表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第四章 特別編・書籍版『婦好戦記~最強の女将軍と最弱の巫女軍師~ 作・佳穂一二三 画・マキムラシュンスケ』宙出版
34/90

歴史の類似性 神話や昔話の類似性

こんにちわっす! バストっす。ふしぎのくにから給付金をもらったっす。最初に3万円、で続いて二回目の3万円っす。自分とアヌさんとシア姐はこれらの受け取りを拒否したんすけど、自分達が受け取られないと他のみんなが受け取れないという事で、ありがたく頂いたっす。ダンタリアンさんは高いお酒を買ったみたいっすよ! シア姐さんは馬刺しを頼んだらしいっす。自分はそうっすね・・・・・・色々買いたかった本や資料集を購入させていただこうと思うっす!

「うぉぉおおい! 一二三少年! どら焼き食おうや! がっはっは! わし、文無しやからばっすんのおごりな! それ喰いながら神宮さん参ろうや!」



 アヌさんは本当によく食べる。そしてよく笑う。アヌさんにそう言われて、バストさんは懐から財布を取り出す。どら焼きをバストさんが人数分購入して配ってくれるのでその辺に腰掛けて僕等はそれを頬張った。



「なぁなぁ、一二三少年。気になる女の子とかおらへんのかぁ?」



 アヌさんは中学生みたいなテンションでいきなり恋バナを始める。バストさんははぐはぐと美味しそうにどら焼きを無心で食べる。バストさん、甘い物好きなんだなぁ。恋愛、恋愛か・・・・・・僕が好きな人。いたのかもしれない。そもそも好きという気持ちがあまり分らない。



「嬰良の兄ちゃんは、サクにめっちゃ惚れとるのぉ。サクは可愛いもんな! 惚れるっちゅーのは人間専用の感覚や、可愛い、綺麗、面白い、優しい。色々あるんやろ。嬰良はサクに魅力を感じとる、そして全く同じ感覚で、サクは婦好に魅力を感じ取るわけや」

「それって、違うくないですか?」

「アヌさん、自分もそう思うっす。婦好さんはある種、自分の知らない異文化に興味を持ち、愛で、愛してるんじゃないすか? 方や嬰良さんは、一人の女の子としてサクさんを好きになってるんすよ」



 僕もそう思う。確かに、婦好はサクの愛らしい部分も好きなんだろけど、それ以外の多くを婦好は・・・・・・



「サクが単純に女の子として可愛いと思うのは、サクの魅力であり、才能やん? それと同じで、サクが婦好に魅力を感じるのは、恋愛的感情以外に、自分が自分らしくあれる場所を見つけたからなんやろな。サクは今の時代におったら仕事しすぎて身体壊すタイプやでしかし! 嬰良、こいつもえぇキャラしとるよな? 本来なら、権限で手篭めにできなくもないやろ。婦好と勝負してサクを手に入れなアカン。男として見栄はっとるやん。ワシは応援しとうなったわ! ほな、手洗って神宮さんいこか、ほれ一二三少年!」

「ぎゃ、ぎゃあああ! 何するんですかぁ! アヌさん」



 アヌさんは僕をひょいと持ち上げて肩車。こんなの恥ずかしいよ・・・・・・あっ・・・・・・そういう事か・・・・・・鳥居の前を親子連れは肩車をして通る。神の門に少しでも我が子を届かせようとする。僕の願いを叶える為に、ダメだ。

 何故か泣きそうになる。

 僕は無意志にアヌさんの獣の耳みたいな癖毛を掴んだ。

 むにゅ。



「ふぇあああ! そこ触ったらあかぁあん」



 耳だ。動物みたいな・・・・・・えっ? えぇ? アヌさんの耳みたいな癖毛は耳なの? えっ?

