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第026話 「お受けするしかないみたいですし」

どうも~最近遅れ気味のミケ乱です。


少し忙しさが増して、思った時間に書くことが出来なかったりします。

あと150万PV突破しました、お気に入りも6000人突破!


では続きをどうぞ

「貴様を我が剣の錆にしてくれるわ!!」


「貴方は、武器を大事にしないのですね~」


目の前に騎士が言った言葉の綾をからかうように言うと、真っ赤な顔をさらに赤くしている。

見た目に派手な銀色の鎧を着てiる騎士、見た目は短く切りそろえられた金髪、イケメンだが無骨な感じがする顔、身長も180前後って感じで年齢的に15~16って感じのエルフだ。

今いるのは屋敷の裏手の庭だ。手に持ってるは模擬剣という練習用に刃が付いてない剣だ。

ある意味決闘みたいな状況で、目の前の騎士は鼻息荒いくらいに俺を倒そうと意気込んでいる。


ちなみに、父様や伯父夫婦とお爺様はユーフィと一緒に観戦モードで紅茶を飲んでいる。

父様、そのニヤニヤした顔あとで母様に報告しますよ。救いはユーフィが心配そうに俺を見てくれるからだ。

なんでこんな状況かって言えば1時間前に戻る。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


起きた時には横にいたユーフィにビックリした。どうやら一緒に眠らされたみたいだ。

ってか動けないよそんなにしっかり抱きつかれては、横から抱きついて足もロックしたように離れてくれない。

どうしたものかと思っていたら、姫様付きのメイドが起こしにきてくれた。俺とユーフィの格好をみて少し微笑みを浮かべていた。

ユーフィは朝が凄く苦手で起きてもしばらく寝ぼけているらしい。俺が起きてもベッドの上で寝ぼけ眼でボーっとしてる。


「おはよう、ユーフィ」


「おはにょうごにゃいまにゅ・・・」


まだ寝ぼけているからちゃんと喋れてない、なんとも可愛い口調だ。頭を撫でるとうにゅ~って猫みたいになる。

く~可愛いな、めちゃくちゃ可愛いな!大事な事だから2回繰り返す。

お付きのメイドにやんわり止められたから撫でるのやめたけど、多分起きるまでず~っと撫でてしまいそうだ。

直ぐに離れて服を着替えはじめる。ある程度は、自分でやって着難い服だけをコロンが着せてくれる。

貴族や王族なら1から服を着替えとかまでやるらしい。俺は日本人でもあり、服を自分で着る習慣がついていたので滅多に手伝ってもらったことがない。


「それにしても今日はどうして貴族服なんだ?」


「どうも姫様の知り合いの人がくるそうです。ですから、服はちゃんとしないといけないそうです」


「面倒な・・・」


ため息をついて服の襟を引っ張る銀鏡を使って髪を整える。この世界では現代のような鏡がまだ発明されていない。

あるとすると、銅を使った鏡か金持ちの持つ銀を使った鏡くらいだ。銅より銀の方が写りはまだいいが手入れが大変だったりする。

毎日メイドたちが綺麗に磨いてくれている。今度アルミを見つけておかないと。

お湯を沸かした鍋の中にアルミを入れて塩を入れたやつに、銀製品を入れると黒ずみが綺麗になるらしい。昔裏技動画で見た覚えがある。

だが、今だアルミを見たことがない。たしか昔は金より高いとか聞いた事があったな。

出土するには量が少なく、作るにもかなり高熱に上げないと摘出できないと言うからだ。

誰も知らない可能性もある。もしかすると、錬金術なら可能かもしれないがそれは後回しになるだろう。


とにかく、髪を整え終えたあたりでユーフィも着替えが終わっていた。今だ寝ぼけているようだ。

ちょっとふらふらで危なげなので、俺が手を握って引いてあげる。ユーフィは握られた手を引いて抱きついてくる。

完全に猫が甘えるように頬を二の腕にすりすりしてくる。絶対前世は猫だろうって言いたくなる。

後ろからコロンやお付のメイドさんがついて来ている。ニヤニヤと意味ありげに笑う、なんともいい性格をしてるメイドさんだよ。

ちなみにコロンはいつものようににこにこしている。


食堂に入ると見慣れない人が父様と叔父様たちと話している。なにげに嫌気がさしているような気もする父様の顔が見える。

鎧姿で、この屋敷に来てるというのも変だが護衛や常駐の場合は着てるのは普通だ。だが、そいつのはなんとも豪華な鎧だった。

見栄と金で作ったような鎧だろう、性能や機能美のかけらもない動きにくそうな作りだ。

冒険者や常識ある騎士ならまず着ない鎧だ。実戦を経験してるからわかるけどあれは完全に的にしかならない。

重戦士でもある程度動くための稼動範囲を確保している。しかし、鎧の厚みから見て軽騎士用の鎧。

はっきりいって意味のない鎧、俺なら買う気も使う気すらおきない鎧だ。


男は俺に気づいて、そして俺の横にいるユーフィの態度に気がついて震えだしている。なんかいやな予感がびんびんする。


「貴様!我が愛しのユーフィディア様になんてことを!ゆるさん!!!!」


「いきなり来て大声だして誰です?」


「うるさいです・・・・」


「ふん!コレだから田舎貴族は!!私はアンフェル・フォン・リバーサイ様だ!」


リバーサイ家は、フォートレスと同じ四大家の一つだ。王都の川側に面した所に住居を構えていた貴族がそうだったと言う。

他にも山を管理する「マウンタン家」と城壁の管理と警備をしている「バンリャン家」が四大家の家名だ。


「四大家の「リバーサイ家」は知ってるけど」


「ふん!田舎モノにしてはよく知ってるな!」


「どうも。で?何ようですか?」


「私はユーフィディア様の婚約者だ!!」


「それはありません」


はっきりとした声でユーフィが訂正をしていた。どうやら、このアンフェルとか言うやつが自分で言っている妄想みたいだ。

さっきからの大きい声で目が覚めてしまったらしい。腕に抱きつきはさらに強くなっている。

アンフェルはさらに顔を真っ赤にして怒っている。懐に入れてた手袋を取り出すと俺に投げつける。


「決闘だ!」


「いや、それもなんか違うような」


「セフィー様やっちゃってください」


ユーフィも決闘で解決できるならうれしいのだろう。アンフェルはレベル的に12くらいでスキルも初級だけ。

はっきり言って弱いもの虐めになるだろうな。ゴブリンとオーガくらいの差があるくらいに。


「セフィー、家を馬鹿にしてるやつだ。思いっきりやっていいぞ」


「セフィー君、こやつは「フォーレスト家」を馬鹿にしてるのだから全力でやってしまいなさい」


父様と伯父様がかなり怒っていらっしゃる。後ろに鬼が見えたように錯覚する。


「仕方ないですね、お受けするしかないみたいですし」


「では家の中庭を使うといい。あとで仲裁審判員を呼んでおこう」


「分かりました」


「そうしてくれ」


俺は、朝飯を食べつつユーフィは俺から離れなかった。アンフェルに近づかないようにしながら食べた。

それから、1時間して冒頭に戻るのだった。



つづく

では次回もよろしくお願いします。

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