第083話 「俺は楽しくないぞ!」
どうも、月影ミケ乱です!
最近雪を見てない気がする、ここ数年熱い地方にいたからな・・・・
雪球つくって雪合戦・・・してみたいな。
ではつづきをどうぞ
グレンオーガと対峙しながら、シーリアン達を覗き見る。
シーリアン以外は決定打がないのか、二人はオーガ達を撹乱している。
腕を砕かれたオーガともう一匹を倒しているので、現在3匹を相手にしてるみたいだ。
撹乱して居る二人と連携してシーリアンも、チクチクとダメージを与えている。
数が同じでもオーガは力だけではBランク近くある。だから、お互いに一瞬を狙っているのだろう。
「他所見トハ余裕ダナ」
「余裕はあるよ。でも喋れるとはびっくりしたけどな」
「フン、貴様達ノヨウナ人族ハ知恵ガ回ル。ナラ、我々モ知恵ヲツケレバイイ事ダ」
「知恵をつけても使いこなせないのでは意味が無いけどな」
「ホザケ!!」
グレンオーガの持つ長剣が襲いかかって来て、バスタードソードで受け流して避ける。
何回も剣撃を繰り返し、相手の力量を押しはかる。
剣術のレベルがどれくらいか、苦手な場所は何処だと剣撃によるわずかな読み合いだ。
お互いが離れるとニヤリと笑い合う。上級者の読み合いは演武と同じになる。
「読ミ合イハコレクライデイイダロウ」
「何時間でも付き合ってやるけどな」
「減ラズ口ヲ・・・」
「さて、どうだろうな!」
お互いの剣を叩きつける、それが合図になり攻防が始まる。
その速度は増していき、一瞬のミスも許されない程に加速していく。
周りから見たら完全に剣の軌道が見えないだろう、見えたとしても残影や剣筋によるラインにしか見えない。
グレンオーガも叩きつけ威力もスピードもかなりのもの。だが、俺の威力はその上をいっていた。
剣速が上がればカマイタチも起きる、防ぐたびにお互いの皮一枚を切りつけ薄っすらと血を滲ませている。
俺もオーガもこの程度の傷なら、すぐに自然回復するから気にもしない。
だが、回復以上に切り傷が増えるため意味もなかった。
それだけ、お互いの剣撃速度が早過ぎる。ジリジリと体力と気力を削っていくから。
「クハハハ!楽シイナ!」
「俺は楽しくないぞ!」
衝撃波や斬撃で近くの木々が破壊され、地面がえぐれる。
シーリアン達は離れていたので、余波による被害は免れている。
けど、安全ではないのは確かだ。そろそろ終わらせるしかないのか。
「焦ッテイルナ、我ハ楽シイ時間ヲ終ワラス気ハナイ!」
「終わらせるさ、お前を倒してな!」
「ナラコノ一撃デオマエヲ地獄へ送ロウ」
「こっちも最大の攻撃で迎え撃つ!!」
お互いが同時に離れて、そして強大な魔力が同時に開放される。
互いの魔力がぶつかり、攻めぎ合う場所では小さな炸裂音や放電が起きている。
相手を倒す、明確な意思を持った膨大な魔力は空間すら歪ませる。
空間が砕けると思った瞬間、俺達の魔力が同時にかき消えた。
静寂、息をするのも難しいほど静寂と威圧がその場を支配した。
お互いに見つめ、一瞬の動きすら出来ない状態。
時が止まったのかと思うほど、永遠で短い時間が流れる。
一枚の枯れ葉が舞い落ちる、俺達の間を吹き抜けていき、
枯れ葉はゆらゆらと地面へと落ちていき。
地面に落ちた瞬間、お互いに動きだす。
「インフェルノ・・・」
「氷炎・・・」
互いの剣が振り下ろされる。膨大な魔力を圧縮された剣は、発光現象を起こすほどに。
グレンオーガの剣は赤黒く、見た者を絶望させる程の暗い光。
俺の剣は白く冷ややかに燃える白銀、見る者を凍てつかせ時を止めるほどの光。
「グレイブ!」
「光斬波!」
同時に放たれた技は、その場を強烈な閃光で覆われていく。
赤黒い炎は地面を焼き、木々を一瞬にして塵も残さず焼き尽くす。
白銀の炎は地面を凍らせ、木々の生命すら凍らせていく。
拮抗されたその威力は、互いの周りに影響していた。
「ガアアアアア!」
「だああああああああ!!」
だが、拮抗はすぐに崩れ去った。
グレンオーガの剣が砕け、俺の技がグレンオーガに届いた。
上半身を切り裂き、その切られた場所から凍りつき倒れた。
「ガアアア!!何故ダ!!我ノ剣ガ折レル!?」
「性能の差だ、見るにその剣は鋼だろう?」
「知ランナ・・・、我を襲ッテキタ冒険者達ガ持ッテタヤツダ・・・」
「オマエの力に耐えられなかったのだろうな」
「ソウカ・・・我ハ一部ダケだ。・・・マタ、オマエトノ戦イヲ楽シミニシテイル・・・」
「約束などしないぞ」
「ソレデイイ・・・・」
グレンオーガはそう言って死んでいった、最後まで嫌なやつだ。
だが、グレンオーガは復活するのは魔界だ。
終わったと思ってすぐに回りを見る、シーリアン達も無事だったようだ。
オーガ達もきっちりと潰している、さっきの俺達の戦いに気を取られてオーガ達が動きを止めたとか。
後はシーリアン達が連携して、きっちりと殴り倒したと言ってた。
こうして、オーガ討伐は終了した。
だが、波乱はまだ俺達に纏わり付いてきた。
つづく
SSO劇場「ルンと白竜劇場」
ル「そろそろマスターが帰ってくるわ、用意しないといけませんね」
白「ミャ~!」
ル「え?肉を焼くのがいい?でもバランスを考えないといけませんよ」
白「ミャミャミャ」
ル「自分が肉の番をするから、他の事は私にしろと?」
白「ミャ~」
ル「わかりました。でも、つまみ食いはダメですよ」
白「ミャ~」
(数時間後)
ル「白竜~肉焼けたかしら?・・・ってなんですかこの惨状は!」
白「ミャ~・・・」
ル「何があったのですか?」
白「ミャミャミュ~・・・」
ル「え?美味しく焼けたか味見しようと思って?」
白「ミャミャ~」
ル「美味しかったから夢中で食べてしまったので、また焼いて?」
白「ミャ~ン・・・・ミャ」
ル「ここに置いてた肉を食べ過ぎちゃったと?」
白「ミャ・・・・」
ル「何やってるの!」
白「ミャ~~~~~~ン」
(その後1時間たっぷりと説教された白竜、肉の番は絶対させないとルンは心に決めたのでした。チャンチャン)




