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130/314

130『カレー見参』

野菜の甘みとスパイスの香り、そして一刻置いて辛さがやってくる。


「初めて食する味だわ。でも凄く美味しい!」


「美味いです!」


食欲をそそる、スパイスのピリッとした辛さと香り。

あっという間に、掻き込むように食べてしまったラドヤードは少し物足りなそうだ。


「うふふ、ちゃんとサラダやメインのお肉を平らげてくれたら……もう一度もらってきてあげるわ」


それを聞いたラドヤードの目の色が変わった。

今まで見たことのない速さでサラダを食べ、分厚いステーキに齧り付く。

そしてすべてが腹の中に収まって、ラドヤードはとても良い笑みを浮かべた。


「はいはい、約束どおり行ってきます」


そして戻ってきたジェラルディンが鍋ごと持っているのを見て、ラドヤードは狂喜した。

早速皿に白飯をよそってカレーをかけて食べ始める。


「ええ、もう何を言っても聞こえてないようね。

私はもう休ませてもらうわね。

後片付けだけ、よろしく」


ちなみに、翌朝聞いてみたところ白飯はすでに無く、残ったカレーは大事に仕舞われていた。




順調に再開したダンジョン攻略はサクサクと進み、小腹がすいてくる頃には12階層に到達していた。

そしてそこの下に向かう階段の手前で、思いもかけない再会を果たすことになる。



「やあ、ルディンじゃないか」


A級パーティー【死の舞踏】のリーダー、イレミアスが軽く手を上げて話しかけてきた。


「まあ、イレミアスさん、ごきげんよう」


何ともダンジョン内らしくない挨拶に、イレミアス以外のパーティーメンバーが苦笑している。


「俺たちは昼休憩をしているところだ。

ルディンも一緒にどうだ?」


昼食を共にどうだ?と誘って来たが、ジェラルディンは彼らにあまり詮索されたくなかったため、差し障りないように断った。

そして先に向かう。


「では、お先に失礼します」



階段を降りたジェラルディンは真剣な顔でラドヤードに話しかけた。


「ラド、悪いけど出来るだけあの人たちとの距離を取りたいの」


ラドヤードは主人にそれ以上言わせなかった。

水筒の水をあおるように飲み、ジェラルディンを抱える。

そして剣を手にすると走り出した。


「ごめんなさいね。

私、どうしてもあの人たちを好きになれないの。

出来るだけ接触したくないのよ」


「大丈夫です。

次の階段で少し休憩して昼食を摂り、それから全速力で駆けましょう。

それと、なるべく魔獣は狩らないようにして、あいつらに残しておいてやりましょう」


嫌がらせ兼足留めにするため、なるべく魔獣は避けて通り【死の舞踏】の連中との間を空ける。

そしてなるべく早く20階層を突破し、まずは第一の目的である30階層に到達したいと思っていた。



階段を降り立ち、18階層に到達したジェラルディンたちはルートから少し外れたところにゲルを出した。


「結構進んできたと思うけど、あの人たちとはどのくらい離れたかしら」


「主人様、心配なさらなくても大丈夫です。

自惚れるわけではないですが、主人様と俺ほどの速度でダンジョン行を出来るものはいません。

それに連中には魔獣も置いてきましたから、間違っても追いつかれることはありません」


ラドヤードの言葉に安心したジェラルディンは夕食を済ませ、影空間の隠れ家に向かった。




その頃【死の舞踏】の面々は16階層の階段の降り場で荒い息を整えていた。

彼らとしても破格のスピードで進んできた。群がる魔獣を狩りながら、それを回収してようやくここまでたどり着いた。


「畜生!

あいつらどんだけ早いんだよ!!」


イレミアスは背負っていた荷物を地面に叩きつけた。


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