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隣国・トルケッタ公国公都リノーヴ・11

また間が開きました……。


職場の上司が変わった事で挨拶やら引き継ぎやらでバタバタし。

コロナウィルスに関連して職場のこれからをアレコレと話し合いをし。

……コロナウィルス、早めの終息宣言が聞きたい。

「信用していいのか?」


お兄ちゃんが胡散臭そうに男ーークランを見る。ラティも目が怪しい、と語っていて面白い。


「とりあえず、今のところは私達が不利になるような事はしないだろうから、様子見でどうかな」


私の意見に、渋々ながらお兄ちゃんもラティも頷いた。まぁ実力は間違いないだろうし(今も佇まいは油断ならない)裏家業(暗殺業は裏家業だろう)に足を踏み入れているから、情報なども早そうだ。そんなわけで、今夜は4人が同じ部屋で休む事になった。……警戒心は解かないでいよう。


で。

結果から言えば、何にもないままきちんと朝を迎えられた。幸いだ。今日中にリノーヴに行く事を目標に、慌ただしく出立した。のんびり行きたい所だが、ラティとお兄ちゃんが、クランに対してピリピリしているから結果的に慌ただしくなった。


日が沈む前に、公都リノーヴに到着した。


トルケッタ公国の公都だけあって、もう日が沈む頃合いだと言うのに、活気が溢れている。人通りが途絶えていないのが、その証拠。バテスの町では、さすがに見られなかった活気。ラティとお兄ちゃんも物珍しそうにあちこちに視線を向けるが、私はラティのそんな可愛さを堪能しつつ、クランにコソッと囁いた。


「ライネルヴァ王国の情報が入って来る頃合いでしょう?」


「……よく分かりますね。さすが、他のお嬢様達とは違うお方だ」


「見えすいたお世辞は要らないから、私達があの国を出てから、その後の事を教えて欲しい」


「分かりました。聞いてきましょう。で、褒美は?」


「ふむ。夕食を奢る。では、ダメ?」


「……まぁいいでしょう」


「宿を確保しておく」


「探せ、と」


「窓側で帰って来るのを待ってるさ」


「お嬢様に待っていてもらう、というのは胸が弾みますね。分かりました。直ぐに行ってきます」


……私が待っている事で胸が弾むって、アホなんだろうか。まぁいいや。情報を持って来てくれれば、それで。さて、あの野盗のリーダーが言っていた灰色狼が描かれた宿は、スルーして。というか、そんな宿、どこにあるんだろう?


まぁいいや。

ええと。


「ここ、どう?」


お兄ちゃんとラティを見て、宿を示す。看板にはケーナの宿、と書かれている。その下には可愛いガーベラの花が描かれていた。2人とも、首を上下に動かしたので、ここにしよう。カウンターで店番をしているらしい、少女に声を掛ければ、少女は開いている部屋が2人部屋のみだ、と言った。


「2部屋ある?」


「それは大丈夫です」


「じゃあそれで」


手早く鍵と前払いを済ませて、お兄ちゃんとラティを呼ぶ。私とラティ。お兄ちゃんとクランで分かれる事にした。


「そういえば、そのクランは?」


居なくても全然問題ないけど。という表情でラティが尋ねて来た。


「情報収集に行ってもらってる。お兄ちゃんもラティも何も言わないけど、ライネルヴァの事、気になっているでしょう? 私も気になっているからね」


夕食を2人で取って来てもらい、私はクランを待つ事にした。多分、私の予想では、然程時間がかからないと思うのだけど。

次話。なるべく早めの更新を心がけます。


エブリスタで別作品を執筆していますので、小説家になろうの更新が遅くなりがちですみません。

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