第028話 「予測ですか?」
最近、仕事が忙しいミケ乱です。
どうも、更新が遅れてすみません。
以前は、2日1が余裕がありましたが、今回から3日1にします。
できるだけ早く作るようにしますので。
では続きを。
今現在王都を見回っている。ただし、見てるのは馬車の中からだ。
原因は俺の横にいる人が一緒だからだ。ユーフィは王族だからどうしても城下にいるのは殆ど馬車になる。
ちなみにアンフェルは、あの後に迎えが来て連れ帰られたらしい。本当はもっと後でお供と来る予定だったのだが、
アンフェルが暴走して先に一人で来てしまった。貴族の決闘までしでかす事態だからさすがの「リバーサイ家」も予想外なことになっていたらしい。
アンフェルは、今後一切ユーフィと「フォーレスト」家に近づく事ができなくなった上、金貨1000枚の迷惑料金を払うことになっている。
あの「学習君シリーズ」はこっちでは「ソールリング」となっていた。何でも使い手たちの魂を宿してるから使うとその力を手にするとか言う理由で「魂」・「接続」となったとか。
ちなみに「ソールリング」に変わったのは「ソールリンクリング」じゃ読みにくいからと「接続」を「腕輪」とかけたらしい。
確認されてるだけで12種類あるという。武器以外にも生産職人の物を合わせての数らしい。
SSO時代は、スキルの数だけあったのだからかなりレア物で、オークションで金貨800枚ほどかかって手に入れたとか。
もちろん没収しておいた。迷惑料金の金貨400枚分減らすことになった。本当は800枚減らすつもりだったらしい。だが、相手の態度が悪かったのもあり交渉した「リバーサイ」家の者もいやなやつだったから5割にした。
父様と伯父様が交渉してくれたのも大きい。どうやら二人ともアンフェルの態度や交渉人に腹を立てていたらしく最後には交渉人が泣くほど追い詰めていた。
「セフィー、あそこが教会があるところですの」
考えに浸ってたせいかちょっと聞いていなかった。教会と聞いてそちらを見ると白を強調したような神殿があった。
見るからに金のかかった建物は、神々しいというよりただ派手だという感じだ。無駄なところが多いしデザイン的に悪趣味なのも多く神聖感がぜんぜん感じられない。
どこかの馬鹿な貴族が金を出して作らせたとか言う噂もあるらしく、一部の信者には不評になったとか。
「これまた答えるのに難しい教会神殿ですね、神様が来るのかって思ってしまうほどですよ」
「この神殿は観光と多くなった信者専用って事らしいよ、奥に真の神殿があるらしいの」
「僕はそっちに行きたいな」
「普通は無理かもなの。神官クラスにならないと入れないっていわれているの」
「そ~ですね~神殿に~入れるとしても~差別した人とかも~入れなかったとかいうのも~ありますからね~」
一緒に乗ってるコロンも口を挟んでくる。とにかく、場所を覚えて後でくるしかないだろう。
だが、ここで一人の権力者がいることを思い出した顔をする。そして、俺の方をみてからにっこりと微笑んでいる。
「ニーナに頼めばいけるかもしれないの」
「ニーナ?」
「神殿の巫女を勤める者の名前です。姫様とは幼馴染でございます」
「巫女ですか。でも、巫女って事は教会がすんなり会せてくれるとはおもいませんけど」
「そこは大丈夫ですの、私が行けば必ずあわせてくれるの」
「教会も姫様と会うなら問題ないはずです。ですが、神殿に入れるかは分かりません」
ユーフィの専属メイドさんが考えるように言ってくれる。一応、聞くために裏に回ってくれる。
貴族や王族の場合は一般人が行く正面入り口からではなく、裏門とされる場所から入る。
基本警備や混乱を避けるためだ。言ってみれば有名人が局の裏から入ってファンから逃げるような感じだ。
とにかく、裏手に回ってそこで警備してる神官騎士に話を通した。程なくするとシスターみたいな人が案内役できた。
