第034話 「何でこんなところに!?」
どうもミケ乱です。
寝違いで首から肩にかけて動きが制限されて長時間書くことが出来なくておくれてしまいました。
本当にごめんなさい~!
最近も急がしいのもあってさらに悪化しつつあったのですがやっとある程度改善しました<8割ほど
一応続きをどうぞ
「いくら弱いって言ってもなあの数はすこし引くぞ・・・・」
目の前に山が聳え立つ、ウルフの山が2メートルくらい聳え立つ。
殆どが首のないやつか体が真っ二つになってるのが殆どだった。ウルフは初級のモンスターの中では中間レベルしかない。
はっきり言えば雑魚の分類になる、一般人でも一匹だけなら倒せるほどの力しかない。
だが脅威なのは群で襲ってくる事だ。SSO時代は一匹づつ倒していた初心者がいつの間にかウルフに囲まれてやられたっていうイベントだけでも100件は超えていた。
初級者殺しとも呼ばれていたくらい巧妙に誘いだされる事があるからだ。ウルフの群を倒せるくらい強くなれば一人前って言う逸話まで出るしまつだ。
「さすがSSOと同じような世界だ。何気に魔物も似ている行動するな」
最初は3匹で襲ってきていたんで苦ではなかったが、いきなり20匹くらいで襲ってきた。
倒し終える前にさらに襲い掛かってきたので撃退していくと、さらに300匹が俺を囲むように襲ってきた。
その後は数えるのがめんどくさくなっていた。とにかく斬って殴って蹴ってと出来うる限りのことをした。
力加減もなく魔力を覆っていた拳をうければ頭が吹っ飛ぶし、剣で切れば真っ二つ。
レベル差がありすぎて戦いというより殲滅という感じだった。魔法を組むのは「身体強化」くらいしか使えなかった。
使う暇がないくらい襲ってくるものだから倒れるところだった。1000匹超えたところでやっと逃げていった。
追撃はしなかったが出来るだけ警戒するため「結界魔道具」で一応敵を遠ざけた、初級中級あたりの魔物ならこの魔道具で止められるからだ。
「人の気配もないからさっさとこれらをしまうか」
「メニュー閲覧」の「インベントリー」を使うと自動解体をしてくれる、コレは真っ二つにしたり頭が無かったりしてもちゃんと毛皮や牙と魔石に変えてくれる。
要らない部位は破損箇所やらのアイテムを戻すための魔素となってくれる。それでも残った物は不良品項目に置かれる。
入れた数から換算してウルフは1307匹倒したことになる。SSO時代ならそれだけ倒せれば初心者でも5レベルアップするだけの経験値を稼いだことになる。
後は剣や防具の手入れと返り血の洗浄だな、無属性魔法の「クリーン」と鍛冶職スキルの技「修理」を使うだけだ。
「クリーン」は汚れや血のりを手早く落とす魔法だがさっぱり感がないけどやらないよりマシな程度だ、「修理」は武器や防具の耐久性をある程度戻してくれる。
道具が無いから直しても最高80%くらいしか直らない。道具があっても修理を重ねたら最後には壊れてしまう。
今は出来るだけ研磨と緩んでるところをしっかりするしかしない、いきなりすっぽ抜けたりしたら洒落にならないからだ。
そうこうしてるうちに体力も大分戻ってきた。硬い麦パンで作ったサンドイッチを食べて腹を満たすとゆっくりと立ち上がる。
「魔力感知」で大きい何かがこっちに向かってきている、「鷹の目」で遠くを見ると白いウルフが走ってきているのを捉える。
あの勢いだとものの数分でここまで来るだろう。俺は「結界魔道具」がある中心点に移動すると迎撃の用意をしだす。
準備が整うと森を擦り抜けて白いウルフが飛び出してきた。しかし、結界のおかげで俺まで届く事はなかったが白ウルフの攻撃で結界にゆがみが出だした。
「結界を歪ますほどの攻撃ってどれだけ強いんだ」
結界が維持が出来ないから魔道具を止める。白ウルフは結界のせいで警戒してるのか俺の周りをぐるりと回りだしている。
多分さっきのは先制攻撃するためのものだろう、ウルフは大体3つの攻撃をしてくる。
素早い動きのタックル、鋭い牙の噛み付き、後ろからの攻撃のためのバックキック。
さっきのはタックルを使った攻撃だったのだろう、多分魔力で強化もしてるくらいの大技だ。
「お互い様子見って感じだな・・・・」
白ウルフは威嚇するように牙をむいている、俺はゆらゆらと剣を揺らして白ウルフの動きをけん制している。
急激に走って俺に噛み付こうとしたが横に避けて攻撃をする、しかしショートソードは弾かれる。
ショートソードって言っても一応鉄製の剣だ、それを弾くってどんだけ強力な毛をしているんだ?
