表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

115/314

115『冒険者ギルドの男たち』

「【銀狼の咆哮】に対して捕縛または討伐依頼ですか?」


 ここはクメルカナイ第一層の冒険者ギルド。

 ダンジョン内でリリが襲われた、少し後になる。


「昨夜の騒動は【英雄の帰還】から厳重な抗議が寄せられています。

 我々も朝から連中の居所を探していましたが……そうですか。

 そんな依頼が」


「これは某国の王宮からの依頼だそうだ。

 奴が絡んだ客はその国の侯爵令嬢らしい」


 その令嬢は王室に連なるものだと一瞬で理解したギルドのNo.2である金庫番のハリソンは渋い表情を浮かべた。


「バルバルの奴は何でそんな貴族に絡んだんでしょう?

 そもそもあそこのレストランには、一般客は立ち入り禁止でしょうに」


「ある商会の会頭がその場に居合わせていて、そっちの方から回ってきた話なんだが……その令嬢が、かなり若かったそうだ。

 それから護衛に奴隷を連れていたらしい」


「それですね」


 バルバルは奴隷に対して過度な差別感……むしろ憎悪と言ってよいものを持っていた。


「貴族が奴隷を護衛にして連れてるなんてよくある事です。

 その護衛、どんな奴だったのでしょう」


「俺はちらりと見たことがある。

 身長は軽く2m越え、おそらく2.3mくらいはあるだろう。

 オーガと見間違うような筋骨隆々で、身長ほどもあるバスターソードを持っていた。

 あいつはおそらく、どこかの国で上級冒険者だった奴だ」


「それほどの使い手が奴隷に?」


「まあ、色々あるって事だろう。

 そして護衛対象のお嬢様は見た目はかなり若い。

 ひょっとすると成人していないかもしれない」


「たしかに……

 それは目を惹くふたり連れですね」


 ハリソンは暫し考え込んだ。


「それから、おそらくこの後落ち着いたら、素材をそれなりに卸してもらえるだろうから、そっちの方は頼むわな」


 ハリソンも近隣諸国のギルド会議で、噂になっている2人組のことは聞き及んでいた。


「それは……おそらくバルタンが担当した少女ではないかと」


 それなりの数の魔獣の骸を置いていったが、どうやって倒したかわからないほどきれいな状態だったという。

 だがハリソンはそれよりも気になることがあった。


「その令嬢が話に聞く【奇蹟を起こす天使】でしょうかね」


「なんだよ、そのこっぱずかしい渾名は?」


 基本、クメルカナイから出ないギルドマスターは初めて聞く名に口許を緩めている。


「その名の通りですよ。

 あちらこちらのギルドに気分次第でポーションを、それもかなり上質なポーションを卸す薬師です。

 聞いたところでは欠損を再生するポーションが一本金貨1000枚の値がついたそうですよ」


「それは……凄いな」


 効果の高いポーションは、このダンジョン都市では引く手数多だ。

 おそらくこの冬の間滞在するだろう彼女らと、よい関係を築けたらと思う。


「まずは【銀狼の咆哮】だな。

 とっとと捕まえて処罰を与えんと、お貴族様は気が短いから」


 そんな今、依頼を聞いたそこそこのレベルの冒険者が、ダンジョンに駆けつけていた。


 時系列的にはリリを殺したのは、依頼を知った冒険者ではなさそうだ。

 では一体何者が?

 ダンジョンの中に渦巻く悪意は人知れず近づいてくる。


皆さまいつもありがとうございます。

最近ちょくちょく指摘されるのですが、本作の【恋愛タグ】について。

私自身、この作品に恋愛タグをつけた覚えがないのですが、ついてましたか?

そして消した覚えもないのです……

ハッ! ひょっとしてジェラルディン様からのメッセージでしょうか?!

で、恋愛にはならないと思いますがクリスティアンのライバル?登場します。

ジェラルディン相手ではラブリーになり得ませんが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