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婚約破棄に立ち会いました。

あー。やらかしたか。


これが私の率直な意見だった。とある世界の大陸には、有名な国がいくつかある。国境が広大と言うならば、帝国・オキュワ。彼の国は8代前の皇帝が最初で、元は小国の第5王子だったか。それが、まぁぶっちゃけて言えば王位継承争いで内乱が起こり、そこに付け込むように隣国が戦を仕掛けた。これは正直、国境を広げる……つまり国を大きくするのに、良いタイミングだと思う。普通ならば。


普通じゃ無かったのは、その王位継承争いに第5王子が決着をつけた事。血塗られた玉座(実の兄や弟をその手で殺めた、と言われている)についた直後、多分戦の天才だったのだろう。あっさりと隣国を返り討ちにした。そして領土を広げたのだが。それに味を占めたのか、別の理由か。そこから更に周囲の小国と戦をして、領土を広げる……または、これぞ政略結婚とでも言うように、王女達を人質のように妻にして、領土を広げた。

帝国はその前身である小国の頃から、一夫多妻制だったので、民の血を流すよりは利口なやり方だった。

そんなふうにして、領土を広げ、今のような巨大な国になったのは、今から5代前の皇帝の頃。そこから領土を拡大するのはやめて、内政に力を入れるようになった。同時に外交も開始した。そんな帝国でも、一目置く国が、大陸一と言われている歴史ある王国。


フレーティア王国。由緒正しきその王国は、それなりの広さを誇るが、帝国程ではない。しかし歴史は大陸一故に、オキュワからも一目置かれる国だ。魔法国家・ソルリアの次に魔術師が多い事でも有名な国は、のんびりとした温厚な気質は、国王にも領民にも現れている。と、耳にしている。

さて。この世界は、3つの大陸から成り立ち、帝国・オキュワ。フレーティア王国。魔法国家・ソルリアなど名だたる国家がある大陸が1番大きい。そして、ここ、ライネルヴァ王国を含むいくつかの国があるこの大陸がその次に大きいのだが。


「殿下。何故、このような場所でそのような醜態を皆様にお見せする必要がございますの? このような場所で宣言するのは、ご自分が浮気していました、と堂々と仰っているのと同じですのよ?」


おっと。この世界の話をして、意識を彼方に飛ばしている場合じゃなかったね。いや、本音は意識を彼方に飛ばしたままでいたかったんだけど。それはどうやら許してもらえないらしい。

私の従姉妹がチラリと視線を向けて来たから。視線の解釈としては、従姉妹の一大事に何を考えているのかなぁ? ってところか。


「フン。これだけの人の前なら、お前が俺をどれだけ好きだとしても、無様に情け縋ろうとも、婚約破棄に同意するだろうからな。そして俺の愛する女が新しい婚約者だ、と皆にも知らしめるためだ! だからもう一度言おう。ラティーナ・ガサルク公爵令嬢。この私、王太子ニルクの名の元に、お前との婚約を破棄する! お前がどれだけ俺を好きだとしても、これは決定事項だ! 何か申し開き有れば言ってみよ!」


……ああ。俺様って意外とバカなんだな。って事は理解したよ。浮気宣言したって部分を華麗にスルーしたし。周囲を見てごらん? 私の従姉妹が言った浮気宣言に、深く同意しているよ?


「申し開きなど……。有りませんし、承りました。と言いたいところですが、国王陛下が了承されてからで構いませんか?」


にっこり笑った従姉妹は、まさか国王陛下に許可も得ずに宣言していないよな? と目が語っていた。


……さて。時を少し遡ろうか。

一体、どういうことなのか、まぁなんとなく察しているだろうけれど、詳しく説明する必要があるだろうね? 話をしようか。

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