伝いじぁない!」


 北川に突っ込んだ。

 燻製法はネットで調べればいいだろう。

 若しくはアウトドアの関係の本を漁れば出てくるだろう。

 燻製関係の本を買ったは良いけど何処かに置き忘れて見つからんのよ。


「買った意味がね~~」

「何がやん?」

「なんでも無い」

「ふ~~ん」


 ひひっ。


 思わず笑いました。

 


 































 パチパチ。

 

 バチバチ。





 

 白い。


 白い煙。


 



 深い森林に覆われた空に白い煙が吸い込まれる。




 いい景色だ。


 アウトドア チェアに体重を掛けながらそう思う。



 



 見渡す限りの林。


 自然の何と美しいことか。






「これぞアウトドアの醍醐味っ!」

「そうやん」


 うん。


「これさえ無ければな」

「……」


 北川ジト目は止めろ。


 薪代わり……。

 可燃物というか……。

 使わない服とかズボンを燃やして無ければ。

 薪にする木を伐採して無かったのを忘れてた。

 炭は少ししか無いし……。


 薪にする枝を取りに行くには時間が遅いし……。



 まあ~~良いか。

 嫌な匂いがするのは目を瞑ろう。

 うん。


「服とか燃やしたら色々言われるがバレなければいいだろう」

「適当やんね~~」

「仕分けして出すか? お前」

「バレんやろう」



 手のひら返し早っ!


「というか髪の毛の匂いが臭いっ!」

「散髪したのを燃やしてるからやん~~」

「何で燃やすっ!」

「捨てるのメンドイやん」

「面倒くさいで燃やすなっ!」

「ならお前、捨て方知ってるやん?」

「あ~~」

「知らんやん」

「今度散髪屋に聞くか」

「散髪しないのに聞きにいくやんマジで?」

「うん」

「唯の嫌がらせやん」

「そう?」


 まあ~~いいが。


 うん。

 ゴミを埋める穴を見る。

 大きさは充分。

 バレないよな?

 うん。


「大丈夫だよね」

「多分」


 考えんとこう。


 





 シュウ~~。




 

 バチバチ。





 ジュウ~~。







 

 


 パチパチと焼肉のタレが弾ける。

 

「焼肉のタレに漬け込んだのは正解だったな」

「塩コショウもイケルやん」


 独特の癖のある匂い。

 それに微妙だった味も改善された。


「ジビエはあれだね。」

「何?」

「肉本来の不味さが出る」

「ジビエに謝れやん」

「匂いだけな」

「匂いだけやん」

「肉に旨味が無い」

「別に美味いと思うやけど……」


 突っ込み有難う。



 うん。



「獣臭いが美味いっ!」

「ドッチやん?」

「美味い方で」

「それな」


 スパイスとタレを効かせればイケル。

 元はタダだから尚更だ。

 肉がたらふく食えるのは良い。

 最高だ。

 最高の贅沢だ。

 うん。

 最近外国産の肉でも値上がりが酷いからね~~・

 ジビエでも沢山食えて良いね。

 


「口直しの野菜を~~」

「食うやん?」

「良いね~~新鮮で」

「家庭菜園やからね~~」

「虫食いが多いのが欠点だけど」

「美味いという証拠やん」

「そうだな」


 しゅう~~。

 しゅう~~。


 等と水蒸気を上げながら焼けていくキャベツ。

 玉ねぎも良いね。

 下味は塩と胡椒のみ。


 焼けたら焼肉のタレで食う。


「うめ~~~」

「うまうま」

「パクチー。今度買ってくるか」

「良いやん」

「代金は折半で」

「ケチ」

「当然」


 ああ~~ビールが進む。








 三十分後。






 ランタンの明かりを消す。



 残るのは焚き火の明かりだけになった。



「この光景こそアウトドアの醍醐味よ」

「確かに」

「自宅に居ながらアウトドアが出来るなんて最高だな」

「そうやな」



 嫌な匂いがするが気にしないでおく。

 うん。




 爛々と星が輝いている。

 ここは山奥なので人口の光が少ない。

 完全に無いというわけでは無い。

 だけど星の輝きが麓と違う。

 これぞアウトドアの醍醐味。


「綺麗だな」

「贅沢な時間の使い方やん」

 

 



 焦げ臭い匂いと共に箸をアルミ製の机に置く。

 



「紅茶飲む?」

「そこは緑茶が定番では?」

「緑茶のティーパック無い」

「そこは普通に買っとくべきでは」

「緑茶は急須で飲むほうが美味いやん」

「それはそうだな」


 

 バーベキューコンロの炭を七輪に入れ御湯を沸かす。

 その御湯で紅茶を飲んだ。



「ああ~~美味い」

「外は寒いからな特に美味いやん」

「それな」


 まったりとした時間だ。

 そう思いながら紅茶を飲んだ。




 暫しこの時間を楽しむ。



「うん」


 勢いよく立ち上がる。

 

「ゴミを埋めるか」

「任せた」

「手伝え居候、家賃取るぞ?」

「何すれば良いやん?」


 変わり身早っ!


「掃除を手伝へ」

「了解」


 ランタンの明かりを点ける。

 焚き火で燃やしたゴミを入れる。

 用心の為だが水で消してある。


「これ何?」

「昨日出汁を取った骨」

「ラーメンの出汁?」

「そう」

「美味かったな~~」

「作るの大変だけど」

「灰汁取りキツかったやん」

「美味かったけどな」

「それな」


 骨を埋める。

 肉を食べた残りの骨だ。

 砕いて表面を焼きスープを取った残り。

 まあ~~別にバレんだろう。

 ゴミ箱に出したら溢れるレベルだし仕方ないよね。

 穴掘って捨てれば良いよね。


「肉の解体も一人でヨロ!」

「ふざけんな」

「分かったよ」


 この後バーベキューの後片付けをした。

 二人で。


「それはそうと火消し壺、何処かで売って無いかな~~」

「どうした突然?」

「炭が再利用出来ん」

「ああ~~」


 ふう~~とため息を付く。

 

「あっ……」

「あっ」


 ランタンが落ちる。

 ヤバい。


 パキンッ!



「ぎやああああああああああっ! ランタン割ったあああああっ!」

「あ~~あ……」

 

 二千円したのに……。

 シクシク。

 シクシク。


 家まで歩いて行く。

 家の明かりを付けた。


「新しいランタン買わないといけん」

「ご愁傷さま」


 泣きたい。




 










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