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セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第九章 『ウサギ印の暗殺屋~13日の金曜日~ 著・三ッ葉きあ』
74/90

キャラクターとは変態なのである。

 レシェフさんは中々、紹介小説のメインライターにはなれないですね! 代わりに人によっては性癖に刺さりそうな作品を今回も上げられています。そして、師匠ちゃん率いるニューフェイス+α。今年の1月作品の紹介小説も手がけたチームも巻き込んで、魔女と忍の石山合戦を始めてくれました! 今回の当方のムーブメントとしては一番の大仕事でしょうか?

 一文字いろはは、日傘を差すと、前回大声を上げて迷惑をかけた古書店『ふしぎのくに』へと謝罪をしに向かった。セシャトが好きな甘いお菓子をといろは苺のタルトが有名な某店の物をいくつか購入して扉を開けた。



「セシャトさん、いらっしゃるかしら?」

「いろはさん、いらっしゃいませ! 今日も元気いっぱいですねぇ!」



 いろはは出迎えてくれたセシャトに頭を下げてフルーツタルトの入った箱を差し出した。


「この前は、迷惑をかけてしまってごめんなさい」

「あらあら! 全然大丈夫ですよぅ! ヘカさんと『ウサギ印の暗殺屋~13日の金曜日~ 著・三つ葉きあ』のお話をされていたと聞き、私もご一緒したかったです! お時間ありましたら母屋へどうぞ」


 セシャトにそう言われていろはは「じゃあ少しだけ」と母屋に入る。そこではぐつぐつと、鍋で缶付けされているワンカップと缶入りのオレンジジュース。神様はオレンジサキニーを作って暖を取ろうとしているところ、いろはと目があった。



「おぉ、この前のうるさい小娘か」

「そう言う貴方はクリス総帥の殺すリストに入っている自称神様ね」

「……あやつそんなリストに私の名前を入れておるのか……後私は自称ではなく神様だぞっ!」



 椅子に座るとセシャトといろはが『ウサギ印の暗殺屋~13日の金曜日~ 著・三つ葉きあ』を開くので、神様は大きめのマグカップにオレンジサキニー、ホットカクテルを入れてそれをずずっと音を立てながら飲み、自分のタブレットを開く。



「いろはさんはお飲み物は何がいいですか? この時期ですから紅茶かホットチョコレートでしょうか?」



 少し考えてからいろはは「ではホットチョコレートを砂糖を抜いていただけるかしら?」と返す。



「……いろはさん、分かってますねぇ!」



 セシャトは自分の飲むムレスナの紅茶と、いろはの為に淹れたココア、そして砂糖にミルクを用意すると「いただきます」といろは口にすると頷く。


「ヴァローナのココアね? いいコクだわ」


 実は古書店『ふしぎのくに』はココアに煩い。神様とヘカは森永のミルクココア。セシャトはヴァンホーテン。そして、トトはヴァローナのココアしか口にしない。



「さて、では何処からお話ししましょうか?」

「キャラクター紹介からしてはどうだっ?」



 神様の申し出にセシャトはふむと、小説ではなく、キャラクター紹介。ここでセシャトは長いため息をつく。



「きっと私は出雲恵未さんとは楽しいティータイムを過ごせそうですねぇ! 神様が毎年神無月に行かれるのが確か出雲ではありませんでしたか?」

「うむ、毎年、あほ神共がねるとんしとるの」

「「ねるとん?」」



 セシャトといろはは知らない。そんな古めかしい言葉。神様は少し水をさしたかとこのキャラクター紹介について語る。



「本作は多分、読んでいると潤がメイン主人公のように感じる読者がおるだろが、一応記載にある通り泰騎が本編通しての主役なんだがの、扱いに困った主人公といったところかの、天才バカボンはバカボンのパパが主人公みたいなの。ただ、泰騎は嫌われない主役ではあると思わんか?」



 神様は面白いことを言った。嫌われない主人公とはなんの事か? 何度も語るが万人に受ける作品というものはない。人によれば、好きだと言うキャラクターも人によれば気に入らないと言われる。泰騎に関して言えば、ややチャランポランな性質が苦手という人にしても、芸術肌であると言う免罪符があり、実のところいい兄貴分であり、少年のような幼い面も持ち合わしている。そしてメインの主役なのにそこまで前面に立っていない。



「あー、神様の言う事少しわかるわ。潤がより引き立つのね? そして潤も嫌われにくく映るのね」



 セシャトはどちらかといと、こう言う数学的な芸術創作の話は得意ではない。キャラクターの配置や掛け合いで物語をよりよく面白くしたり、足し算でディスアドバンテージを減少させたり、この類の手法について語ると今月一杯では足り得ないのでこの辺りで話を変えたいと思う。



「そう言えば本作は製薬会社を主にしていたのよね? 昔、いろはも何処かの製薬会社にいたのよ。そこでは毎日毎日、痛かったり苦しかったり、熱くなったりするような薬を次々に飲まされたり、身体の臓器をありえなところで繋いで見たり、毎日泣いていたわ。それで私は実験動物。ビースト、そんな私を拾ってくれたのが総帥……この作品が好きなのは、なんだか思い出すからかもしれないわね」



 さらっと凄いことをいういろはだが、神様もセシャトも古書店『ふしぎのくに』には何か特別な理由を持った人々がやってくるのでもはや驚きもしない。



「女の子に大人気の潤さんの血液型がこの第二章でO型である事が分かりますね! 昔はO型はどの血にも輸血に使えると言われていたが、眉唾もいいところでした。現在は同じ型以外の輸血は基本行われません」

