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303/314

 303『元婚約者との再会』

 騎士団が剣や槍でもって盗賊をなぎ倒していた時、ジェラルディンたち貴族は魔法で戦っていた。

 オリヴェルは風と水、リカルドは風だ。彼は攻撃魔法としては弱いが土魔法が使えるので防御のための堀と土壁を築いていた。

 そしてジェラルディンは影の棘で盗賊たちの足を止めていく。

 だがアルバートの鼓舞のせいか盗賊団も押し返してきていた。


「面倒ね」


 ジェラルディンは騎士たちを避けて異空間収納でさらに盗賊たちを減らす事にする。


 突入して一刻ほど、すでに盗賊団はその人数を30人ほどまでに減らし、最後の抵抗を始めていた。

 ここで初めて、ジェラルディンはアルバートと対峙する事になる。



「やはり其方が率いていたのか」


「訂正していただきましょう。

 騎士団を率いているのは本来の主人オリヴェル殿とこの領地を治める子爵家のリカルド殿よ」


「それは失礼した。

 だがこの場は私が勝つ!

 なのでどうでも良いと思うが?」


「相変わらず、その根拠のない自信はどこからくるのかしら?

 まったく……軽いおつむよね」


 鼻白むジェラルディンに代わりアルバートは瞬時に表情を変えた。


「ジェラルディン、俺と再び縁を結んではくれまいか?

 其方が口添えしてくれれば父上も考えを改めて下さるだろう」


 剣を鞘におさめたアルバートがゆっくりと近づいてきてジェラルディンの足元に跪いた。


「ジェラルディン。

 あの時はアデレイドに唆されてどうかしていたのだ。

 俺も事情を知っていたら、あのような下賤なものを相手にしなかった。

 あの時はどうかしていたのだ……

 申し訳ない、本当に悪かった。

 心から反省しているので、どうか」


 ジェラルディンのローブを掴まんばかりの距離で縋っている。

 そんなアルバートを見て吐き気すらもよおしてくる、そんなジェラルディンは徐に腰を落とした。

 アルバートはさらに頭を下げ、まるで土下座しているように身を伏せた。


「ジェラルディン、ジェラルディン。

 俺を見捨てないでくれ。

 其方の言うことはちゃんと聞く。

 勉学も公務も、もう二度とさぼったりしないから、どうかジェラルディン!」


 何と情けない事だろう。

 部下である盗賊たちの目を気にする事なく、哀れな声で懇願するアルバートが彼らの目にはどう映っているのか。


「アルバート様」


 ジェラルディンの手がアルバートの髪に触れる。


「私たちの縁はもう切れてしまったのですよ、アルバート様」


 ふたりの視線が絡み合い、無言で見つめ合った。


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― 新着の感想 ―
[一言] いつも通り串刺しかさくっと収納してしまえ
[一言] やっと題名の土下座に・・・
[気になる点] 王様から言質もらってるし、何より盗賊してるんだから わざわざ身内の恥を公開するよりいつも通りサクっと片付けて 事後処理のときに軽く説明するかしないかだけでいいと思うのだが
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