都市伝説<※※※※> 2
『やりすぎだ』
気がつくと僕は殺人鬼を撲殺していた。
いや。
嘘だけど。
あ~~疲れた。
僕は腕の釘を抜く。
そのまま傷口がシュウシュウと煙を出して治っていく。
この体便利だな~~。
殆ど痛みもなく、怪我は直ぐ治るし。
「あ~~痛い」
『全然痛そうにしてないが?』
「痛いよ」
嘘だけど。
『本当か?』
「本当だけど……相棒」
『何だ?』
「相棒が傷口を舐めてくれたら痛みなんて消し飛ぶんだけど?」
『おまあああああああっ!』
照れてる。
照れてる。
「ねえ~~相棒」
『どうした?』
恥ずかしさのあまり引いてる相棒に僕は話しかける。
というか何時まで引いてる?
「コイツ三回殺したら次は復活するまで数年掛かると言ってたよね」
『言ったな』
明後日の方を見る相棒。
「違うじゃん数ヶ月じゃん」
『そうだな』
更に目を逸らす相棒。
「目をそらすなや」
『……』
さて。
どうしたものか……。
僕はプラプラと歩きながら空を見上げる。
黒い。
黒い空。
昼間なのに。
暗雲というわけではない。
相棒が張った結界の所為だ。
人よけの結界。
忌避感を強くし本能的に人間が近づきたくない様にする結界。
まあ~~一般人が見たら仰天するしね。
僕はため息を付いた。
コンクリートの壁。
赤くぶち撒けられた液体で染められた壁。
あ~~。
「どんすんだよ。これ……」
『何がだ?』
「ビルの汚れ」
『誰かが後で掃除するだろう』
「誰がだよ」
『警察関係だろうな』
「だよね~~」
お疲れさんと言おう。
ここに来るであろう警察官を今から労う。
多分吐くだろうな。
この現場を見たら。
赤い液体。
というか血だけど。
血塗れ
贓物塗れ。
というか散乱してるし。
骨の破片が彼方此方に飛び散ってるし。
原形を留めているのは頭部のみ。
それだけで奇跡だ。
被害者は二人。
年齢的に言えば親子だろうね。
『おい。現場を荒らすな』
「良いだろう。これぐらい」
『まぁ、少し位なら良いか』
僕は足元から今回の被害者の一部を拾う。
被害者の頭を。
切断された頭を。
「将来は相棒に似て美人になりそうにだったのに……」
『なあ~~それ褒められてる?』
うん。
ごめん。
「はあ~~」
『どうした?』
「いくら何でも被害が多すぎる」
『<夕暮れの殺人鬼>のか?』
「そう」
『まあ~~確かに』
「最初は数年で復活するって相棒は言ってたのにな」
『原因は分からないが、何故か最近復活する迄の間隔が短くなりつつある』
「ねえ?」
『何だ?』
「普通の都市伝説や妖怪も数年単位で復活するの?」
『まさか。コイツが特別だ』
まじかよ。
「他はどれぐらいの期間で復活するの?」
『弱い魑魅魍魎などでは200年位』
「長い」
雑魚でそれぐらいかよ。
『ソコソコの妖怪で……600年から1000年位と聞いたな』
「更に長いわ……誰に聞いた?」
普通に人間は出会う確率低いは。
『家打川の河童から』
「……ここは河童も居るんかい……」
『人魚は佐賀に居るが?』
居るんかい。
いや。
良いんだけど。
良いんだけど。
『因みに人魚は猿顔だが……』
まじかよ。
「そこは西洋風の人魚で居てほしかった」
美人な人魚が良かった。
夢も希望も無い。
『そんな幻想を私に言われても』
「幻想なんかいっ!」
『違うが』
「……」
仕返しか?
仕返しなのか?
そんな時だった。
異変が起きたのは。




