表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/127

第027話 「僕には勝てませんよ」

どうもミケ乱です!


昨日は、仕事が入っていろいろと忙しく大変でした。


では続きを

中庭の広い場所でおれとアホ・・・アンフェルってやつが対峙している。俺は平然と目を閉じて椅子に座っているが、アンフェルはイライラしながら歩き回っている。

程なくしてメイドに案内されて一人の男がくる、見た目は20代後半って感じの金髪のエルフだ。

腰の剣からして武官の一人だと思う、服はぴっしりと整っていてなんとなく文官にも見えなくもない。

叔父様はすぐに俺たちの決闘のために「采配人」と呼ばれる審判兼証人役の人を呼ぶことにした。

「采配人」の証言と「記録魔法」という出来事を魔石に永久記録する魔法で虚言や嘘言ができないようにする。

記録魔法も「采配人」か「記録者」しか使えない魔法で、専用魔動機を使わないと使えない魔法でもある。

もし改竄しようにも使用者までわかるから誰もできないでいる、「隠匿」すら効果がなく使用者の魔力を記録する。


「では采配人のハインド・バルカスがこの決闘の采配を勤めます両者よろしいですね?」


「大丈夫です」


「無論だ!」


「では始め!」


俺とアンフェルが構える、様子見をするように剣を動かしてフェイントを入れる。

アンフェルの動きは素人に毛が生えた程度、殆どのスキルがレベル2しかない。

普通のスキルとして3~4のレベルを持つのは「傲慢」と「プライド」だけだった、この二つはある意味マイナススキルといわれるやつだ。

「傲慢」はSTRが1.5割増しになる代わりにINTとDEXが1割減になる、「プライド」は単体ならDEXとAGIが1割増しになるが「傲慢」がある時は反転作用により1割減となる。