教会の中はかなり質素な作りになっている、それでもかなりのもので中世期にしては凄いできのいい神殿だ。
外の派手さが嘘のように感じるほど廊下や中庭は神秘的に綺麗な作りをしている。中に入る日の光も淡い感じで暖かい。
「巫女様、お客様をお連れしました」
「はい、どうぞ」
「失礼します」
入った先は執務室や談話室みたいに、ソファとテーブルだけが置かれた部屋だった。貴族位しか持たないような窓ガラスに、円に十字をつけたような形に剣と杖が彫られた木盾が置かれている。
その形はどの教会でも同じ形をしている。違う神でも同じマークは創造神のマークだからだ。
どこで違いを確認するために十字の後ろに色々と入れている、ここは武術と魔術の神だから剣と杖がクロスしている。
他にも本をいれている商売と学術の神、ハンマーとヤットコは鍛冶と技術の神とか、かなり多種多様になっている。
武術と魔術の神アーシェ様の神殿だ。信者たちには魔法使いも剣士も多いけど花形はやっぱり「魔法騎士」達らしい。
っと、それよりその部屋に居る一人のシスターがこちらを見ている。ユーフィより一つか二つ上なのは見て取れる。
肩まで切り揃えた青い髪、すこしタレ目ぎみな大きい瞳、幼さが残っているおっとりとした顔、純白でハリのある肌をしている。
ユーフィが人形みたいな綺麗な顔ならその子は素朴さが愛らしい顔立ちだ、幼馴染って言うよりお姉さんって感じがする。
「ユーフィ様お久しぶりです」
「ニーナ久しぶりなの」
ユーフィは、飛びつく感じで抱きついた。ニーナはしっかりと受け止めて抱きしめている。
なんとも微笑ましい光景をみていると、ニーナが俺をみている。知らない俺をみて少し表情が硬い感じがみうけられる。
「ニーナ、大丈夫なのセフィーは私の友達なの」
「セフィーランス・フォン・フォーレストです、どうぞよろしく」
「こちらこそ、私はニーナと申します。どうぞよろしくおねがいします」
お互いに挨拶を交わすとソファに座る。ユーフィは俺の横に座って腕にすりつくように。
「すみませんね。急にあってもらって」
「いえ、ユーフィ様はたまにいらっしゃるので。それに、今日のこの出会いはなんとなく予測していましたから」
「予測ですか?」
「ええ、セフィーランス様はもしかして裏の神殿に御用があるのではないですか?」
「確かに裏の神殿に用事がありますよ・・・でもどうしてそれを?」
「アーシェ様から「神託」を受けていましたから。今日、出会う少年を裏神殿に導きなさいって」
「アーシェ様からですか?」
「そうです、「神託」はあまりしません。なぜならアーシェ様は苦難は自分で切り開くものだと言う考えですので」
アーシェ様は真面目で熱血を持ってる神だったからな、頭はいいはずなのに脳筋な所もあるので可愛いんだけどとても残念なところもある。
でも、神としてはちゃんとしたところもあるもんだからSSO時代の神様ランキングでは上位に居るくらいだし。
「そうですか、アーシェ様が神託をするほどか」
「それとは、もう一つあるのです。これはあなたに伝えてくれと言われましたので」
「それはどういったことですか?
すこし緊張した顔で見つめるとニーナはにっこりと微笑みを浮かべて。
「あの神殿の試練を受けてくださいと」
やっぱり、アーシェ様は脳筋でしたか。俺は深くため息をついてから窓から見える神殿を見つめる。
つづく
SSO知識:武術と魔術の神アーシェ
武術や魔術を得意とする神で、魔法使いや戦士に人気のある神様。
真っ赤な髪で姉御肌な気質をもつ、美人で体もなかなかナイスバディ。
性格はいたって真面目で文武両道なほど努力家、他人にも自分にも厳しい。
別の意味は脳筋な所が美人として残念な人(神)になっている。
弱点的に恋愛に関しては超ウブ。
では次回もよろしく。




