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第074話 「できるだけ削ってやれ!」

どうも~月影ミケ乱です~。


今回はかなり悩ませてくれました、戦争を書くのは結構難しい事です。

軍の配置やら敵の動きを考えて行かないと行けない、総数も頭に入れて部隊の量を考える。

皆さんはどうしてるのでしょうね?


では続きをどうぞ~。

血飛沫が舞、遺体が飛び散り、汗とドロと血で体が汚れていく。

戦争は人が死に、その遺体を乗り越えて敵を倒していく。

走りだした奴隷兵や従魔が魔法で炸裂して飛び散る、それでも進んでくる敵は正気を失っている。

冒険者達もそれを承知で戦い続ける、ただ襲って来る奴隷兵や従魔は魔物と代わりない。

互いに仲間をかばうように戦い、後衛の援護魔法や回復が仲間を癒やす。

パーティーの多いCランクならでわの連携がうまく機能している、だがそれでも手強い相手はいる。


そんな奴らは父様や姉様の部隊が支援してくれる、魔法戦士の部隊が敵を削り歩兵部隊がトドメを刺している。

他の騎士候や王国兵士も牽制をしてくれている、中央前衛部隊と左翼ががっちりと帝国軍を抑えこんでいる。

冒険者も騎士も兵士も必死に戦っているが無傷とはいかず、少しづつ犠牲が出ている。

帝国軍の勢いは凄まじく、死を恐れない奴隷兵や従魔が冒険者や騎士の気力を削る。


だがそこに援軍が登場した、回り込んだ右翼の軍勢が横合いから襲いだしたのだ。

さすがの奴隷兵や従魔も混乱している、右翼の部隊は帝国軍を切り裂く勢いで攻め込み一部を半包囲状態にする。

勢いが無くなった帝国軍は王国軍に撃破されていく、後続の部隊も包囲を破るため襲いかかる。


「待ってました、皆さんやりますよ!」


『おお!!いったれ!』


俺たちの部隊プラス三部隊が後続の部隊に対して、さらに横合いから攻撃し始める。

投擲に自信がある奴らが俺が渡した物を一斉に投げる、帝国軍の密度が多い場所を狙って。

それが着弾すると同時に激しく炸裂する、一度ではなく何度も帝国軍へ降り注ぐ。

奴隷兵や従魔の後方部隊は大半が動かなくなる、今投げたのはスタン効果のある「スタングレネード」だ。

大量に狩った「スタンイール」の魔石と炸裂石で作れる、炸裂石は普通に鉱山で出てくるもの。

炸裂石は音と爆発範囲が大きいだけで、ダメージも無いからSSO時代は特撮マニアが爆発演出に使っていた。

実際は錬金で使うアイテムで、スタンや毒などの状態異常爆弾を作る材料でもあった。


「スタンしてる従魔と帝国兵は殺しておけ!奴隷兵は気にするな!二~三日は動けないから!」


『了解!』


「スタンイール」はスタン効果が高いのもあり、レベルが高くても一日程度なら動きを封じる事ができる。

錬金で制作された「スタングレネード」は、製作者レベルで威力と効果が飛躍的に上がる。

俺が手抜きで作ったやつでも、スタン状態の持続時間は二~三日くらいになった。

部隊の殆どはCランク以上の冒険者で、動けない従魔を狩るのは十分な戦力だった。


「隊長!伝令!!左翼側が持ちそうにないと連絡がありました!!遊撃要請です!!」


「わかった、第一、第二部隊は俺の部隊と遊撃に出る!第三、第四部隊は従魔や帝国兵を速やかに掃討後に来てくれ」


『了解!!』


素早く部隊編成を行いつつ、右翼で手の空いた数部隊と合流して左翼側に向かう。

中央の父様の魔法戦士部隊は問題ないが、左翼の騎士部隊は連携が少し悪くなっていた。

本部隊の貴族が手柄を焦って一部隊を動き出していたのだ、左翼の部隊を無視して攻撃を初めてしまったのだ。

しかも強いならいいが、連携もレベルも奴隷兵や従魔より低すぎて無駄に消耗したのだ。