レベルは20越えもしてないからそんなに強くない、はっきり言えばオークすら劣るともいえる。

さっさと終わらせようとするとアンフェルが何かをつぶやきだした。


「・・・騎士の魂、我に剣技の力を・・・「ナイトソウル」」


ところどころ聞こえなかったが「魔力感知」がアンフェルの両手両足に魔力が手中してるのが見えた、うっすらとしかわかりにくいけど強化魔法か何かだろうと思った。

しかし、次の瞬間いきなり目の前にアンフェルが間合いをつめた。逆袈裟に切りかかってきたので左に流した。

いきなりでびっくりしたが、今の動きは中級クラスの騎士か戦士の動きだ。「チャージ」と言うスキルで瞬発力を使っての切りかかる威力は絶大だが隙も多い。

しかし「チャージ」は中級の最初に使えるスキル、毛の生えた程度のレベルしかないスキル持ちに使える技じゃない。


つまり、あの両腕両足の魔力の流れに秘密があるのだろう。SSO時代にもあったな。

たしか、「学習君リストバンド&アンクルリング(騎士)」っていうアイテムかも知れない。

現代でも軍隊訓練でもしない限り剣術や槍術などの武術を習う事は普通はしない、ましてやオタクになればなおさらだ。

とにかく、1から習うより簡単な方法があった。それが「学習君リストバンドとアンクルリング」だった。

足の運び、剣術の型、武器の扱い、その他色々とある技術を習うために作られたやつだ。

さすがに努力する人が居なくなるために、最高でも中級レベルまでしか使えない。スキル制限もかかり数回しかつかえない。


「今のを避けるとはな、だが次は簡単にはいかないぞ!」


「なるほど、秘密はその両腕両足ですね?」


「な!貴様何を言っている!?」


「そんなアイテムを使ってるなら、僕には勝てませんよ」


「貴様!!!」


アンフェルは怒りにまかせた攻撃を繰り返すが俺が軽々と受け流す。所詮は紛い物の力だから一つ一つの動作が硬い。

剣を受けて完全に弾き返す体制を崩してしまうアンフェルを見て一気に畳み掛けた。

スキル「連撃」による6回攻撃をしていく、左右に弾かれたようにくの字に曲がる。

最後にスキル「スマッシュ」で相手を吹き飛ばした。あの手のアイテムを持った奴はSSOじゃ珍しくなく。

その弱点も研究開発されていたのだから、しかもパターン化されたその作業は誰でも出来た。

ちなみに、アンフェルは吹き飛ばされて気絶中だ。生命反応はちゃんとあるのも確認できた足がぴくぴくしてるし。


「勝者セフィーランス!!!」


剣を鞘にいれて軽く礼をしてから采配人のバルカスさんにも礼をする。

バルカスさんも礼をしてきたからゆっくりと家族の方へと向かう。ちなみに、アンフェルはメイド達が手当てしたのち客間で寝かせておくみたいだ。

俺が戻ってくるとユーフィは少し興奮ぎみに俺に抱きついてきた。父様や伯父様はニヤニヤ顔で俺たちを見ている。


「セフィー様無事で何よりです」


「そうだな、スカッとしたぞ」


「甥っ子にしては筋がいいな、それにしてもアンフェルは不甲斐無いな」


「アンフェルって奴アイテム使っていましたよ?伯父様」


「なに?そうなのか?」


「多分魔道具かアーティファクトあたりだと思いますけど、魔力が両手足に集まっていましたから」


「ではアンフェル様は自分の実力では戦っていないのですか?」


「ユーフィの意見は真面目にしてる人から言うとそうだね、でも冒険者ならそういう魔道具を持つのもありだからね」


「そう言うものですか?」


「簡単に言えば魔剣や聖剣、聖なる鎧や衣、回復アイテムと使うのと同じだよ」


「なるほどです」


それこそSSO時代だと魔具や神具など多種多様にあった。さっきの「学習君シリーズ」や別系統で「訓練君シリーズ」などは言ってみれば初期アイテムだ。

もしホームにある神具系のやつを出したらどれだけの反響がでるやら、勇者シリーズなんてデザインだけなら凄く派手なのも多いからな。

他にもネタ装備で英雄シリーズってのもある、このシリーズはあるゲームやアニメから由来で出来ている。

覚えてるだけでも300~400はオーパーツ並の装備が倉庫に眠っている。ホームに入れてて良かったと思う。


「それにしてもあれってどこから流れたのでしょうか?」


「多分だが迷宮だと思うが、真偽はわからん」


「迷宮ですか?それはどこにあるのです?」


「今だに到破されいない迷宮の一つだな。かつての英雄たちが集った場所。その名も「タウザンド・マウンテン」だ」


「!!?」


ってかホームがある山じゃないか!?もともとは初級の山だったんだけどホームと同時に購入してから改造しまくったからな。

ホームとは別に迷宮コアを手に入れた時に山を迷宮化した。レベル別にして10段階の階層に分けた。

基本はギルドの初心者用に作った迷宮だったが、一般に公開してからホーム以外は迷宮の攻略をしていた。

極端な廃人たちはお断りの新人のための迷宮って事でそれなりに楽しんだりもした。

管理の基本はドラゴンに任せていたのだが、多分世界のレベルが低いのかあの迷宮が困難になったのかもしれない。


今度、ルンに聞いておかないといけないかもしれない。迷宮のドラゴンってたしか血の気の多いレッドドラゴンだったよな?

ホームのことも迷宮のこともいろいろと多くなって大変だよ、あと今日は女王様に会うんだった。

叔父様と父様があれこれと話してるのを横目に今後のことを考えてしまった。



つづく

SSO知識

「学習君シリーズ」:初期の剣の型をなぞるシャドートレース型が殆どだったが、それだけだと実戦では使えない事になった。

剣道だけでは避ける防ぐってことができないので実戦に近い剣術を体験してもらうために、リストバンドとアンクルリングタイプが出た。実戦形式の戦いを中心にしたためにつけたままの方が楽だと努力しない人が増えた事で使う場所を限定した。


「訓練君シリーズ」:「学習君シリーズ」の後に出たやつ。

基本はフィールド内での師匠AIによる技術修練タイプ、スキル職業別に技術、スキルの使い方、魔物対戦などある。

レベルに合わせて使うために素人が上級クラスをすることがない。

堅実に訓練ができる上、時間がない人は1時間で5日間の練習できる亜光速修練が可能。



では次回を楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