第033話 「確かに目立ちますからね」
どうも、ミケ乱です
ちょっといろいろと忙しくて今日になってしまいました。
本当にごめんなさい。
ではつづきを
「テメーみたいなガキがCクラスの冒険者なわけない!!!」
どうも、皆さんの大好きなセフィー君です。
ってのは冗談で目の間にこれまた冗談みたいな冒険者のオッサンが俺に絡んできます、しかも手下みたいなのを5人くらいつれている。
朝起きた後にユーフィは習い事があるのでお城に戻る事になり、俺は冒険者ギルドへと向かうとこう言う事になった。
なんとなく分かる、普通は10歳の子供が冒険者ギルドに来ると大抵は新規登録かレベルの低いやつらが多い。
それがCランクとなると仕事も荒事から討伐とかなり危険が多い仕事だ。子供がおいそれと出来る仕事ではないからだ。
なら俺がCクラスのカードを出せばどうなるか?ギルド員は驚くし近くに居た冒険者も驚く。
そして馬鹿でアホな奴らが寄ってくるというものだ、そしてそういう奴ほどランクが低いことに不満を持つ奴だ。
「俺だって依頼を受けているんだ!こんなガキがCランクになれるなら俺もCランクにしやがれ」
「彼は支部のギルドマスター権限でなっています、それに戦闘面でも問題ないと言うことです」
「どうせ貴族の権限でもつかったんだろう!」
「ギルドカードにも目録が残っています。その中にはBクラスの魔物も入っています」
「こんなガキがBクラスの魔物を倒せると思ってるのか?どうせ「石餓鬼」か「ラッター」だろうが!?」
「石餓鬼」とは冒険者の荷物持ちをしてモンスターにあった時に石を投げて経験値を得る奴らだ。冒険者にはあまり好かれない行為のために良くて失業、悪くて殺される事がある。
「ラッター」は小さいネズミで主に中級獣系魔物の背中や毛の中に隠れ住む魔物で、完全におんぶに抱っこな関係といえる。
中級獣系魔物に取り付く虫やノミを食べてくれる掃除人な魔物で、かわりに天敵な爬虫類や鳥類の魔物から守ってもらう。
貴族にも高レベルの冒険者たちを雇って子供のレベル上げをする事がある。そういう貴族の子供を影では「ラッター」と呼ぶ奴らも多くいる。
「これ以上騒ぐならペナルティになります!」
さすがにギルド員も男の理不尽な事を言い出してるのに頭にきたのだろう、下手をすればギルドの信用問題にもなる事だからだ。
下手に折れることはしないちゃんと仕事するために原則としてルールがある。ギルドが後ろ盾になるから冒険者はそれらのルールを守っているから犯罪者扱いにもならない。
ギルドもある程度の無茶は出来るが冒険者がルールを守るから成り立つ。だが、このアホなオッサンも一応冒険者ならそれらのルールは守るべき事なのだがアホだからそんなの関係ないみたいだ。
俺はため息をしてからどうしたものかって言う顔でギルド員とアホオッサンを見ていた、しかしそこに甲高く力強い声が響いた。
「いい加減にせんか!!!」
「「「「「!?」」」」」
声のする方を見るとそこには見た目は20代のエルフの女性がいた。しかし、見た目以上に彼女の纏っている魔力の量がそこらへんのエルフや人族を越えてるのが分かるくらいだ。
同じ位の魔力で言えば母様や父様あたりの高レベルな人たちと変わらない。母様は静かに力強いがこの人は燃えるように強いって感じに見てとれる。
もしかするとかなりの偉い人なのだろう。ギルド員が顔が真っ青になりまわりの人も恐怖と敬意の表情をだしている。
「何熱くなっておる!ギルド員ならもっと冷静に対応しな!! それからダルク!アンタは成功以上に失敗した任務が多すぎて依頼人から苦情が来てるだろう!?今度問題起こしたらランクダウンだって言ったばかりでしょ!!?」