「ある法則を知らない愚か者がたくさん血が固まる事件を起こしたらしいわね。ちなみに、とっても苦しいわよ。別の血液を流される拒否反応。後、杉山の集中すると口が開く人間は受け口になりやすいから、顎の強制が必要よ」



 それ多分、全部いろはが人体実験で学んだことなんだろうなとやや暗い雰囲気が流れる。それに気づいたいろは笑って手をふる。



「そんな暗い顔しないで! 総帥にお願いして、研究所の人々はもう地面の下だから」

「殺したのか?」



 神様がどストレートに聞くので獣のような瞳を見せていろは嬉しそうに嗤った。それは狂気的に……クリスの笑みに似ている。



「これ、いろはの十八番の冗談! みんな総帥の地下研究所でお仕事してるわ。いろは晴れて爆弾魔になれたのよ。P×Pで雇ってくれないかしら」

「爆弾魔さんは……その、どうでしょうねぇ……」

「爆弾を使った暗殺だってあるんじゃなくて?」



 あー言えばこう言う。重工棚田の関係者あるあるである。とにかく口が減らない。セシャトのようにおしゃべりが好きな人間は楽しいのだが、一般的には神様のような反応になる。



「小娘結構ウザいの」

「黙りなさい! 自称神」

「あらあら! そう言えばP×Pで働くというと、よくアヌさんがP×Pに転職させてもらいますって仰ってますね!」



 口癖のように大人はそう言う。作中におけるP・Coの福利厚生は喉から手が出るほど羨ましい。よく考えられている会社としてのリアルさもまた大人達が楽しく読める部分なのかもしれない。



「時にいろはさんは朝食はガッツ派ですか?」



 社長が健康診断の日に朝食を食べてきたと言うそんな一節について、セシャトはなんとなく聞いてみた。



「そうね。ご飯派だけれど、お味噌汁と生卵、アジの開き、納豆におしんこ。一時間くらいかけてゆっくりたべるかしら?」



 重工棚田は食事を楽しむ傾向にある。少し神様はクリスの面倒を見ていた時期があった。とにかく食事時間が長い。シエスタの時間より長い。ちなみに、朝食を食べないのは体に悪い。とよく言われるが、時間をかけないで食べる朝食より、朝食を食べない方が体にいいのは豆知識である。



「あらあら、スローイーティングは健康に良いと言われますからねぇ!」 

「セシャトさんはどんな朝食なのかしら?」

「そうですね。前日の残り物を頂く事が多いですよぅ! 時間がない時はヨーグルトや、フルーツサラダなんかで済ませちゃいますけど!」



 はい、あざとい! セシャトさんにミーティングで朝何を食べるかと聞くと、歯が浮くようなあざとい食材の名前が並ぶ。



「一応聞くけど、自称神様は?」

「私か? いろいろ食べるの。今日はチキンラーメン、ハンバーグ、コロッケ、シャケの塩焼き。おにぎりにジャムパン。シーチキン缶にランチパック。後フロストコーン。ドーナッツとかも食ったの」



 神様、大喰らいであり、朝食と昼食、なんならおやつの境目もない。常に何か食べている。



「自称神様、年取ると生活習慣病になるわよ」

「いや、私は貴様らより遥かに年取っておるのだがな……ほれ、そう言えば通常採用の人間が行方不明になるとか……これもしかして岡山の某所のネタかの……いや、考えすぎかの」

「気になるわ。何それ?」

「私もですねぇ! なんのネタ、あるいはお話しでしょうか?」

「いや、知らんのであれば気にするでない」



 昭和時代。とんでもない国営の場所があったと言う事だけ記載しておこう。調べれば見つかるかもしれないが、胸糞悪いのでオススメはしない。



「それにしても、この作品に出てくる連中は男も女も、賑やかな奴が多いの。悪く言えば、みな少し変態だの」



 神様が行ってしまったそれにセシャトは「あらあら」と、そしていろはは……その言葉を聞き捨て鳴らなかった。



「は? 何言ってんのアンタ! 何が自称神よ! なんの神よ? 変態じゃないのよ! 愛が深いのよ! なんでもかんでもイデアに関してリビドーと結びつけるのは日本人の悪いところよ! そもそも、変態の定義って何? 各種性癖ですら一週間以上同じ症状が続かなければ認められないのよ? アンタバカァ?」



 いろはが鼻息荒く、説明を繰り返すので流石に聞くのが疲れた神様はいろはに話す。



「わかった。わかったぞ! 変態ではないの! 確かにそうだの! セシャトは狂ったように甘いお菓子ばかり食らうて妖怪甘味狂いだし、ヘカはヘカでエナジードリンクジャンキー、トトは女の子に目がないしの、これらも変態と言われてしまえば変態だしの、二人は摂食障害の一種で一人は性癖か……いずれにしてもまぁアレだの……」



 神様の弁解にセシャトは笑顔を神様に向ける。そして一言。



「明日から一週間お小遣い抜きですねぇ! 私のことをそんな風に見られていたんですねぇ……とても心外ですねぇ」



 一週間、神様がお小遣い抜き。それに神様は冷や汗を流す。毎日お菓子を食っちゃ寝しているが、それが神様の楽しみ。それがこれから奪われる。


「セシャト、さすがにそれはいかんであろ? のぉ……」

『ウサギ印の暗殺屋~13日の金曜日~ 著・三つ葉きあ』皆さん、来月。本作が完結する模様です。まずは東方と一緒に復習と予習をしませんか? 心躍り、そして少し幸せになれる本作の余韻を美味しいココアといただきましょう!

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