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第076話 「・・・目標逃走中の帝国軍」

どうも~月影ミケ乱で~す。


最近は涼しくなってきましたな、でも俺の所は暑かったり寒かったりだ。

赤道近くだからだね・・・・


ではつづきをどうぞ~

戦闘開始と同時に動き出したのは帝国軍の方だ、前衛の奴隷兵や従魔は正面からの突撃。

ただ違うのは後方部隊の方だ、どうやら魔法特化の部隊でも出して来たのだろう。

支援魔法や援護射撃を始めている、だが魔法使いも居る冒険者の方がうまく魔法を無力化している。

問題は貴族の軍隊だ、殆どが兵上がりやレベルの低いやつらが多い。

高位貴族や成金貴族はそれなりの戦力だ、魔導具をうまく使って迎撃しているのだから。


「そろそろかな?俺たちも攻撃を始めるかな」


「ちょっとまってください、セフィー様」


「どうした?シーリアン」


「魔法部隊の後ろ側に強い魔力を感じます、あまり知らない魔法のようです」


「なに?・・・これは魔物?いや、ゴーレムメイカーか!?」


「ゴーレムメイカー?ってなんですか?」


「ゴーレムを作る魔法使いだ!」


SSOで一時期流行ったスキルがあった、それが「造型師<メイカー>」と言われるスキルだ。

プラモやフィギアを作る造型師さん達の夢でもある、1/1スケールを作るために考えられたものだ。

現実じゃ場所的にも資材的にも無理なのが多く、作るのにも資金が必要とされていた。

SSO内でこのスキルなら自分の想い描く物が作れる、場所も素材も資金も気にせず。

人の欲望はそれだけで終わりを見せなかった、人は願った「出来た物を動かしてみたい」と。

造型師達が願いを聞き入れて作られたスキルがある、それが「ゴーレムメイカー」なのである。

魔石か魔晶石があれば簡単なゴーレムを作る事のできる、素材はなんでも良かった。

その後は想像できるだろう、ゴーレムメイドを始めとする人間の欲望の塊が作られたのを。

最終的には1つの町を巡ってロボット戦争まで勃発したほどだ、ちなみに「木人君シリーズ」を作ったマニアもいた。


今はまだ前線まで到達するまで時間がかかる、移動速度は奴隷兵より遅くゆっくりとしたものだ。

だが巨大な物体がゆっくりと近づくのは、近場で戦ってる奴らには恐怖でしかない。

歩くたびに地響きがなり、地面が揺れるたびその物体の質量が多い事を物語ってる。


「まさか造型師<メイカー>が居たとなると戦争が一方的になるな」


「帝国軍の奥の手を出して来たと?」


「だろうな、多分高レベルの魔法使いが出てきたのだろう」


「6m級ゴーレムは全部で5体のようです、使われてる素材から「ストーンゴーレム」と思われます」


「なら問題ない、鉄だと一回しか使えなかったかもな」


「はじめるのですね?」


「ああ、目標をゴーレムに変更だけどね」


「インベントリー」から取り出したのは対物ライフルのバレットM82、実装弾頭12.7mmで2kmからの狙撃が可能な銃だ。

これは模した物で弾頭や銃身を15mmに変更、火薬は魔力と魔石で作られたレールガンタイプだ。

弾頭も普通鉄ではなく強度を限界まで揚げた鋼、中には鉛を入れて更に重量を上げてる。

普通の人が使えば発射と同時にふっとばされる、射撃スコープはないが「鷹の目」と併用すれば問題なかった。


「魔力充填80%、電圧上昇。砲身冷却開始、目標ゴーレム」


「ゴーレムが前線に到達します!」


「よし!くたばれファンタジー!!」


トリガーを引くと同時に砲身から弾が発射される、後から重い音と衝撃が響きわたる。

音速をも超える弾は減衰するどころかゴーレムを撃ちぬき、その後ろに居た部隊まで到達した。

ゴーレムの後ろに隠れていた帝国軍は、数十人が吹き飛ばされ中には原型もトドメていない者もいた。

