表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第三章『モノクロームアトラクト~白黒世界で彼らは踊る〜 箸・汐 穹臣』
24/90

子供の教育の仕方・悪党とヒーローの境目なん

ええっと、私がライターさん達のデータを大幅に削除してしまうというとんでも事案を起こしてしまいました。データ復旧作業が出来る出来ない以前に、公開しなければいけない直近の物に関して多大な迷惑をかけてしまいましたよぅ。サタさんの調査費用とライターさん達への再依頼など。散財しました><

「神様の娘と、成長したあとり、乗れ!」



 そう言って木人はトライクを用意してきた。トライクに三人乗り、バイクでは許されないが、トライクではそれが出来る。ヘカは堂々と当たり前のように後ろにタンデムするので、ハチドリもそれに続く。二人が乗ると、木人は立ち乗りをしながら二人に言った。



「知っているか? 霊や妖怪がいるかは分からないが、怨霊は現実に存在する」



 木人が面白い事を言う。この惑星の人間ではないハチドリには理解ができない。そしてヘカは少し興味深そうに聞いた。



「木人ちゃん、話してみるん。どういう事なんな?」

「あまりにも他者を怨んだ者は、後世まで語り継がれるものだ。(おれ)の国も、この国も心神深いからな、だから先祖の墓参りをするだろう?」

「あぁ、そういう事なんな! 滝廉太郎の最後の曲もそうなんな」



 今現在、霊や妖怪はその存在を明らかにされていないが、人の怒りや憎悪というものがいかにして恐ろしいものであるかは、生きている我々がよく知っている。

 偶然起きた災害や、偶然起きた事故ですらそれらに人は結びつける。それを謂れ、畏れ、そしてその想いの事を怨霊と言う。



「そんなものが形となって、本当に人を襲う、このモノアト世界は、(おれ)達の世界の鏡みたいなものかもしれないな。深淵を覗けば」

「深淵もまたのぞき返してくるんな!」

「おまえ達。少しここで静かにしてろ」



 木人は運転席から降りると、顔色の悪い男女に向かって走る。それを見ながらヘカはハチドリに言った。



「ヘカ達は木人ちゃんの身体能力のチェックでもするんな! 人間離れした木人ちゃん。あれで人外化生と戦える力があったら、すぐにでも対魔教会か、それとも鵺や鳰の背中を守れるん」



 垂直にあげた足をそのま鞭のように振り下ろす木人。この男女もまた、ハチドリの言う異星人によって感染してしまったゾンビのような状態なんだろう。木人は中国憲法のような構えを取ると、正中線に四連撃をたたき込む。操られていようがいまいが、身体が動かなくなるその攻撃に顔色の悪い男女は倒れ、木人はとんだ。



「ヘカ殿! 木人殿飛んだぞ!」

「飛んだんな! もう絶対出る作品間違えてるん」



 高く飛び、そして遠く離れたヘカ達のトライクの運転席に舞い戻る。そして何事もなかったように木人は運転を続けた。



「木人殿は、あとり達と一緒に戦えるんじゃないのか!」



 興奮してそう言うハチドリに木人は目を丸くして、小さくフッと笑った。



「最近、(おれ)は作品を読む毎に思うのだ。物語のキャラクターと出会えたら嬉しいだろうなってな。冗談が過ぎた。先を急ぐぞ!」



 ハチドリは、唐丸があだ名をつけるという事に非常に興味を持つ。



「におたんにあとりん。ヘカ先生のあとりたんもだけど、これは何なんだ!」

「萌えなん」

「萌えだな」



 ヘカと木人が即答する。ヘカは木人の背中を嬉しそうに眺める。きっと木人もいい顔をしているのだろう。



「なんだそれ? 萌え・・・・・・萌える。兆しがあるという意味か、すごいいい言葉だ!」



 その萌えるの使い方は死んだとヘカは言いたかったが、やめておいた。今は愛着や強烈な好意や愛らしさに対して使われる萌えだが・・・・・・本来の意味はもう少しばかり尊い。あとりと唐丸との絡み、これは様式美である。



「年上は結局年上なん。唐丸たんはあとりたんのよき先輩であるんな。そこには強い弱いじゃないん。この作者、もといヘカのもう一人の親の細かい造形には脱帽ものなん! まぁ、ヘカも同じ事できるんけどな!」



 ヘカの大いなる見栄に対してハチドリは驚き、木人は鼻で笑う。そんな二人にハチドリはこう言った。



「我が輩もあだ名を二人につけたいぞ!」

「木人殿は・・・・・・もくたんだ」

「木炭?」

「ヘカ殿は、へかりん!」

「なんか分からないけど、いやなんな! たんやりんをつけるだけがあだ名じゃないん!」



 ハチドリは理解に苦しむ顔を見せる。愛すべき馬鹿であるハチドリはヘカに無理難題を問いかける。



「じゃあ、我が輩にあだ名をつけてほしいのだ!」

「なんという、無茶ぶりなんな!」



 そんな二人の掛け合いの中で木人が言う。



「ニィア、なんてどうだ? ハチドリは、(おれ)の国ではファンニーアという」



 ニィア。中々の可愛さ。それにヘカが言う。



「いきなり主役級みたいな名前になったんな! ヘカほどじゃないんけど、ニィア、可愛いん!ハチドリちゃんっぽいん」

「ニィアか! 我が輩のあだ名、いいぞ! もっとやれ!」



 何を! というようなハチドリの発言に苦笑してヘカは目にとまったコンビニを指さすとヘカは大きく口をあけて笑う。



「何か喰うんな! この作品はヘカがよく食べる物がよく出てくるん! さすがにチョコレート味はないんけど、このアップル味とか、別メーカーのプロティン味とかは自転車レーサーなんかも多用してるんな!」



