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事の顛末

俺はあの後ルルグスにある実家まで連れ去られた。


数日は実家でゆっくりしていたが、流石に

ずっとここにいるわけには行かないので

父さんだけに伝えてこっそりと王都に

戻ることにした。


王都に戻って数日後に、お父さんから

所々血がついている手紙が送られてきたが、

まあ大丈夫だろうと判断した。


さて、アンティスブルグはどうなったかと

言うと、まあ当然地位は没落した。


それこそ国としての機能すら果たせないレベルに

まで落ちた。


他の国はもはやアンティスブルグに手を貸す

気が無く、このまま滅び行く運命かと

思ったが、意外なことに助け船を出したのは

ファルであった。


このことを許して、これからも

交流を続けると言ってのけたらしい。


一番の被害者がそういうのならと、

他の国も交流を続けることに決めたらしい。


あんな目にあっておきながらもよく

許せたものだ。


どうやらファルは自分の国の人だけではなく、

他の国の人にでも優しいようだ。


その対応によってこの国の評判が

上がったが、まさかこれが狙いだなんて

言わないよな...?



それと、王都についてだが、無事に

魔物の群れを退けることが出来たらしい。


その後、ヘレンさんは赤髪の騎士に、

お菓子を渡して終了、ルリは3秒で決闘に

勝利して終了。


どちらの男も散々の結果だったようだ。


でも、アデルが群れを呼んでないのに

どうやって群れを呼ぶことが出来たのかは

未だに不明であった。


その件についてネディルスに問い詰めたよう

だが、そのことについての記憶は根こそぎ

失っているらしく、情報は得られなかった。


さて、そしてファルは今どうしているかと

言うと――


「アル君ー! 遊びに来たよー!」


ドタドタと廊下をかけて居間に入って来たのは

ファルその人だった。


やりたいことをやれと言う俺の言葉に

感銘を受けたのか知らないが、前よりも

少し、いやかなりワガママになったらしい。


それでもまだ年頃の女の子の行動範疇に入るの

だから、前までの彼女がどれだけ自分を

押さえていたのかがよくわかる。


「お前...また来たのか?」


その質問に、ファルは当たり前でしょ?

というような表情をして


「だってアル君は私から行かないと

あってくれないでしょ? なら私が

会いに来るしかないってこと!」


「そうですか...、ってか、そんなに頻繁に

来られたら俺の正体バレないか心配なんだけど...。

ほら、護衛さんとかが王様に言ったら――」


「大丈夫、護衛はいつも前と同じ人に

任せてるから! それにもしお父さんに言ったら

大変な事になるよーって脅は...忠告してあるから!」


駄目だコイツ護衛さんが不憫すぎることに

気がついてない。


俺が玄関の方向に哀れみの視線を向けて

いると、ファルが隣に座った。


「それで? 今日もまだ好きになって

くれないのかな?」


「...またそれか?」


「うん! だって私はアル君が大好きだもん!」


なんでこんなにドストレートに言うのだろうか。


「...そもそも何で俺なんだよ...?

俺のどこがいいんだ?」


照れ隠しをするようにそっぽを向きながら

ファルに問うと、ファルは上を向きながら

顎に人差し指を当てて考える素振りをして


「んー、まあ、確かにアル君は見た目がそんなに

格好いいわけじゃないよね」


「お、おう」


あれ?


「それに最初に会ったときは逃げられるし」


「うぐ...」


あの...


「それに他の女の子にも手を出すし――」


「それはねぇよ!?」


ってかさっきから悪い部分しか言ってないよね?

こいつ本当に俺のこと好きなのか?


「――でも」


「ん?」


ファルはこちらを向き俺の両頬に手を置くと、

そのままずいっと自分の顔を近づけて、

俺の目を見据えながら


「そんなところも、私が困ってるときに

助けに来てくれる君も――私は全部好き。

大好きなの。 私はアル君が――」


そう言ってさらに顔を近づけ――


「うおぉぉぉぉおぉぉい!?!!」


俺は咄嗟にファルの両肩を掴んで彼女を

引き剥がした。


「...ちっ...」


あの? 舌打ちが聞こえましたよ?


「もう少しでキス出来たと思ったのに...

どうしてそんなに難攻不落なの!?」


「知るか!!」


ファルがどんどん肉食系になってる気がするんだが...。


「でも、難攻不落でも関係ないよ」


ファルは立ち上がり


「今に見ててねアル君...」


俺を人差し指でビシッと指差すと


「絶対に手にいれてあげるから覚悟しててね!!

アル君!!」


そう宣言したのだった。

ファルの最後の台詞は作中のどこかで

一度同じことを言ってたのをそのまま

持ってきました。


そのときよりもさらに強調されているという意味を

含ませるために「!!」を付けました。



さて! これにてファル編終わり!


少しはヒロインとして舞台に上がれたかな?

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