帝国軍はどこから来た攻撃かわからないまま、また一体のゴーレムが吹き飛ばされ帝国軍に被害を与えていた。


「威力があるけど銃身が保たないな、やっぱり他の金属使わないといけないかもな」


「・・・セフィー様、威力すごすぎではないですか?」


「ん?問題ないよ。元々Aランクモンスターを倒すために開発した試作機だし」


「あのゴーレムのランクってどれくらいですか?」


「ストーンゴーレムだからね、良くてBより下でCより上って感じかな」


次々とゴーレムは破壊され、その後ろにいた帝国軍も被害が甚大になっている。

避けたくても攻撃が見えないと避けようがない、破壊されたゴーレムの残骸も砕けた勢いで凶悪な石つぶてとなって帝国軍を襲う。

五体のゴーレムが倒された後は、立っている者も少なくなっているほどの惨状だった。

補充のゴーレムを作ろうにも、被害があった殆どが魔法部隊と護衛についた騎士だ。


「帝国軍も終わったな、見る限り帝国軍のお偉方が尻尾巻いて逃げてる」


「では戦争は終わったのですか?」


「いや、今戦ってる奴隷兵や従魔が後詰で残るはず」


「今は最後の攻撃をやってみるから」


「何を?」


「長距離射撃、魔力充填120%・・・目標逃走中の帝国軍」


銃身から放電がほとばしり、冷却用の部分から尋常じゃない程の湯気が吹き上がっている。

距離にしたら対物ライフルのギリギリの射程、帝国軍は逃げている奴らが王国軍が追いつけないのを振り向き確認していた。


「地獄へいけ!」


発射と同時にライフルにヒビが入る、その後炸裂する音が鳴り響く。

衝撃があとから襲ってきたのだ、俺は踏ん張り頑張るが体が軽いからライフルを落として飛ばされる。

近くに居たシーリアンたちも同じく吹き飛ぶ、俺から離れていたからあまり遠くに飛ばされなかった。

弾頭は何度も音速の壁を突き破りながら、脅威的なスピードで帝国軍を襲いかかってる。

着弾した瞬間、帝国軍の1/3が吹き飛ばされた。

弾が当たった瞬間に風圧がそれほど吹き飛ばしたのだ、もちろん弾頭で数十人がミンチ状態だろう。


「どうやら命中したみたいだね、って大丈夫か?」


「・・・大丈夫です~」


まだ起き上がれていないシーリアン達、俺はすぐにライフルを見にいく。

そこにはヒビ割れた砲身、砕けた魔石、完全に焼き切った魔導回路。

完全な破壊状態なライフルは、触れただけでも砕け散るほどの破壊状態だ。


「これはダメだな・・・完全に壊れてしまったか、だが帝国に勝ったかな」


まだ戦っている奴らもいるが、この戦争はこれで終わりになるだろう。

戦う気力さえも削り取った、今の帝国軍は完全に敗走しているのだから。



つづく

SSO劇場「ルンと白竜物語」

ル「マスターは、昔から射撃が大好きですわ」

白「ミャ~ミャ~ミャミャ」

ル「自分もすごいのがでるといいなと?竜族ですからブレスが使えるようになりますわ」

白「ミャ~?」

ル「「ホーム」に居た竜達も、すごいのは岩をも溶かすほどですわ」

白「ミャ~~~」

ル「ええ、同じ色は居ませんけど。君と同じ竜族は多いですよ」

白「ミャ~ミャ~」

ル「知っているなら教えてほしいと?」

白「ミャ~」

ル「魔力を扱えるならできると思いますわ、まず体に魔力を多くためてください」

白「ミャッ」

ル「あとはその魔力を口から勢い良く吐き出しなさい」

白「ン~~~~」

ル「え?それはためすぎよ、ちょっと待った!!」

白「ミュ~~~~~ミャ!!!!!」

(この後白竜のブレスの威力がすごかったのか、魔改造馬車の壁に穴を開けてしまった。もちろんセフィーにしっかりと怒られることに、チャンチャン)

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