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セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第八章 特別編・これが紹介小説の全貌だ! by・名も無きライター
69/90

第七回 ふしぎのくに会議・例

さて、師匠ちゃんさん、なんとか最終納品も終わり、明日最終話をUPできそうです! 皆さん、12月~1月、なにかがおきるようです。私達の古書店『ふしぎのくに』選択の時だそうですよ!

 楽しみですねぇ!

「では、第七回ミーティングを始めます……セシャトさんが風邪を引かれたので、今回はまさかの名無しが進行をします。セシャトさんは聞き手に回りますのでしゃべらさないようにお願いしますね」



 はい、セシャトさんが大風邪を引きました。本来であればヘカちゃんあたりのロリボイスでミーティングが展開されるハズなんですけど、なんで? 

アヌさんあたりならなんでや! みたいな状況でしたけど、シアさんが二度とライターもミーティングにも参加する事がなくなるかもしれないので思い出の一つに進行もすればとか不吉な事を仰られるので僕が行いました。このミーティングのややこしさ……テレビのMCってよくまぁあんなに拾えるなぁと思えるのがこのミーティングの進行係。


 今まではスカイプチャットだったのがズームなどに変わったんだけれど、みんな好き放題話をしている。

 あのお店のパスタが美味いだの、あの映画が面白いだの、そこら中で缶ビールのプルトップを開ける音が聞こえる。



「名無しちゃん、かんぱーい!」



 ダンタリアン氏が、すぐに出来上がって大声でダーンターリあーんと何度も叫ぶ。ヘカちゃんはモンエナを開けて全然関係ない作品の考察をウマが合うメンバーと話す。そして遠くから聞こえる何かを炒める音。



「チャーハン作ってきた。あれ? まだミーティングはじまってないじゃん」



 と師匠ちゃん。うん、お前達だよ! お前達が自由奔放すぎるから始まらないんだよ。ここで怒ってもカルシウムの無駄遣いになりそうなので、気を取り直して進行を続ける。



「皆さんに決を取りたいんですが、最終は次の紹介につなげる形にするか、一作としての完結を重んじるか考えてくれましたか?」



 今回はオチづけをどうするかと言う事を決める日なんです。紹介小説だろうと普通の小説だろうとオチは大事です。実はこれはどこかで話されたらしいのですが、紹介小説って全部パラレルワールドとして展開していて他の作品時の設定と大幅に違ったりする群像劇であったり、サザエさん方式であったりする中で同じ世界軸で動いているものがあります。これは出演している準レギュラーの成長具合だったりである程度割り出せると思うのですが、これを古書店『ふしぎのくに』としては設定を泳がせると呼んでいます。その世界設定におけるルールさえ守ればどう動かしても構わないと言った感じでしょうか?

 そこでこんな議論が生まれます。



「じゃあ、今回はガンマのベース上からはみ出さない中で、ベータ上のベースに交差させていると言うことでおk? セシャトさんが、ブックカフェへの認識が低い状態と思われているのに、汐緒の事を知っている事への説明がつきにくです」

「確かに確かに、この関係性だと大友とか文芸部の生徒の事も知らない状態じゃないとおかしいよね」 



 何言ってんだ? 

はい、紹介小説を書いているとは思えないライターの発言になりますが、本当にこれ、彼らは何を言っているの? 僕の頭の中では白日が流れます。でも「なるほど!」とか「うーん」とか相槌を適当に打って話を僕は合わせていました。あとで指摘されて読み返すと、確かにそう言う事かみたいな部分があります。

本来ありえない同じ同一人物が物語上にいたりするのは別世界と別世界の交差している時が稀にあるみたいな。別の紹介作品で初めて登場したレギュラーが、他の紹介作品に出てきたりしてもキャラクターが微妙に違ったり、全く違うことがありますそれはいわゆるスターシステムという物を多用しているので、逆に言えば、前に出てきた人だくらいの認識を残します。


作家によって受け取るキャラクターの性質が違うので、ベースだけは存在していると言うことになります。逆に言えば固定観念がついてしまったレギュラーにはこれが合わせにくい事にもなり、複数人でブレを指摘し合います。



「石川さんってどんな人でしたっけ?」



 とか……



「秋文君の先生いつ出てきました?」



 とか……



「ミレーヌさんって誰でしたっけ?」



 そんな会話をしながら、認識をあわしていきます。Web小説に限らず、メインよりも準レギュラー達の扱いをシビアに研磨していくことが大事なんでしょうね。



「今回ですけど、××デトさんをここで本当に投入するんですか? だってこの人、オルタナティヴセシャトさんですよね?」



 師匠ちゃんさんは、喫煙所に行くと甘い香りのするタバコに火をつけてゆっくりとケミカルな色をした煙を吸います。古書店『ふしぎのくに』のメンバーでタバコを吸う人は電子タバコも含めて師匠ちゃんさんともう一人だけなんです。結構すごいですよね? 僕も文章を書くブロガーですけど、そう言えばタバコは吸わないです。師匠ちゃんさんは他のみんながタバコを吸わないので、対面のミーティング時はどれだけ長くても一本と決めてるみたいです。


