第049話 「コレはお蔵入りだけどな」
どうもミケ乱です。
最近は暑くてダレる一方です、コンクリート建築は熱くてかなわないですよ。
壁に手を付ければ、じわじわと熱い熱が皮膚に伝わり。
天井から熱が降りてきて、立てば頭はいつも熱のラインの中。
ほんの20cmでその暑さの違いが分かってしまうほど、扇風機にかかればマシになる程度。
皆さん、そんな熱い日はどうします?
では続きをどうぞ。
魔法剣と身体強化をフルに使う、「ゴールデンキングビートル」はスピードはそれほどでもない。
先に「ゴールドビートル」を素早く狩り、ボス戦に移行しないといけないからだ。
「仙人モード」のまま戦うのはあと30分前後、十分に時間があるから落ち着くことにした
『ギィイイイイイイ!』
甲高い音をさせると角のから魔力が集まっている、その魔力が放たれ俺へと向かってくる。
ミスリルの剣に魔力を溜めて切り払う、「キングビートル」の技の一つ「魔呼砲」。
甲高い音とともに魔力を打ち出す魔力弾でもある、初見なら絶対に被弾してしまうほど早い速度で打ち出される。
「ゴールデンキングビートル」も同じ技が出来てあたりまえだ、しかも威力はかなり上がっている。
普通は魔法は「切り払い」では対処できない、魔法剣があるから魔法弾を切り払う事ができる。
「遠距離からの攻撃は一緒か、でも俺には意味がない」
SSOで何度も練習した結果魔法剣での攻撃なら切り払えるのは知っている、「キングビートル」と何度も戦う事があったからだ。
「仙人モード」は戦いでの直感や危機感知にもなる、その代わり体力魔力共に減少する。
アシストがあるSSOとは違いかなりシビアになる、成功する確率もかなり低くなるがないよりマシ。
一気に近づくと横から頭を切り裂こうとする、だが「ゴールデンキングビートル」も伊達ではなかった。
甲高い音と共に剣が角で弾かれる、角には魔力光が見えている。
俺の魔法剣みたいに魔力を角に纏わせているのだろう、俺の方が威力が強いから角の一部が削れている。
「なるほど、「ホーンストライク」が「ホーンラッシュ」に進化してるのか」
「ホーンストライク」は角で叩きつける攻撃、コンボで叩きつけた敵をそのまま角で投げて先端に刺すという結構怖い攻撃だ。
今は俺の魔法剣への牽制だろう、だが技ではないからキャンセルは意味がない。
弾かれた勢いを使って再び切りかかる、「ゴールデンキングビートル」も負けていないのかまだラッシュは続いている。
流しては攻撃の展開になり、相手も面倒なラッシュ効果があるのか攻撃した剣を狙って打ちつけにくる。
「まさかここまで強いとはな、びっくりだ」
ラッシュの最後だろ体をのけぞって上から叩きおろす、俺は一歩踏み込んで下から押し上げるように剣を振り上げる。
激しい魔力の爆発が起こる、そして跳ね上がる物体が回転して俺の後ろに落ちる。
それは切り取られた角だった、床に突き刺さりなんとも言えないオブジェになっていた。
「おりゃあああ!!」
勢いそのままに断面に剣を突き入れる、外甲殻とは違い剣が入っていく。
脳まで達したのだろう「ゴールデンキングビートル」は激しく動きだす、俺を振り落とす勢いで頭を振り回す。
『ギィイイイイイイイ!!』
強い声を発すると同時に剣が刺さったところに魔力を集めている、だが俺の魔法剣がその魔力を霧散させている。
足を床に突いた瞬間全力で剣を押し入れた、ビクンっと「ゴールデンキングビートルは痙攣をすると地響きをさせて倒れた。
目から光りが失われ体が砂化すると腹から大量の金塊が現れた、大きさから言えば7メートルほどの大きさだ。
どこにそんな大きいのが入っていたのか疑問だけど、その量からして一つの城くらい立つだろう。
「マスター凄いですね、これくらいの量はマスターの倉庫以来ですか?」
「そうだな、コレはお蔵入りだけどな」
「お蔵入りですか?バンバンやって売っちゃうのかと思いました」
「売りすぎると金が価値が下がる、だからヘタに売らないで少しずつ売るのが普通なんだよ」
過去に高価な蟻系モンスターの外甲殻が売られていた、しかし巣が見つかり冒険者達が大量に狩って売りにだされた。
大量に出回るようになって値が下がり、今では鉄より安く買い叩かれる。
たしかに金は高いがヘタに流せないのも事実、何かのために取っておくのは普通に出来るからだ。
金を全てインベントリーに入れるとボスの部屋を後にした、今回の収穫はこの金塊と黒鉄だけなのだから。
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地上まで戻ると、なぜか入り口近くに重装備のカラさんとコロンさんが入ろうとしていた。
俺を見てなんか安心した顔をすると、同時に泣きそうな顔になる、
「セフィー様無事でしたか!?」
「心配しました~」
二人とも武器をその場に投げ捨て俺に抱きつきだした、二人ともきつく抱きしめるのはいいけど強いよ。
首はそんなに引っ張らないで、腕が動脈を捉えて天昇しちゃうから。
ってコロンさんはそんなに抱きつかないで、気持ちよすぎるからだめだよ
なんとか二人から放してもらう、でも二人は俺の腕を掴んだまま離さない。
「心配かけたね?でも何で重装備?」
「なかなか帰ってこないものですから、私達がお助けにまいろうかと」
「でもこの前の事もありましたから~ちょっと重装備で行こうということに」
この二人は虫は苦手ではない、だが「ブラックビートル」のあの大きさと気持ち悪さがあると迷宮がどうなるか。
想像したくない事態になりそうで怖い、それ以上にこの二人が持ってた装備も俺と戦った時より上のランクの装備だ。
「二人とも大丈夫だから、ここは初心者用の洞窟だから直ぐに終わったさ」
その後なかなか離してもらえず、ご飯を食べた後体を拭いたり服を着替えさせたりとかなり尽くしてくれた。
俺が眠るまで俺の横で添い寝までしていた、俺もさすがに疲れていたのか直ぐに眠りについた。
王都の王城の一角、ユーフィの部屋で眠っていたユーフィが一言声に出したとか。
「セフィーは私のですの~・・・ZZZ」
お付きのメイドだけが聞いたと、メイドはユーフィ本人に聞くことが出来ない秘密が出来てしまったとか。
つづく
SSO知識:「キングビートル」
中盤の緑林ダンジョンに出てくるモンスター、分岐は「ブラックビートル」の上位種。
外見はほぼカブトムシを70cmくらい大きくし、頭角がフォークみたいに4本に分かれていてその先が鋭く尖っている。
持ち技は「魔呼砲」と「ホーンストライク」
「魔呼砲」は魔力弾を打ち出す遠距離系。
「ホーンストライク」相手に角を叩きつけてダメージと一時スタン効果を与える。
スタンした相手を投げつけたり、角に刺したりする。
力強く、空を飛ぶことで鋭利な飛び道具になるほど。
飛ぶ時は短距離が普通なので、長時間長距離は飛ぶことはない。
作中の「ゴールデンキングビートル」は重さゆえに飛ぶことが不可能、ジャンプみたいなのでかなり短距離なら可能。
では次回もよろぴく!




