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お色気要員の負けヒロインを何としても幸せにする話  作者: 湯島二雨
第16章…初体験までがめっちゃ長い

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ニセモノでも推しを幸せにする、ついに初体験

 「――――――」


夜の海、音は波の音だけ、光は月の光だけ。

美しい満月が浮かぶ幻想的な世界で、俺と柚希は唇を重ねた。

息が苦しくなるギリギリまで。



「―――ぷはぁ……」


「はぁ、はぁ……」



唇を離した後も、柚希は俺を上目遣いで見つめる。月の光に照らされ、真っ赤に染まった顔で。

完璧に美しく整った柚希の顔に、俺の目は吸い込まれて見惚れるばかりだ。



「柊斗……」


「柚希……」


「……関係ないから」


「……!」



「関係ないって言い方はすごくひどいかもしれないけど、それでも関係ないから。

たとえあの人が本当に()()()()だったとしても、私が好きなのは()()()()()


「柚希……」


「私自身がキミを好きって決めたから。女に二言はない、一度決めたものは死んでも変えない、何があってもこの気持ち、後悔しない。好きなものは好き!

好きだよ、柊斗」


「柚希……!」



ニセモノ、悪者という真実を突きつけられ、壊れかけた俺を安心させようとしてくれているのか。

柚希はさっきよりもさらに強く俺の身体を抱きしめた。

俺も柚希をしっかりと抱きしめ返す。


心の底から安心したし癒されるけど、柚希の愛が過剰すぎて逆に壊れる。いや、もうとっくに壊れてるか。



もう一度キスを交わす。

さっきよりも深く長く、熱いキスをする。唇を離して見つめ合う。柚希の頬はさっきより赤く染まっていた。

何回したかわからなくなるくらい何度も何度もキスを交わした。



「好きだ、柚希」


「私も好きだよ、柊斗」



彼女を見て自分の気持ちが抑えられず、愛の言葉を言わずにはいられない。

今は特に言わないと気が済まない。愛しい気持ちが無限に膨らんで、言わないと破裂しそうだから。


本物の栗田柊斗がいても、俺は止まらないし変わらない。

柚希を愛し続け、一生大切にすることに変わりはない。

たとえ主人公でも、俺たちの邪魔はさせない。



「柊斗……バイトが終わったらエッチする約束してたよね。それが今夜だよ、覚えてる?」


「当然、覚えてるに決まってるだろ」


「……シたい?」


「シたい」


「……私もシたい」



この時のためにバイトをずっと頑張ってきた。たとえ世界がひっくり返っても柚希と身体を重ねたいと強く願い、それを活力としてきた。

真の栗田柊斗に遭遇して、なんか空気が重くなってしまった今、もしかしたらそういう雰囲気じゃないかもしれないと不安があったが杞憂に終わった。むしろそういう時だからこそなおさら行為をしたい、俺はそう考えている。柚希も同じ考えでいてくれているだろうか。


柚希は艶かしい笑みを浮かべた。それだけで俺を勃起させる色気だった。心が通じ合った。


我慢できない。今すぐこの場で押し倒して始めたくなる衝動に駆られたが、ここは外だし海だし、初体験が海なのも興奮はするけど常識的に考えてダメだし、ダメだとは思いつつも暴走寸前だしでいろんな意味でマズイと思って柚希と手を繋ぎながら急いでホテルに戻った。




 ホテルのベッドで、柚希を優しく押し倒した。

見下ろす俺の下で、頬を真っ赤に染めながら潤んだ瞳で見上げる柚希が俺の情欲を煽る。


俺たちはまたキスを交わした。いつどこでしてもキスは良きものだ。

海でするキスもベッドでするキスも、どちらも違ってどちらも良い。どちらも興奮するし気持ちいい。


浴衣姿の彼女、浴衣からはだける透き通るような艶やかな白い素肌。

日焼け止めは塗っていたけど、あの灼熱の太陽に照らされ続けてもなおこのピチピチな白い素肌に感服させられる。浴衣の間からチラリと覗く太ももと谷間が俺をどこまでも誘惑する。


柚希の胸は、仰向けになっていても圧倒的なボリュームを誇る豊かな膨らみだった。

唇を交わしながら、その豊満な白い膨らみにそっと触れる。



むにゅんっ


「…………!!!!!!」



女の子の胸に触るのは、前世も含めて初めて。風俗はノーカンだよな、金を払わずに女の子の胸に触ることができたのはこれが初めてだ。

しかもそれが好きな女の子の胸だぞ。究極の幸福で魂が震える。


張りがあって瑞々しくて、柔らかい。


栗田柊斗の手は大きい。ゴツゴツしてて男らしい手だ。

その大きな手でも収まりきらない大きな乳。俺の手で形を変えて少しはみ出しているのが大きさと柔らかさをわかりやすく表現していた。


夢中になって柚希の胸を揉む。童貞丸出しの、俺の醜い本性が剥き出しになった哀れな姿で。



「柊斗……」


そんな醜い俺を柚希は優しく包み込んでくれる。見つめられて名前を呼ばれるだけ、それだけで十分すぎる。柚希の愛はどこまでも俺に響く。

柚希はさらに俺の後頭部に腕を絡めて抱きしめてくれた。俺も柚希に顔を埋める。なんていい匂いだ。興奮しすぎて失神寸前だが耐えろ、ここで失神したらダサすぎる。しっかり気を持てと必死に言い聞かせるほど、魅惑的な曲線を帯びた柚希の女体は俺を狂わせた。


「柚希、愛してる」


「私も愛してるよ、柊斗」




―――




 そして、俺と柚希は身体を重ねた。

初体験。風俗の女遊びとは全然違う、初めて経験する愛の行為。溶け合うように愛し合い、繋がった。もちろん避妊の準備はバッチリしてある。


エロ漫画やエロDVDで学んだプレイを、柚希は恥ずかしそうにしながらも快く引き受けてくれた。俺も遠慮できなくなっていっぱいしてもらった。特に挟んでもらう行為が好きなので、いっぱい挟んでもらった。ずっと憧れていた夢が、ついに叶った瞬間だった。


全身から血を噴き出しそうなくらい興奮した。今まで一切女の子と縁がない人生だったのでその分反動がすごかった。


幸せも快感も強すぎる。この世界で生きることができてよかったって心から思えた。

このまま行為の終わりなんて来なければいいのに、と願わずにはいられなかった。


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