一旦距離を置くように立ち回ると再びにらみ合いだ、白ウルフはどうやら待ってくれないみたいだ。
左右に素早く動くと俺へと向かってくる、魔力操作で一気に魔法剣にすると俺も動く。
できるだけ後ろに飛んで木々がある場所を目指す、密林を利用した戦術を使うことで的を絞りにくくする。
だが白ウルフは関係無しに襲ってくる、さすがウルフだと思うよ森を熟知している。
木々を縫うように襲ってくるが俺だって馬鹿じゃない、ぎりぎりで避けたり木々を切って妨害する。
枝くらいの大きさなら普通は気にとめない、だが俺は切った枝を「魔法剣」で瞬間冷凍して鋭利な武器にした。
ダメージは少ないが束になった枝や葉は壁になり刃になる、突っ込んで来ても弾くことも可能だ。
案の定つっこんで弾かれたみたいだ、俺は素早く間合いを詰めると気づいたのか体勢を整えようとする。
「でも遅い!!」
下から一気に押し上げるように首を切り捨てる、一咆えすることなく胴体からずれ落ちる。
「インベントリー」に入れておいて直ぐにアイテム化する、今回は骨がアイテムとしてある。
アイテム覧にさっき倒した白ウルフの表示が出ている、「ホワイトフェンリル」と表示を見た瞬間顔が引きつった。
「「ホワイトフェンリル」!!?ちょっとまてAクラスの魔物が何でこんなところに!?」
驚くのも無理もない事だ、ウルフ種類で言えば上級の一番下の魔物だがさっき倒したウルフ達からすれば5つ以上の上の魔物だ。
しかも生息してる地域は北側地域のごく一部の地域しか生息しかいない、そんな奴が南にいる事態大事件だ。
周りの気配も落ち着きを取り戻してるみたいだ。どうやらウルフを統括していたのは「ホワイトフェンリル」だったらしい。
さっきまであったウルフ達の気配が少なくなっている。他の魔物の気配も少しだけど感じるようになった。
「でもどうして・・・この頃、魔物が変になり始めている感じなのか?・・・!?」
視線を感じ周りを見回す、気配や魔力を感知する能力で出来るだけ周りを探る。
なんとも嫌な視線だ、学者が実験体を見つめるようなそんな感情が一切ない視線だ。
感情はないが濃密な嫌な視線の出所を探る、少し遠い山の上辺りから感じる。
「そこ!!!」
魔力を多めに込めた「フレアアロー」を放つ、貫通力も上げた螺旋回転をして飛んでいく。
その光景はさながらレーザービームのごとく飛んでいき、その威力は射線上の木や葉っぱを一瞬で焼き切るほどだ。
「鷹の目」で追っていくと放電したような現象を見つけそちらに集中する、見えたのは黒いローブの奴だった。
肩から血が流れているのが見えたので完全に当たらず掠めたような感じだ。どうやら「対魔法障壁」で防いだのかもしれない。
さっきの放電は多分衝突したエネルギーの本流だろう。だが、俺の力が上だったみたいでわずかにズレたのだろう。
「何者だ・・・」
俺を睨むようにこちらに殺気がある視線を向ける。だが、直ぐに懐から何か水晶のようなものを出すと消えた。
「帰還水晶」だと思うが、使えば一定の町や村に帰還できる魔道具だ。この世界でも使われるが一つ金貨1枚位する。
それなりの冒険者か実力者じゃないと使わない。一回しか使えないからコストからしてめったに使う事がない。
安いのならダンジョン用の「帰還石」とかの方が冒険者には使いがってがいいからだ。「帰還水晶」は貴族が緊急脱出用として使う程度だ。
他にも似たような魔道具はあるが殆どが使い捨て、たしか文献でも何度も使える魔道具はないとか。
あってもそれは「伝説武具級」か「神具級」の魔道具だけだ。殆どは「国宝」とされて各国に眠っている。
「なんとも嫌な依頼だ・・・・帰るか」
俺も「帰還水晶」を出して飛ぶことにした。今回の事をギルドに報告しないといけないからだ。
下手するとまたクラスアップだな、面倒なことになっているよ。
帰還後にまってるトラブルにため息しながら俺は「帰還水晶」を発動する。
つづく
SSO知識:魔道具
魔法の効果がある道具で、武器防具以外にも多種多様な道具がある。
初級光属性魔法「ライト」を入れてあるランプ、火属性魔法「ファイヤ」を入れてる釜戸とか。
生活空間にもある程度取り入れてある、だが高いため中級以下はあまり持っていないことが多い。
中級無属性魔法3「ホーム」を入れたのが「帰還水晶」だ。
ちなみに同じ中級無属性魔法1「エスケイプ」を入れたのが「帰還石」
中級でもレベルと使う素材で値段が変わる。
「帰還水晶」は金貨1枚、「帰還石」は銀貨1枚だ。
では次回もよろしく。