 そんな僕等を見つめながらバストさんが次は語る。



「命の無駄使い、その存在意義を捨てるっすか、長く儒教や仏教を学んできた中国や日本がこの考えを捨てるのは実際随分時間がかかったっすよね。サクさんの戦略が命を救うのか、楽しみっす」



 にんまりと笑う。バストさん、このバストさんなら果たしてどうやって第八隊を守るのか? 僕は聞いてみたくなった。



「バストさんなら、どうやって第八隊の女の子を守りますか?」

「そうっすね。白装束を着せて、敵の前にさらけ出させて舞わせるっす」

「えっ? それじゃあ、みんな死んじゃうじゃないですか!」



 死を救いとバストさんは考えるんだろうか? バストさんは明治神宮の中でとろこてんと書かれたそこを眺めながら僕にウィンクをした。



「ゴキブリほいほいっすよ。呪いの少女達を恐れる、畏怖畏敬はあったにせよ。戦で簡単に殺せる相手は、ある種のモチベーション維持にもなるっす。そんな簡単に殺せると思ったそこで、落とし穴なのか、足をくじくものなのか、罠を仕込むんすよ。第八隊の少女の中に何人か戦闘部隊の少女を紛れさせて、あとは分るっすね? 巫女による虐殺、まさに呪いっすね」

「怖っ! バストさん、怖すぎますよ」

「槍なら扱えなくても刺せば殺せるっすからね。で、殺した兵から武器と武具を逆に奪うんすよ罠は戦車の牽制にもなるっすからね」



 境内までの道を婦好戦記の話をしながら僕等が進んでいると、可愛い巫女装束の女の子が箒で掃除をしながらこっちを見ている。



「ばっすーん! 一二三少年。巫女さんや巫女さん! しかも異国の子やん! 行ってみようや!」

「舞子さんにテンションあげる旅行客みたいっすよ。アヌさん、恥ずかしいっす」



 巫女さんの前に来ると巫女さんはアヌさんとバストさんを無視して僕を見つめる。なんだろ。この巫女さん・・・・・・。



「あなた、よくない者を二人連れてますね」



 逆さ箒。帰れという意思表示。それにアヌさんは面白そうに笑う。



「なんや、異国の姉ちゃん。お前も似たようなもんやろ? ワシらはここに呪い師探しにきたんや。『婦好戦記』のオリジナル取り戻す為にな」

「私は、この明治神宮の茶屋に取憑くブラウニーです。我が主が、本を取り戻す旅をしているお三方が来たら持てなすようにと命じられています。こちらへ」



 お茶屋さんについていく間。僕はブラウニーさんにも婦好戦記の話をせがまれたので今までのお話を端的に伝えてみると、ブラウニーさんは表情を変えずにこう言った。



「ブーティカ様のような方ですね。その婦好様という方は」



 ブーティカ女王、異民族を束ねローマと最期まで戦ったブリテンの騎士女王。確かに、婦好と通じるところがある。

 でもその最期は・・・・・・



「まぁあれや、婦好はどちらかといえばブーティカより巴御前やな。歴史上と言うべきか、伝説上は最強の女戦士。おったかどうか分らん分。ひょっとすると、巴御前は昔の人が婦好伝説を聞いて後々生み出した存在かもしれへんな」



 確かに似通っている。武も政も優れた。突然現れた巴御前という女性のあの信じられない伝説。確かによくできすぎている。



「婦好。女性を愛するという意味っすよね。あまりにもなんでもできすぎる婦好。それらの事を巴と言うっす。木曽義仲は恋してたのかもっすね。遙か昔の大陸で語られた伝説の女将軍に、自分達がこうして平安時代を思うように、平安の人が古代大陸を想ってもおかしくはねーっす」



 ブラウニーさんもアヌさんもバストさんも歴史考察をするの好きだなぁ~それもファンタジーを絡めるんだ。でも、世の中はシナジーで出来ている。昔話や宗教観が世界中でにかよる用に、源流があってもおかしくないか・・・・・・

 そんな風に僕等は遙かなる時に馳せた英雄達を想いながら、ブラウニーさんに連れられた茶屋へと僕等はやってきた。



「お待ちしていました。お三方、私は吏凜。大友吏凜と申します」

「大友ってあの男女の関係者か?」



 アヌさんの質問に吏凜さんは不思議そうな顔をする。



「その方は、存じませんね」



 吏凜さんはお茶屋さんで、お団子を食べながら僕等を出迎えてくれた。吏凜さんはアヌさんやバストさんよりも少し年上の落ち着いた男性だった。



「ブラウニーさんが、不思議な方々が来られたと仰っていましたので、是非私の星見をとわざわざこちらに来て頂きました。一二三さん、手を」



 僕の名前を何故? でも嫌な感じはしない。手を伸ばし吏凜さんに触れる。



「呂鯤さん、酷い事をされる方だ。そして今の大陸の民間信仰に通じるお考えをお持ちですね。さて、戦は一つの政ではありますが、病のようなものです。長引けば、いずれ荒廃し死に至る。できる限り早く終わらせる事こそが理想なんですよね」



