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火車(妖怪)6

 













 ゴロゴロ。





 暗雲が立ち込めてきた。

 先程まで快晴だったのに。

 これは一雨来そうだな。

 

 うん?

 何だアレ?


 

























 ソレは飢えていた。




 酷く飢え苛まれていた。


 昔は大きな桶に入れられたソレを奪うのは簡単だった。


 だから昔は食うに困らなかった。




 だが今はどうだ。


 どこもかしこも直ぐに焼いてしまう。


 もし奪うにしても大勢の前でやらなければならない。



 そうなると善良なふりをした同族を敵に回すことに成る。



 面倒な事だ。




 もっとも厄介な祓い屋。


 若しくは陰陽師などは昔ほど居ないのが救いだが。




 だが食い物が奪いにくくなったのは辛い。



 昔は今ほど医学が発展してなかった。


 だから簡単に人は死ぬから食うに困らなかったのに……。



 飢えと共に年々減少し続ける妖力。

 それは心身共に弱体化を進めていた。

 このままでは、体を維持できなくなるほど妖力が弱まる。



 もう三日も食べて無い。




 何処かに食い物が落ちてないだろうか?



 食い物……。





 人の死体が。

 




 ああ~~。

 腹が減った。

 



 何処かに落ちてないだろうか?

 食い物が。



 ああ~~。


 食いたい。



 ああ~~。


 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。

 食いたい。



 ああ。




 もう同胞の事など、どうでもいい。



 食い物があればどうでもいい。





 誰を敵に回そうがどうでもいい。






 そう思っていたらあった。





 食い物が。


 道路の上に。


 山の様に。





 嘘みたいな光景だ。



 だが現実だ。

 妖怪に神がいるとすれば感謝するだろう。


 この幸運に。




 









 この時火車は死体の傍に居る同胞たちの存在を気にも止めなかった。 

  

 空腹のあまりに。



 それがこの火車の運命を決めた。































 暗雲の中に何か居た気がするけど……。

 気のせいか?



 というか何だこの感覚は?

 




 肌がサワサワする。





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