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第088話 「大丈夫なのにな」

どうも~月影ミケ乱デス!


まだ、入り口ってどうなんだろうw


では、続きをどうぞ~

「グレートバリー」の入り口。

海に面した絶壁が裂けた場所だから、陸から谷へ行くことすらできない。

岩礁地帯だから大きい船は入れない上に、大小複数の渦巻きまで発生している。

裂け目は広いが、中から薄い霧が漏れでて来ている。


「現実で見ると迫力あるな」


「そうですね、ここまで迫力あるのはあまり知りません」


「私もこの迫力は初めてです」


「マスター、準備出来ました」


「了解、それじゃ~始めるか」


迫力に圧倒されていた俺らに、ルンは普通に準備を終えていた。

今は帆を畳んで、マストをを下ろしている。

舵の中央にあるパネルを開いて、キーを何個か打ち込む。

外装の一部が下にズレて、飛行翼がせり出して広がっている。

舵を動かす操船場も、俺が立ってる横から箱が2つせり上がる。

一つは速度操作レバーと、もう一つは火器管制が現れる。

後は、半透明な空中電子モニターが浮かび上がった。


「フライトモードにチェンジ完了。重力制御始動!飛行翼に魔力を流して」


「了解です」


「何が起きるんです?」


「翼が出てますね」


さすがに、飛空船とは分からなかったのだろう。皆は、変形して翼を出すのを見ていた。

そして、船体がゆっくりと浮かび上がって行く。

ある程度上昇すると、船は動きを止め空に浮かんでいる。

風はあるが、船体は揺れる事なくその場にとどまっている。


「浮いてる!?」


「飛空船だったの!?」


「そうだよ。微速前進」


レバーを押すとゆっくりと船が動き出す。速度は遅いけど、岩礁と渦巻きを超えて行く。

揺れもなく進んでいくと、谷から竜が飛んでくるのが見えた。

いきなり遭遇戦かと思ったが、モニターを見て思い出した事があった。


「セフィー様!?竜がこっちに来ます!」


「なっ!迎撃をしないといけません」


「落ち着け皆」


「落ち着けませんよ!?竜ですよ!?ワイバーンみたいな亜種じゃない本物の竜ですよ!」


「そうです、何か対竜武器ありませんか!?」


「あの~二人とも落ち着いてください」


「大丈夫なのにな」


俺とルンが妙に落ち着いていた。竜はグングンと近づいてくる。

その形状は燃えるような赤い鱗を持ち、人に恐怖を与えるほど凶悪な顔しながら向かってくる。

白竜は初めての竜を見て少し興奮ぎみだ。でも、すぐに俺が落ち着いているのを気づいてじっくりと竜を見ている。

アーネスッテやシーリアンは慌てながら武器の用意をする。そう言う所は実戦を経験した者の動きだ。


「ぶっぶつかる!?」


「何かに掴まれ!!」


竜が船体にぶつかり、衝撃が来ると思ったらしく二人は目をつぶっている。

しかし、その衝撃はいつまでたっても来ないので二人は目を開けてみると竜が居なくなっていた。


「大丈夫だよ。幻影の竜だから」


「げっ・・・幻影?」


「そうだよ、二人とも下を見てご覧?」


「えっ?」


二人は恐る恐る船体から下を覗く。そして二人があるものに気がついた。

崖の近くにチカチカと光る物体を見つけたからだ。


「「イルージョンタートル」って言う魔物だ。主に岩礁や海、稀に川近くで見られる希少な魔物だ」


「イルージョンタートル?」


「そうだよ、クリスタルみたいな甲羅から幻影を出して敵を遠ざける。魔物にしては珍しい逃げる魔物だよ」


「もしかしてあの竜も?」


「あいつらが創りだした幻影だよ」


「それを知っていたのですか!?」


「いや、敵の位置が竜からじゃなく海からだったから」


「そうですか。それにしてもなんでこんな場所に?」


「知られてないけど、この場所に産卵のために来るんだよ」


「でも、ここにたどり着くのは難しいのでは?」


「あの渦潮の下に洞窟があって、あの場所と繋がってるらしいんだ」


「では、そこを通れば人も行けるのでは?」


「無理だね。深海まで潜ったあと数時間も息を止められるなら別だけど」


その洞窟も成人男性が一人だけ入れる大きさしかなく、途中は複雑に入り組んでいるから踏破されない。

海でも「イルージョンタートル」を見つける事が難しく、産卵のこの時期以外見つけるのは困難だったりする。

その希少さ故に狙う者も後を立たない。貴族でも白銀貨20枚払ってもいいと言われる程だ。


「兎に角、目的は違うから気にしなければいいよ」


「わかりました」


「それにしてもあの光って綺麗ですね」


「下手すると拳大の大きさだけでも白銀貨20枚だからな」


「しっ白銀貨20枚ですか!!?」


「今から行く場所には、それに同じくらいの魔物が多い場所でもあるけどね」


絶句している二人を見ながら、苦笑して見守っている。

そして谷に入るまで、ルン以外のメンバーが幻影で驚きの声を上げていた。



つづく

SSO劇場「ルンと白竜物語」

(ルンは興奮ぎみの白竜と一緒に幻影竜を見ていた。時折、悲鳴に近い声を聞きながら)

白「ミャ~~~ン!」

ル「すごい立体映像ですね。もしかすると、あの霧がそう見せているのでは?」

白「ミャ~ン!」

ル「白ちゃんはすごく楽しそうですね」

白「ミャミャ!」

(空中に浮かんで、幻影竜の真似をした動きをする)

ル「竜がいっぱいですか。でも、あの竜は見せかけですからね」

白「ミャ?」

ル「ホームに行けば、本物の竜に出会いますよ」

白「ミャ~ン」

ル「アレより迫力はあるわよ。特に私が任せた竜長とかは」

白「ミャ~」

(その後、メンバーと一緒に幻影の竜やグリフォンとかを見て楽しんだ。チャンチャン)

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