 吏凜さんは僕の手に触れて、信じられない事に僕の心を読んでいる? そして吏凜さんは泣いた。僕ですら、作品として胸を痛めただけだったのに、あのキビという少女の死に胸を痛め、ブラウニーさんは黙祷を捧げている。

 その余韻は何か一つの儀式のようだった。それをアヌさんとバストさんは知っている。僕に分るように言の葉に乗せた。



「すげぇなこの兄ちゃん、たった数分で同化しよった。それも結構深度が深いのぉ」

「凄いっすね。自分達でも中々こうはならねーっすね」

「二人とも、同化ってなんですか?」



 また僕の知らない言葉だ。でもなんだか知っているような気もする。そんな僕を見てブラウニーさんが顔がくっつくくらい僕を見つめる。



「なんですか? ブラウニーさん」

「・・・・・・いえ」

「ブラウニーさん、一二三さんはオヤツじゃありませんよ」



 おやつ? えっ? どういう事? そんな混乱する僕の頭をアヌさんは撫でながら話してくれた。



「あれや、物語に夢中になる奴の事や、そんで少し病的に夢中になる奴は文章から情景がうかぶ、なんなら意識がそっちに行く、さらには作品そのものと同じになる。即ち同化やな、ワシ等書籍に関わる連中が一回は経験しときたいもんや。麻薬の千倍はキマるっちゅー話やでっ。で? 同化した兄ちゃんは、一二三少年から何を見たんや?」



 吏凜さんは、ゆっくりと僕等を見て、そしてお茶を一飲み、ブラウニーさんは僕等にも濃いめのほうじ茶と口汚しのお菓子を用意してくれる。



「一二三さん、あなたからは二人の女性を見ました。そうですね。同じ場所にいないのに、何故か同席し言葉を語り合っている仲睦まじい二人です」



 抽象的すぎる。何言ってるのか全然分らない。でも吏凜さんは核心をつくような事を続いて話してくれた。



「一二三さんから本を奪った方は、一二三さんを待っています。いずれ彼女と一二三さんは出会う事になるでしょう。夢の続きというものは意外とすぐ近くにあるものなんです」



 あの人と僕はまた出会う。何の為に? 僕から本を奪ったのに、どうして? 今は分らない事ばかりだけど、アヌさんとバストさんと出会って、東京の優しい人達の力を借りてあの女の人のしっぽがようやく掴めそうだ。



「吏凜さん、僕達は次、何処へ行けばいいんでしょうか?」

「文字を人は作りましたが、それよりも先に言葉を作りました。言葉は炎と共にやってきて、それは電気のように伝わっていく事でしょう。ブラウニーさん、お三方を出口までお連れしてあげてください。彼らは電気の街、アキバガハラへ行かなくてはなりません。そこで別れがあるかもしれません。あるいは、出会いがあるかもしれません。私の星見で見れる事はここまでです」



 僕は吏凜さんにお辞儀をする。



「吏凜さん、ありがとうございました」

「いえ、星見のお礼は先ほど少し垣間見させて頂きました本で結構ですよ」

「必ず送ります」



 明治神宮から出る間、ブラウニーさんは僕の手を繋いで離さない。なんだか、力が抜ける。鳥居までやってくると、ブラウニーさんは僕等を見送ってくれた。

 あれ? なんか、眠たい。



「ごちそうさまでした」



 ブラウニーさんの言葉と、アヌさんが「一二三少年っ! 気をしっかりもたんかーい!」と叫ぶ声が・・・・・・

おいっ! 今回の執筆もばっすんやねんけど。これ何してるか? 分るか? 今回は紹介小説やないねんな! 今回はある一連の流れなんやで! 一二三姉さんのごっつ素晴らしい小説をわざわざワシ等が紹介せんでもおもろいのはわかっとるやろ! まぁ、今回はストーリーラインをシア姐さんに組んでもろて、ワシの推敲。ばっすんの執筆。もう殆ど、出版物レベルやでぇ! 一二三姉をセシャトさんとばっすんで取り合うSSがあんねんけどな。まぁまた機会があったらアップするわぁ! あと2話で完結やけどぉ! 明日もげんきにぃ! おべりすくぅうう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