しかも巻き添えで冒険者や騎士も被害を受けて、前線の維持が出来なくなりつつあった。

その貴族も前に出過ぎてやられていたのだ、貴族配下の騎士達は前線に居た騎士候がなんとか統制をとっている。


「まだ保っています!このまま横から殴りつけろ!敵がバラけたら帝国兵を各個撃破!!」


『おう!!!』


左翼へと向かう途中も帝国軍とは接触はあった、だが部隊の皆はさほど気にせず戦う事が出来たからだ。

敵を発見すればスタンさせたり、撃退するだけでも時間はかかる。

そこでスタンさせたら殆ど放置したのだ、後続の部隊が処理してくれるからだ。

進行方向に居た部隊は帝国兵以外は無視した、兎に角素早く左翼へと向かうためにだ。


「馬鹿貴族の尻拭いだ!できるだけ削ってやれ!」


『おおおおおおおおおお!!』


左翼側は被害は大きいがそれでも持ち堪えてる、人数は少ないが援軍が来た事で余裕が出てきたみたいだ。

従魔が多いためか帝国兵が多く居た、奴隷兵はその帝国兵を守るためにいるようだ。

俺の部隊は「スタングレネード」を使い、帝国軍を手早くスタン状態にする。

スタンした帝国軍は仲間と左翼の部隊で倒し、奴隷兵は出来るだけ確保していく。

帝国軍は状況が不利になったと判断したのだろう、撤退を開始しはじめた。


「遊撃部隊長はいるか!?」


「俺が遊撃部隊長だが?」


帝国軍を追いかける程余裕はない、戦いが終わったのを感じて王国軍は換気する声が響く

そんな中、俺を訪ねて来た左翼の騎士候がいた。

声の感じから父様より若い感じがする、20代かそこそこな騎士にしては若造だろう。


「私はハンネル家のアウマー・ハンネルだ、貴公の支援感謝する!」


「これはどうも、俺はフォーレスト家のセフィーランス・フォーレストだ。一応Bランクの冒険者」


ハンネルさんは顔が驚愕に染められている、貴族でBランクを持つ15歳の少年が部隊長なのだから。

すぐに気を取り直したのか、少し深々と頭を下げて来る。


「これは失礼した、まさかフォーレスト家の者がいるとは」


「俺の家は一応分家扱いですから、お気になさらず」


礼儀をちゃんとするタイプだと思う、普通の貴族らしい怠慢な態度ではない。


「どうやら敵軍は体制を立て直すきなのでしょう、半分程は引いて行きました」


「そうですね、戦況はこっち側も余裕が無い勝利って感じだし」


「では、私は部隊の編成があります。後ほどお礼に参ります」


「お気遣いなく、国を守るためにやった事ですよ」


ハンネルさんは自分の部隊へと戻っていった、俺達も右翼部隊との合流する事に。

俺はこの後の掃討戦になる可能性を考えていた、だがこちらも消耗が激しい。

本陣の貴族には余裕がないとはっきりと伝え、俺達の右翼部隊は半休状態で待機した。

戦いは始まったばかりなのだから、気を抜かずに行こう。



つづく

SSO劇場「ルンと白竜の物語」

ル「マスターが戻るまでにおしいい物を作らないと!」

白「ミャ~ミャミャミャ~ン」

ル「え?肉がいい?肉ご飯にステーキに肉サラダ?」

白「ミャ~ン」

ル「それはさすがにマスターでも胸焼けするわよ、こういう時はスープがいいのよ」

白「ミャ~~~」

ル「肉をいっぱい食べて力を付けさせる?それはそうだけどね。今回はマスターの大好きなクリームシチューよ」

白「ミャ~!」

ル「肉多めに入れろ?だからバランスが大事なの!」

(この後二人の議論が長引いた。結局はルンが勝って白竜は不貞腐れる。だが、ご飯の時ルンのは計らいで、肉を多めに入れてもらった白竜のごきげんは治った。チャンチャン)


では次回も思考の渦へ。

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