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火車(妖怪)5

 


 そんな時だった。



 相棒が喋ったのは。


『火車だな』

「「火車?」」




 相棒の言葉に僕と翁は首を傾げる。



『二又の尾を持つ巨大猫だ』




 


 火車/化車かしゃ






 悪行を積み重ねた末に死んだ者の亡骸を奪う。

 等とされる日本の妖怪らしい。


 葬式や墓場から死体を奪う妖怪。

 伝承地は特定されていないらしく全国に事例がある。


 正体は猫の妖怪とされることが多いらしい。

 年老いた猫がこの妖怪に変化するとも言われている。



 また猫又が正体だともいわれてる。



『……と言うことだ』

「成る程ね」



 それは確かに猫に似た化け物だ。

 というか外見が猫又。

 それは似てると言われるわ。



『……だが外見は猫又だが起源が違う』

「というと?」


 起源が違う?

 僕は眉を潜める。


『猫又は猫が変化した物だこれは分かるな?』

「まあ~~今聞いたし」

『火車は悪事を成した人間の行き着く先だ』

「行き着く先?」

「そうならない様に其れを戒める為の概念が顕現した存在だ』



 ゴメン。

 意味わからないです。



『まあ~~わかりやすく言おう』

「お願い」


 最初からそうしてほしい。


『悪いことをしたら化け物に食われるという妄想話が妖怪化したと言うことだ』

「身もふたもないことで」



 分かりやすいけど。



 相棒?


 その駄目な子を見る目で言うのは止めて。


 心につき刺さるから。


「その火車は強いの?」

『かなり昔から存在する妖怪だからな恐らくな』




 相棒が言うなら相当かな?

 知らんが。

 都市伝説に成ったばかりの自分では判断が付きません。

 ええ。


「翁達と戦ったら何方が勝つの?」

『元は猫の翁達では……』




 言葉を濁す相棒。



 うん。


 分かった。


「ねえ相棒翁達の話ではその火車は罪人でも無い死体を奪ってるけど何で?」

『恐らく火葬の所為だ』


 はて?


「火葬?」

『今は火葬が主流で腹が膨れるほど食えなくなったんだろう』

「ああ~~成る程」


 灰になれば食えんだろう普通。



 という事はだ。

 火車が化け物の正体と考えて良いだろう。



 問題はだ。


 今の火車は空腹だということ。

 だから罪人では無い死体も食っているということか。



 そうなると……。


 僕は眼前のクラスメイトの死体を見る。


『ああ火車の獲物(ごはん)だな』

「……」















 ミイ。



 何故か猫又の一匹が僕の足に擦り寄る。

 何故か分からない。


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― 新着の感想 ―
[一言] 火車 まぁ、この章のタイトルですから最初から隠す気はサラサラないなと思っておりました(笑)
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