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161/314

161『70階層へ』

 30階層の転移魔法陣から50階層に飛び、そのままの勢いで50階層から51階層に向かった。

 ここからは未知の領域だが、ジェラルディンがびっくりしたのはその広さだ。


「これは……ラドヤードの脚力でも1日では踏破できないかもしれないわ」


 今、目の前に広がるのは見渡す限り……地平線まで広がる草原だ。

 小高い丘から見下ろす状況で、決して小さくない川も流れている。

 遠くに薄っすらと見える木立は森なのか?

 鹿系魔獣を肉食系魔獣が、集団で狩りをしているさまが見える。


「まるで箱庭のようですね。

 しかし広大な階層ですね。

 主人様、下に降りる階段の方向はわかりますか?」


 ジェラルディンは探査の目を広げていく。

 その過程でこの階層の、今までと違う異常性を感じとった。


「この階層だけですべてが完結している……ここでは生き物の営みが発生しているの。

 どうやらいくつかの集団があるようだわ」


 おそらく、ある程度の知能がある魔獣が村などを作って生活しているようだ。

 その場所によっては数百の群れになっている。


「元々階段の位置が提示されるわけではないので……困ったわ」


「ではしらみ潰しといきましょうか」



 ダンジョンの51階層で日が暮れていく。

 ラドヤードが丸一日駆けても階段は見つからず、2人は森のほとりで野営する事になった。

 先日と同じように強化した結界石をゲルの外側と内側に設置して万全の防御を整えると共に警戒を怠らず、夜を迎えた。


 翌日、驚愕の事実が判明した。

 今までのダンジョン……これはクメルカナイだけでなく、今知られているすべてのダンジョンに言えた事なのだが、階層をつなぐ階段はその階層の “ 端 ”にあった。ほとんどは決まった通路を進んでいくと最後に階段が現れ、その前には広場があると言う形態をとっているのだが、この51階層ではなんとオークの村の真ん中に階段があったのだ。


「こんなのは初めて見ました。

 今まで聞いたこともないです」


 村、いや階段を望む藪のなかで、ジェラルディンたちはヒソヒソと話し合っている。


「200くらい居るかしら……

 この程度なら一気に収納できると思うけど」


 気がかりなのはさほど離れていないところにある、もうひとつの村だ。

 ジェラルディンたちは問題ないが、これが通常の冒険者たちだとすると違ってくる。


「この村の殲滅をしている間にあちらの村が合流する事になれば、厄介どころで済まなくなるわね」


 どうやらここからは広範囲殲滅魔法の数打ちが必要なようだ。

 とても通常の冒険者パーティーに出来ることではない。


「でもこれでもしかしたら指針が見えたかもしれないわ」





 この日からおよそ1ヶ月と少し。

 地上ではそろそろ花も咲き始めようという頃、70階層の転移魔法陣を前にして感慨深げなジェラルディンとラドヤードの姿があった。

 結果的には、やはり51階層からは階層階段の出現場所はランダムで、ただすべてが周りに魔獣の村があることからそれを目指す事によって階段に至ることができた。

 ただあまりにも広大な階層なので70階層に至るまで40日近くかかってしまったのだ。

 ちなみに60階層のボス戦は80mもある土竜(ワーム)だった。

 今それは無傷のまま、ジェラルディンの異空間収納に収められている。


「では1階層に戻りましょうか」


 この先に進むかどうか、とりあえず一度落ち着いてから考えればよい。

 そう思って魔法陣に足を踏み入れ、一瞬……目の前の光景に頭がついていかない。


「ど、どうしたの……これ」


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