第087話 「ちょっと違う道だけどな」
どうも~月影ミケ乱デス!
暑さと微妙な寒さで、風邪をひきそうになりそうです。
皆さんも、体調管理はちゃんとしましょうね。
では、つづきをどうぞ
試練の山「セリアスマウンテン」。
その名の通りに、登れば登るほどに魔物のレベルが上がっていく。
王国と帝国の最西端にある山で、殆ど放置する程の無戦闘地域だ。
登る道は複雑なのと一本道があるが、それぞれ難易度が違うのも特徴だ。
複雑な道は頂上まで何十年もかかるが、一本道だと障害がなければ一ヶ月で登りきれる。
だが、一本道はその分出てくる魔物のレベルは半端ない。
登った瞬間からボス戦をする勢いだ。殆どが上位級かエレメント級の魔物ばかりだ。
頂上にはレジェンド級が居ると、誰もが思うほど厳しい山なのだ。
帝国もこの山だけは攻略出来ない。不思議と王国もこの山を領地化出来ないでいる。
過去に領地化しようと計画があったが、ある一定の距離以上入ると魔物が増えて潰されていた。
両国もその距離より少し離れた場所に、村を作るだけしかできないでいる。
「セフィー様はセリアスマウンテンに行くのではないのですか?」
「いくよ。ちょっと違う道だけどな」
「違う道?」
「あの山って海からみると深く広い谷があるんだよ」
「あ~あの「グレートバレー」ですか?」
「グレートバレー」は「セリアスマウンテン」の裏にある谷。
その広さと深さが有名な場所。別名で「竜の谷」とも呼ばれている。
その原因は谷の奥には竜が居ると言われていて、時折竜種が谷から出てくる事もあるとか。
海まで続いてるなら入れるのではと思うが、海の方から入るには岩礁が多く海流も複雑で入れない。
唯一入れるのは飛空船のみ。だが、王家も帝国も複数の竜種を倒すだけの戦力となると難しい。
ましてや、飛空船がない冒険者も挑むことすら出来ない。
「ですが、あの場所は危険が多いのでは?」
「大丈夫。俺が作った船で行くから」
俺達は空いた大きい桟橋に居る。他の場所では忙しく荷物の出し入れされている。
そんなの気にしないで、俺はバッグからある丸い物を取り出す。
「それはなにですか?」
「大きい物を入れるやつだよ」
丸い物に窪みがあって、そこに指を押し付ける。
魔力を流してから、そのまま桟橋から海へと投げる。
すると、着水すると同時に突然ゆるい音を立てて破裂した。
水面から大体30メートルくらいに煙が広がり、すぐに煙は晴れていく。
そこには新品の20m級帆船が出現した。その場の近くにいた皆が驚いて作業が止まるほどだ。
「せっセフィー様、こっこれは?」
「魔導船だよ、遺跡で手に入れたから修理したんだ」
「魔導船ですか?私は初めて見ました」
今はシーリアンとダークエルフの二人、アーネスッテ、後はカラさんとコロンさんを連れてきている。
ルンと白竜は馬車の中で待機してもらってる。面倒が増えそうだが、今更って気もしてくるが。
船へと近づくと船体に触れて魔力を流す。船体から搬入口が開き桟橋へと降りる。
先に皆を乗せてから、俺も乗り込もうとしたら陸の方から走って来た人がいる。
見覚えのある顔、たしかこの船着場の責任者だったか?
「そんなに慌ててどうした?」
「フォーレスト様!さっき煙が出ていたので何かトラブルとか思いまして!?」
「いや、トラブルはないぞ。魔導具発動だからああなるだけだ」
「そうでしたか。それにしても、立派な船ですね?」
「魔導船だからな。それじゃ~俺は出港するぞ」
「はい、海の女神の加護がありますように」
「ああ、女神の加護を」
俺が船に乗ると外装が元に戻る。すると錨が上がり、帆が自動で開く。
汽笛代わりの鐘の音がなり響く、船が発航する合図のためだ。
魔導船と偽って居るために、帆にも風がなくても前進する魔導具が付いている。
「微速前進。出発」
全員が甲板に出て発航する所を見てる。ゆっくりと動く船は、少しづつ速度を上げて船着場から離れて行く。
普通の船より揺れを少なくするため、重力操作を使い海を切り裂くように進んでいく。
向かうは「グレートバレー」。そして、「ホーム」がある「セリアスマウンテン」だ。
つづく
SSO劇場「ルンと白竜物語」
ル「久しぶりの船の旅ね~、昔はマスターと一緒に世界を回ったわ」
白「ミャ~?」
ル「そうね。でも、船の中って退屈なのよね」
白「ミャミャ?」
ル「民間の輸送船は娯楽がないのよ」
白「ミャー」
ル「そうなのよ、しかも出る食事もマズかったし」
白「ミュ~」
ル「マスターが船を作ってからは問題なかったわ、マスターの料理がおいしかったし」
白「ミャ!?」
ル「そう言えば、白ちゃんは初めて乗ったのよね?」
白「ミャ~!」
ル「いいわ、今日は徹底的にこの船の事を教えてあげる」
白「ミャ~ミャ~!!」
(二人して堪能したが、夜中まで遊んでいた事が見つかり。セフィーからきついお説教をもらったのでした。チャンチャン)
次回もよろピク○ン!