「すみません、ギルドマスター」
「けっ、お節介ババが・・・・」
「聞こえてるよ!」
「いって!!」
階段近くから一瞬でオッサンの近くまで来て拳骨を叩き込んでいた。初動から殴るところまでが父様並に早い人だ。
オッサンはそうとう痛いのか頭を抱えてごろごろと転がっている。取り巻きもびびって震えている。
「おや?驚かないのかい?」
「何に対して驚く必要があるのです?第一原因は僕ですけど殆どそこの男がわめいていただけですから」
十分に驚いているが表情に出す程でもないと思ったからだ。だけどこのギルドマスターには興味を引かれたらしい。
近くで見ていると分かるが全身が鍛えこまれた体だった。必要な筋肉以外はそぎ落とし締りがある足や腕を見ればイヤでも分かる。
女性らしいラインは全身が引き締まってるからだろう、溢れる魔力と相まって周りを威圧してしまっている。
「普通なら私を見た奴らは大抵悲鳴か失神しいる事が多いのですが、あなたは平然としていますね?」
「家の父様は一応冒険者上がりの騎士ですから、稽古の時はいつも本気の殺気まで来ますし」
「それはどんな親か興味ありますね、ところでお名前は?」
「セフィーランス・フォーレスト」
「え?もしかしてアー君とセレアの息子さん?」
「アー君??」
「アーティク君の事よ。あなたのお父さん」
「父様と母様の知り合い?」
「昔パーティーを組んだことがあったの、アー君とセレアとは結構昔から知っているわ」
確か父様と母様は同じパーティーだったというのは昔聞いた覚えがある。他にも色々と人が居たらしい。
「私たちのパーティーは結構珍しかったからね~、エルフが二人もいれば凄くうらやましく見ていた奴らもいたくらいだ」
「確かに目立ちますからね」
「実力が上がった頃からは「森の姫騎士」やら「深緑の魔法使い」やら「双緑の姉妹」って言われていたもんのよ」
なんでも「エルフ=森や木」のイメージが大きいらしく大抵二つ名の場合は森が多くなる。外見だけだと母様はいいけど戦闘はかなり凄いらしく他の名前も付いていたらしい。
「っと言うより僕は一応依頼を受けにきたんだった、何かいいのないかな・・・」
「ふむ、お前くらいの年だとDクラスか?」
「いえ、Cクラスです」
「それは凄いな?ならこれなんてどうだ?」
討伐リストの一枚を選びだす。そこには「ウルフ討伐依頼」とかかれていた。
「最近増えすぎてな、定期的に討伐しないといけないのだが・・・・」
「たしかウルフ自体はそんな強くもないはずですよね?Dクラスでも倒せるほどに」
「そうなんだが・・・・、どうもかなり統率が取れているらしいと報告がきていてな」
「それって上位が生まれたのでは?」
「ウルフの上位だとしてもDクラスで対処できるのだが、最近失敗が増えてしまってな」
なるほど、上位にも色々とあるから対応が必要になる。
俺がCランクと言うだけの力があるか見せ付けるにもいいって事だろう。Dクラスで失敗するなら大抵は上のランクになるからだ。
「君の実力的にちょうどいいでしょ?」
どうやら俺のレベルはお見通しみたいだ。そんなわけで「ウルフ討伐依頼」を受けることになった。
つづく
SSO知識:ウルフ系モンスター
通常の初期ウルフは大きさはレトリーバー並の大きさ、黒か灰色の毛皮を持つものが多く。
俊敏だが力と防御率が低い、初期レベル6魔物。
大抵は3~4匹で群を作るが、上位のウルフが出た場合規模が拡大する。
冒険者ギルドではDクラスの討伐対象、採取されるのは毛皮と牙と魔石(小)程度。
お肉は筋が多く美味しくないが、盗賊やらは食料として狩っていることもある。
では次回をよろしく




