第051話 「この町に来た目的ってなに?」
どうも~ミケ乱です。
日に仕事が忙しかったりで、安定して書けないことが多いです。
今の時期は雨が多く、外に出るのも鬱になりそうです。
日本みたいに何処でもいけるといいんですが・・・・。
では続きを。
誘拐犯を近くに来た巡回部隊に渡して、背後関係をみっちり調べておくようにと部隊長に言っておいた。
この町の警備巡回をしているのは、元々盗賊山賊の奴らだったりする。
今は心入れ替えて(?)町のために働いている、俺がフォーレスト家の人間なのを知っているから素直に聞いてくれる。
一回俺が巡回部隊と言い争いになった時、俺の正体を知った瞬間土下座したほどだ。
それ以降俺の事は部隊全体に知れ渡り、俺が捕まえて渡した奴らは直ぐに処理してくれる。
賞金首あたりを掴まえた場合は、賞金の半分を使って日頃の労をねぎらう。
さて、今は目の前のダークエルフのお嬢さんだ。
ダークエルフは基本は、亜人の中でも滅多にみない人種でもある。
昔は偏見で「魔王側に組したエルフ」って言われていたほどだ、実際は同じ祖を持つ種族の違いでしかない。
エルフ族とダークエルフ族は、魔王大戦の時は手を取り合って戦っていたほどだ。
詳しい話は後でいいとして、ダークエルフがなぜこの町に来ているかだ。
「それでこの町に来た目的ってなに?」
「私は村を出て旅をしてたの、閉鎖的な村から逃げるためにね」
「閉鎖的な村?」
「エルフと違ってダークエルフは偏見が多いの、知っているでしょ?」
「それは知っているけど、実際は同じ祖のエルフの種族だったはずだよね?」
「そうよ、私達は「深夜の狩人」って言うのが普通だったのよ」
「でも人族は忘れてしまった、知っているのはエルフや他の種族だけ」
「ええ、その後教国や帝国が嘘を教えて私達を闇に追いやったわ」
この二つの国は他の種族を認めていない、特に帝国では奴隷の多くは多種族だったりする。
知っている人でも長寿なエルフやドラゴン族、あとは伝統で知られている程度だ。
人族では伝承はゆがめている事が多い、それは自分達の利益のためだろう。
「ところでなんで捕まったの?」
「ちょうどお腹が空いてしまって・・・・今懐も無かったから」
「飯を食わせてやるから一仕事しないか?って所か?」
「・・・そうです」
「・・・なるほど、わかった」
「???」
俺はわかっているが、シーリアンは分かっていないようで首を傾げている。
なんか仕草が可愛いじゃないか、俺が歩きだすとシーリアンは俺のあとを付いてくる。
『マスター、大丈夫でしょうか?』
『大丈夫だろう、一応悪意とかそう言うのは感じないし』
「ところで何処にいくのですか?」
ルンと念話してると後ろから声が聞こえる、少し不安そうにしてるがちゃんと付いて来ている。
俺は振り向きもしないで足を進めている、裏通りを抜けて大通りを北側に向かう。
この町も区画別けされている、大まかに別けて南側の民間区と商業区の間あたりだ。
東に行けば開発発展区、西にいけば貴族とかがいる貴賓区となる。
北側は軍備区になっており、中央区政治と俺の家がある。
「この町の中央区画」
「中央区画ですか?でも普通では入れないと門番の人から聞きましたが・・・」
「僕が一緒なら問題ない」
中央区画に入るには4つの場所からしか入れない、そこには門番もいるので無理して入れない。
俺は毎度の事なので顔パスで入る事が出来る、今回は彼女も一緒なので一声かける。
門番のオッちゃんは記録を残しておく、ギルドに所属していればカードを提出のち検査される。
偽者も出回っているほど厄介なことはない、門番の殆どがスキル「鑑定」を使える。
チェックが終われば中に入る、一応シーリアンはCランクの冒険者なので信用はあるようだ。
政府区画は色々な区画の管理、税金の管理保管と数が多い場所でもある。
他にも食料の備蓄保管や外交用のゲストハウスなど、中央区画は町とは違う雰囲気があった。
この区画で一番の防衛力が手中しているのが、家だと言うのが皮肉なものだ。
駐屯場が四つあり、さらにその周りに宿舎がある。
何かあれば直ぐに騎士が駆けつける、さらに壁の内側にも森があって罠がある。
メイドさん達と専属庭師のじいちゃんだけが森を動きまわれる、中でも庭師のじいちゃんだけ歩いても無傷で帰ってこれる。
父様とはかなり前からの知り合いだとか、メイドさんの殆どは彼の弟子だというから驚きだ。
森を抜けるとそこは外界と殆ど隔離された世界、御伽噺の中のお城みたいな空間が広がっていた。
ここ数年で町が変わっても、ここだけは昔の俺が居た空間なのだと再認識する。
「「お帰りなさいませ、セフィー様」」
カラさんとコロンさんが向かえてくれる、専属メイドの彼女たちは俺の帰りをいつものように迎えてくれる。
ただ後ろの一人、シーリアンは顎が外れんばかりにぽか~んとしている。
つづく
SSO知識:ダークエルフ
エルフと同じ祖を持つ種族、普段は森に部族単位で集落で暮らしている。
「ハイエルフ」が「天光の巫女」と言う裏の名を持つのと同じで、「ダークエルフ」は「深夜の狩人」と言う名をもつ。
魔王大戦後に魔族に似た奴らが多く居たために、人族は魔族の仲間と思われて追いやられた。
今はほぼ表に出る事が無くなり、裏の近衛となっている。
ハイエルフの護衛として高い身体能力と魔力を有する、基本前衛な戦いをするので弓以外に長剣や槍を使う。
稀に闘拳士タイプも出てくる、魔力を纏った拳で敵を殴り飛ばす姿は圧観だ。
エルフよりグラマーな人が多いのも有名で、逆に絶壁が希少価値に?w
では次回もよろしくね!!!んがくく!!




