第052話 「あること?」
どうもミケ乱です。
今回はちょっと短いのですみません、少し夏バテになっているかも・・・
ご飯はちゃんと食べられるのに、気力の持続が低下しています。
皆さんも健康には気をつけてください。
では続きをどうぞ~
朝練から帰ってくると、俺は日課の風呂に入る。
洋風なお風呂とは違い、屋敷の一室を和風風呂に作り変えた。
家の近くの山に檜に近い木が取れるらしく、それをベースに俺が建築した。
お湯はタンクとボイラーを使っている、暖めるのは魔道具を使っている。
水は魔法で溜め、1回溜めるのに「ウォーターボール」を5発分必要。
溜める人は使った人が入れる、屋敷のメイドなら基本魔法は使えるため問題はなかった。
作ってその日から皆気に入ってしまって、結局屋敷の一角に3つほど作るはめになった。
家族用の風呂とお客用の風呂、あとは男女別の従者用風呂。
俺の場合は風呂に入ると決まって誰か入ってこようとする、しかも危ない眼をさせている。
最近身の危険を感じる事が多く、だから俺の風呂に入る時間が短い。
風呂から上がってから身だしなみを整えてから、自分の部屋に向かっていく。
ちなみにお客用風呂にシーリアンを入れている、カラさんがレクチャーのために一緒に入っている。
コロンさんでは時間が掛かる、彼女は無類のお風呂好きでしかも長湯なタイプだ。
一緒に入ったメイド仲間の殆どが、湯あたりで倒れてしまうほどだ。
コロンさんはカラさんがコントロールしてくれるため、休み以外は長湯をしなくなった。
部屋につくとゆっくりと椅子に座る、コロンさんが良く冷えた麦茶を持ってくる。
「セフィー様、麦茶です」
「ん、ありがとう」
麦茶は生麦を手に入れた時に作った、軽くフライパンでカラ炒めして茶色になるまで焙煎する。
後は布袋に入れてお湯に入れて、一日おいておけば完成する。
紅茶と違って熱い夏や風呂上りによく合う、冷たくした麦茶をお風呂上りに飲むのも家の日課になったほどだ。
今は料理長さんが焙煎やら作り置きをしてくれる、麦はそんなに高いものじゃないから従者のみんなもやっているようだ。
コロンさんはうちわで俺に風を扇いでくれる、ふっと気づいたように口を開く。
「セフィー様、あの連れてきた人ですが・・・」
「ああ、シーリアンがどうした?」
「ダークエルフって怖い話しか聞いた事ないので、少し気になります」
「あ~それらは基本人族が勝手に流したデマだ、ダークエルフは元を正せばエルフと同じ祖だからな」
「ならどうして町や王都に居ないのです?」
「居る事は居るんだが、基本裏方だから町では見かけないんだよ」
「なるほどです」
エルフとかは伝承を生で見てきた人もいれば、俺みたいに文献だけの人も多い。
だからこの国では偏見はあまりなく、ダークエルフだからと言って喚く人もいない。
彼女達を受け入れる事が出来ない、一部の人族意外は。
扉からノックが聞こえてくる、コロンさんが対応してくれる。
「セフィー様、お客様を客室にお通しました」
「ララか、わかった」
椅子から立ち上がると麦茶を飲み干し、コップを机に置く。
そのまま部屋から出ると、ララとコロンさんと一緒に客室へと向かう。
ララは猫獣人族の子で、この家には見習いとして入ってきてる。
特徴というと黒に近い藍色のボブカットと瞳を持ち、身長も俺より少し高い程度だ。
いつもピコピコと耳を動かしている、なかなか愛嬌ある女の子だ。
「セフィー様、こちらです」
ララがドアをノックしてからあける、そこは家にある客室の一つだ。
ソファーが二つテーブルが一つで、簡単な商談にも使える部屋だ。
そこに座ってる一人の客人、黒肌とは対象的な真っ白なドレス。
光りに反射している銀色の髪、そして戸惑いがちな真っ赤な瞳。
日本人のヤマンバスタイルの女子を見た時の残念さではなく、そこには神秘的な絵になる女性がいたからだ。
すぐに正気に戻り、軽く会釈してから前のソファーに座る。
「・・・おまたせした、そのドレスよくお似合いで」
「私が持っていたものでは・・・、そちらのメイドが用意してくれたわ」
カラさんだろう、あの人たまに悪乗りして俺まで女装させようとするから。
俺がコロンさんを見ると、俺の考えたことに肯定するように頷いている。
カラさんには後できっちりと「OHANASI☆」をしないと、それより今は目の前のことだ。
「それでこの町に来た目的とは?」
「・・・ある事を頼みにきたのです」
「あること?」
彼女は少し間を置いてゆっくりと深い呼吸をする、そして覚悟を決めた顔をする。
「私達の・・・私達の村を助けて欲しい」
つづく
SSO知識:獣人族
SSOの住人、おもに身体能力が飛躍的に高い。
種族によって索敵が得意だったり、空まで飛べる種族もいる。
主に有名なのは「猫」「狼」「虎」「獅子」「鷹」「鷲」「兎」「猿」「熊」「狐」「狸」。
他にも多数居るが種族的に数が少ない、基本的に人間よりなのが多く。
ケモ耳尻尾タイプと、ワータイプが居る。
ちなみに「蛇」「蜥蜴」の種類は龍人族の枠になる。
両親が違う種族でも子作りは出来、子供はどちらかの遺伝を継承する。
では次回もよろしく。




