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転生吸血姫と元勇者、人類を蹂躙する  作者: 早海ヒロ
第五章 魔王誕生編
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【episodeZero】鉱山

二日ほど更新のお休み貰っててすみませんでした。

「ここか?」

「はい。ここが、レアメタル鉱山です」


 変態悪魔、ヴィネルの依頼を依頼を遂行するため、私たちはヴィネルの案内でここに来ていた。


 レアメタルは、有用にも関わらず取れる量が非常に少ない希少金属。

 だが魔界には、その希少金属が大量に取れる鉱山があり、それがここなのだと。


「それで、そろそろ教えてくれない?あんたが言う、問題ってなんなのさ?」

「まあ、よくある話なのですがね。この鉱山に、面倒な魔獣が住み着いていまして。それを何とか対処して欲しいのですよ」

「別によくある話では.......ああ、そういえば、魔界には魔獣が多いんでしたっけ」


 魔界は他の地域に比べて食料が豊富なため、魔獣が多い。

 中には、今の私たちすら対処出来ない、恐ろしく凶悪なものもいる。

 だが、ここにいる魔獣は、群れるが弱いタイプ。私たち三人なら、問題なく蹴散らせる。


「あ、鉱山にあまりダメージを与えないでください。レアメタルが取れなくなるので」

「レアメタルなんだから丈夫なんでしょ?少しくらいいいんじゃない?」

「お前、自分の魔法の威力考えろ。間違いなく世界トップクラスだぞ。何でも砕けるわ」

「照れるなあ」


 あまり褒めてはいない。


「んじゃまあ、あたしがやっちゃっていい?」

「どうぞ」

「破壊はするなよ」

「しないしない。こうすんの。《死の呼び風(コールデスウィンド)》」


 フランが魔法を唱えると、奇声を乗せた風が、鉱山に吹いた。

 直後、内部の生体反応が恐ろしい速度で減っていった。


「.......え?」

「ま、ざっとこんなもんよ」

「さすがと言っておく」

「相変わらず凄まじいですね、フランの魔法」

「いや、ちょっと待ってください。なんですか今のは、あんなのあり!?」


 《死の呼び風》は、フランが作り出した、元素魔法と精神魔法の複合魔法。

 自らの声を乗せた風を、指向性を持たせ、かつ広範囲に発生させる。

 そして、その声は『聞くと死ぬ』。

 抵抗(レジスト)出来ない者は等しく死に絶える、恐ろしい魔法だ。


「さて、もういいな。帰るぞ」

「あー、ちょっと待って。まだ終わってないんだよね」

「なんだと?どういう事だ」

「どうもさー、中にまだ人がいるみたいなんだよね。魔獣じゃなくて、人」


 人が中にいる?

 気配感知を働かせてみると、なるほど、確かに感じる。


「ちょっと前に気づいて、魔法の対象外にしたけど、なんでこんなところにいんの?危うく殺人犯になるところだったよ」

「鉱山での労働者か.......?いずれにしろ、行ってみる必要があるな」



 ※※※



 中に入ると、あちこちに道具が散乱していて、お世辞にも綺麗とは言えなかった。

 まあ、鉱山などこんなものだろう。


「さて、どっちだ」

「反応はあっちからだね。あそこの坂から行けそう」

「では行きましょう.......ヴィネルさん、暗闇に紛れておしり触らないで!」

「えーー」


 生体反応に向かって歩みを進めると、そこには.......


「お、女の子?」


 小さな少女がいた。


「ひっぐ.......うう.......お母さん、どこぉ.......」

「迷子?こんなところで?」

「.......おい、大丈夫か?名前とか言えるか?」

「うええん.......お母さん.......」


 答えないか。

 さて、どうしたものかな、これは。


「取り敢えず、外に連れてく?」

「そうだな。放っておくわけにもいかないだろう」

「そうですね、後でお母さんを探して―――ッ!?」


 話していると、天井からガララッという音が聞こえてきた。

 何かが崩れたような音だ。

 そして、子供のちょうど真上に、示し合わせたかのように瓦礫が降ってきた。


「あ、危な.......」

「《保護結界(プロテクション)》」

「《灼熱光線(クリムゾンレーザー)》」

「《転移(テレポーテーション)》」


 フルーレティアが結界を展開して全員を守り、私が念の為に瓦礫を破壊し、最後にフランが余裕を持って転移魔法で外に逃げる。なかなかのチームワークと言えるな。


「あっぶなー!」

「もう少しで、この子に瓦礫が当たっちゃうところでしたね」

「まったく.......あなた、なぜこんな所にいるんですかねぇ?」

「.............うう」


 さて、ではそろそろ、疑問を聞いておかないとな。


「おい、変態悪魔」

「出来れば名前で呼んで欲しいんですがねぇ」

「じゃあヴィネル。お前、なんの為にこんなことしたんだ」

「.......なんの為とは?」

「とぼけるな。ここ、()()()()()()()()()()()()()


 そう。

 私は確信する。ここは断じて、レアメタルが取れる鉱山などではない。


「え?どゆこと?」

「考えてもみろ。レアメタルがどれだけ有用なものだと思っている。貴重な資源を魔獣に奪われて、それを客人である私たちに対処させるだと?どう考えたって不自然だろ。私たちが野蛮な存在で、鉱山が崩壊でもしたらどうするつもりだ。普通は街の精鋭を集めてぶつけるはずだ」

「.......たしかに妙ですね?」

「それに、散乱していた道具が古すぎた。ずっと使われていないようだったぞ。.......正直に言え、ここは廃鉱山だな?」

「.............」

「それに、その子供だ。廃鉱山なんて危険な場所、普通は封鎖している。子供が入れるはずがない。......何が狙いだ」

「ふふふ.......戦闘力、観察力、推理力、その他.......基準値クリアですねぇ。さすがはイスズ様の眷属と、その仲間のお二人」


 ヴィネルは不気味な笑みを浮かべると、子供から目を離し、私たちに向き直った。


「あなたのおっしゃる通り。ここは十年も前に廃棄された廃鉱山です。レアメタルなんて取れません。魔獣の住処になっていたのは本当ですが、別に大したことでもありませんでした」

「それで.......その大したことをあたしたちにさせたのはどーゆーわけ?」

「テストですよ」


 テストだと?


「あなた方が、私たち悪魔族と魔人族を従えるに相応しい方々かどうか、見極めたかったのですよ。で、悪魔王様や魔人族長さんと相談した結果、このようなテストを設ける形になったのです」

「なるほどな。それで、合格なのか?」

「それはおいおい」

「そうか。.......で、最後の疑問なんだが。その子供は誰だ。ただの子供じゃないだろ」

「お察しの通りよ」


 第三者の声にギョッとして振り向くと、そこには子供の姿は無く、代わりに、


「こんにちは。試すような真似してごめんなさい」


 悪魔王アネットがいた。

 なるほど、こいつが変身魔法で化けていたのか。


 これでスッキリした。



 ※※※



 翌日、私たちの部屋へ悪魔王と魔人族長がやってきた。


「昨日のテストの結果か?」

「ええ、そうです。僕たちとヴィネルで話し合って、メリット・デメリットなどを考慮し、決めました」

「そうか。では、答えを聞かせてもらいたい」


「はい。我々は.......」

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