 ヘカが購入したそれは、コーラにゼリー飲料にそして・・・・・・コンビニおにぎり。それをハチドリと木人の手の上に乗せる。



「日本、古来から伝わる栄養補助食品おむすびなん。放浪の剣客なんかが、弁当に持ち歩いてるんな! 木人ちゃんはカップ麺なんな? しかも激安の」

「あぁ、これが一番好きなんだ」



 コンビニの外で腰掛けたり、溜まって食べる。今時の若者は・・・・・・と言われるようなそんな状況でヘカは唐丸の教え方に関して二人に語る。



「まーちゃんは、中々義理堅い奴なん。でも、教え方はクソへたなんな!」



 それに木人はカップ麺を食べる手を止め。その木人の気持ちをハチドリが代わりに口にする。



「ヘカ殿、どういう事だ? 少し厳しめかもしれないけど、間宮という男。中々に見所があるんじゃないか?」



 しっかりとあとりに、基本を教えようとがんばり、うまくあとりを飽きさせないようにご褒美も与えて教えているのだが・・・・・・



「まーちゃんは、カレー食べ放題をあとりたんに提示したんな! これがダメなんっ!」



 ヘカはレッドブルをくぴっと飲みながら二人に実は・・・・・・とヘカは語り始めた。



「このお駄賃戦法は、毎回アメをもらえると思って、同じ物では効果がなくなるんな! どんどん与える物の報酬が上がっていき、実際のところ効率が悪いん!」



 ヘカはふふんとない胸を突き出して、自信満々にヘカは欄に教わっていた事をさも自分が知っていたかのように語る。アメリカの研究機関が統計を出した、物を与えて育てる子供と褒めて育てた子との教育コストとその育ち方の違い。珍しく欄がお酒にほろ酔いでヘカに淡々と語ったその話に木人とハチドリも耳を傾ける。



「あとりのような無垢な子には良い教育方法ではないと言いたいのか? 深いな」

「ヘカ殿すっげぇええ!」

「それほどの事、あるんな! ヘカに何でも聞くん!」



 ヘカがコーラの蓋を開けたとき、木人はヘカの首根っこを掴むとトライクに放り投げる。



「なん! 何するんなっ!」

「ニィア、お前も乗れ、よくない者が近い」

「お、おう! ヘカ殿。大丈夫か?」



 頭からコーラをかぶったヘカは頬を膨らませ、激おこの状態だったが、木人はそんな事を気にするわけでもなく運転を続ける。



「基礎訓練は大事だ」



 木人は唐丸の教える訓練について語る。気が遠くなる程それを繰り返した時、無意識に身体はそれを覚える。



「木人殿もそういう基礎訓練を繰り返したんだろうな?」

「嗚呼、もう覚えてない程。人を殺す練習を繰り返した。(おれ)の覚えさせられた事、行ってきた事は何処まで行っても悪だ。だから、鵺や鳰が少し羨ましく思う」



 トライクを運転しながら、ヘカが購入していたウィダーインゼリーを片手で飲み干すとそれをポイと捨てる。それにヘカは大声で怒る。



「木人ちゃん! ポイ捨ては悪党がする事なんよ! 拾うん!」

(おれ)は悪党だ」

「違うん! ヘカやハチドリちゃんを救ったんな! ヒーローなん。だから、ポイ捨てしたんを拾うん!」



 チッと誰にも聞こえない音で舌打ちをしUターン。木人は自分が捨てたゴミを拾うとそれをトライクの物入れにしまう。



「しかし、正義の味方もドラッグを使うんだな」

「木人ちゃん、警察っは正義の味方じゃないん。法の番人なんな。だから、鵺や鳰だって、限界を知りながらそれでも、抗うんよ! 牙無き者の牙になるためになんな! 世の中は捨てたもんじゃないん。力ある者はたいてい、力無き者の為の盾になるん。人より強い力を持ったこの作品の登場人物達は普通の人にはできない人を襲う魍魎を屠るんよ! 木人ちゃんも人より強い力を持ってるん! なら、それをいい事に使うんな!」



 ヘカの言葉を聞いて、木人は再びトライクに跨がる。そしてこうヘカに聞いてみた。



「ノブリス・オブリージュか?」

「そうなん! ノブリスオブリージュなん」

「ならNドラッグとやらも、分かりみが深いな・・・・・・(おれ)も子供の頃、仕事の際はよくアンプルを打たれたものだ」



 腕の注射痕を見せるとヘカは青い顔で言う。



「多分、Nドラッグはそっち系じゃないん!」

「一緒さ。どんな薬だって薬は薬だ」

「森永のラムネで喰ってるん!」



 ヘカに差し出されたそれを木人はザラザラと食べる。もしかしたら、自分もまだヒーローになれるかもしれないと、粉っぽいラムネをかみ砕く。



(おれ)でもヒーローの手下くらいにはなれるかもな」



 ようやく目的の場所にたどり着いた。ニュー秋葉原センター、そしてその大きなコインロッカー。トライクを適当に止めると木人は一つのロッカーをたたき壊した。



「ここだ」

『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』三連休はモノアト読んで見ませんか? 1話、1話。Web小説の上手な作り方と魅せ方をされています。作品全体を読ませるという以外も1話の何処を読ませたいかという工夫も実に丁寧ですね! それゆえ更新速度は追いやすい頻度なんじゃないでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