 あと、可愛い女の子が大好きなので、喫茶店やカフェで可愛い女の子がいたらチップを払います。何人だよホント。

 第七回ミーティングでは、大体のベース作品の不自然な部分も大体発見されるので、お遊びがすぎます。レラちゃんがふと聞いたこの一言。



「そうそう! 大友の恋愛感って普通なのかな? 実は漢気があるんでしょ? だとしたら、硬派だったりするのかな?」



 大友君は平成生まれの令和の男の子。化粧もするし、可愛い自分が好き。でもゲイと言うわけでもなく女の子が好き。



「びえん、超えてぱおんとか言っちゃうのか?」

「案外、付き合った女の子に謎のポエム集を送っちゃう痛い男子とか?」



 皆さん、紹介小説に選ばれた作品はこんな感じで作者すら絶対に考えない謎の考察をみんなが始めます。



「逆に、大友を口説き落とせる女の子、嫁になる子ってどんなやと思う? ワシは案外、大友は胃袋を掴まれたらコロっと落ちるんちゃうんか?」



 これは皆さんに僕の拙い文章では伝えきれませんが、話している内に、紹介作品のキャラクターが本当に知り合いとしているように彼らは語ります。姿がどんどんとはっきりと見えてくる。

 催眠術にかかったような気持ちというのでしょうか? 僕はここで同化という物を初めて知りました。とある作品のお話になるのだけれど、Web小説に出てくる某企業が本当に存在するように、剣によって作られた世界がどこかにあるように、門の先に評定者が待っていて、優しい静かで頑張り屋な女の子が塔にいるんだとか、現実と妄想がごっちゃになって見てくる。セシャトさんに初めて言われたのだ。


僕らは古書店『ふしぎのくに』という場所では名は残らないし、誰からも評価される事はないし、評価すべき事でもない。だけれど、誰よりも作者と読者の近くに入れる場所で作品を応援できるのであると……いつかバトンをつなぐ時が来た時、お祭りが終わるように楽しくみんなで昔話ができるように、それが古書店『ふしぎのくに』という場所だそうです。書いている作者をある意味、越えるくらいの気持ちで、別世界線の作者になった気持ちで僕らは紹介する作品を読み楽しむ。

 すると、ドーンと頭に鐘の音が響き渡るように新しい景色が見えてくる。それを人は評価と呼ぶのかもしれないし、もしかすると批判と呼ぶのかもしれない。そう、ドーンとね。



「じゃあ、未公開物読みこむ?」



 えぇ、未公開物という作品があります。それは、紹介作品の○○さんヴァージョンというものがあります。本当に頭から冒頭までをバストさんヴァージョンとか、レシェフさんヴァージョンとか、ヘカちゃんヴァージョンとかがあります。聖剣物語、伝説のアヌさんが関わっていたヴァージョンとか僕はここで知りました。

 で、今回は名前だし禁止の古書店『ふしぎのくに』ライターさんヴァージョンの『詩が二人を分つまで』の冒頭をご覧ください。


 では、3、2、1。はい!

 



「ねぇ、大友君。愛してくれる?」

「あぁ」



 俺は彼女が最後に「嘘ばっかり」と呟やいた時の、あの勝ち誇った顔を永久に忘れないだろう。そうだよ。嘘だよ。

 大好きだったかもしれない。でも愛する事ができたのかと聞かれるとそれは……一番だとは言ってやれない。

 どうして俺はこの紅い弾丸を手に入れる為に、世界に一人しかいない君を失ったのだろう?


 欺瞞と苦痛と、悪意に満ちたこの世界で、俺は同じく穢れていく。世界なんて愚か者達の寸劇だ。そして俺はその世界で名前のない村人になる。

 好きな人や好きな事を全て捨てて、家族兄弟も見限って、獣になる。白いリボルバーに紅い弾丸を込めて何も考えずに、引き金を弾く。それは命を奪う音。慣れてはいけない音。


 かつて世界を救った英雄の頭を吹き飛ばし、動かなくなったその勇者の成れの果てを見て人しれず泣く。俺は誰も殺したくはない。でも殺さねければ母ちゃんは戻ってこない。たくさんの屍の上に生き返った母ちゃんは俺を褒めてくるだろうか? それとも、そんな風に育てたつもりはないと罵るだろうか?



「終わったの? 大友」



 長い髪、そして独特の香りがする獣の耳を持った少女が俺にそう言うので、俺はこの少女を無言で抱きしめた。彼女はペル。俺に依存し、俺も彼女の温もりに依存している。絶対に長くは続かない共依存かもしれない。唇を交わし、夜が開けるまで抱き合って眠らないように、目を瞑る事に恐る俺たちを慰め合う。



「大友、もう殺さなくていいよ。もう止めよう? こんな事はしちゃいけないよ」

「そうだな……ヤメれればどれだけいいだろう? ペル、止めれるかな?」

「止めたいの? 止めたいんだよね? 止めようか?」



 優しいペル、彼女は世界全てが俺の敵になったとしても俺の横にいてくれるだろう。俺が、狂わせてしまった女の子。



「うん。止めよう」



 ペルは俺の頭に銃をつけ、俺もペルの頭に銃口を近づけた。多分、俺はこの子を愛していたのかもしれない。



「「詩が二人を分つまで」」

やぁやぁ! 名無しです。最近ファンが出来ました。嬉しかったです。こんな僕の駄文の中で、あの作家さんがまさかの『詩がふた』を書いてくださいました。文章表現が今までの古書店『ふしぎのくに』ベースじゃないですから、バレたかもしれないですね。次回、僕の紹介、最終回です! 長らくお付き合いいただきありがとうございます!

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