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セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第三章『モノクロームアトラクト~白黒世界で彼らは踊る〜 箸・汐 穹臣』
23/90

鬼について少し深く考えてみるん!

えっと、当方で使用している共有ファイルのデータを上書きしてしまい。20万文字相当のデータを消失させてしまいました・・・・・・その瞬間、私もフリーズしてしまいました。自動バックアップ機能の管理外で行ってしまったので、サタさんが復旧させれるか調べるのも後手になり1週間以上かかるので、書き直し依頼をとの事でした。アヌさんが深夜に目覚めて、バストさんに連絡をしていただき、早朝5時半から執筆作業を開始してくださってます・・・・・・やってしまいました。

「ヘカ殿。一つ質問をしてもいいか?」



 ヘカはドンキホーテの入り口で立ち止まると隈の酷い不健康な顔をハチドリに見せて、それから不思議なくらいに手入れの行き届いた黒いおかっぱを揺らす。



「質問をどうぞなん」



 目が泳ぎながらハチドリはヘカに聞く。



「どうしてヘカ殿は我が輩にここまでしてくれるのか? お人好しにも程があるのではないか・・・・・・よもや聖人の類いか?」

「桜川あとり、いい名前なんな?」



 ヘカはハチドリの質問に答えない。

 だが、この世界の事をあまり知らないハチドリもゴロがあっていて悪くないとそう思った。



「ハチドリちゃんは名前なん? それとも名字なん? ヘカはヘカという名前しかないん。名前は存在する力なんよ」



 ヘカの言いたいことなんてハチドリは理解ができないだろう。鵺がつけた安直な名前。されど、各人の認識としてあとりは、桜川あとりとしてさらにはっきりとした色を持つ事になる。当初は朧のような白い刀と共に駆る何か、それが少女、あとり、そして現・桜川あとりと。



「ヘカ殿、我が輩の質問に答えてない!」



 ヘカには恩しかない。ヘカという少女は損得勘定で動くような感じではない。ならば、何故ハチドリと共に行動をしているのか、今更ながら不思議に思えてきたのだ。



「ハチドリちゃん、鬼ってどんな者か知ってるん?」



 再び話が変わる。そして知るわけがない。ハチドリの中の鬼の概念は『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』の作品の中ではじめて知ったくらいだ。



「とにかく悪い者なんだろ?」

「半分正解で、半分間違いなんな」

「それはどういう事?」



 ヘカはドンキホーテを指さして中に入ろうととジェスチャーをするので、二人はエスカレーターに乗る。



「そもそもの鬼のという者は侵略者の事なんな。まぁ、それは今回のお話にはややこしくなるんからおいとくん。概念として鬼は、力なん。そして人外なん、そして悪の概念なんな? 一つずつ話すと、とても強い鳰も鵺もあとりも、鬼の如き力なん。強い者を鬼人なんて比喩するんよ。ここまではいいん?」



 わかるようでわからないが、ハチドリはとりあえず頷く。そしてヘカは続ける。



「鬼って一般的には角が生えた巨人なんな? これはいろんな宗教感が混じったデーモンに近いんけど、そのデーモンもルーツをたどれば北欧やインドの神々なん。この日本でも鬼と呼ばれる怪物や、神仏のいくつかはそれらのルーツを持ったものがいるん」



 いよいよややこしくなってきたが、ヘカはカロリーメイトを見つけると、それらをぽいぽいと籠に入れていく。



「日本では一番低級と言われている鬼に餓鬼って言うのがいるんな。これなん」



 ハチドリはヘカのスマホで映し出された餓鬼を見て、成る程低級そうだと頷く。そこでヘカはとんでもない事を言った。



「この餓鬼という鬼でも、陰陽術士が束になっても本来勝てない程の化け物なんよ。地獄の獄卒と言って実は賞罰を与える役職を持ったいわば神の一角なん」



 殆ど知られていないが、純粋な鬼という存在を調伏する事ができる術者はいないとされている。待て待て! 役の鬼や、酒呑童子に茨城童子、静御前はどうなるのだとここに欄が居ればヘカに質問した事だろう。



「人間の世にいる鬼は、その殆どが人間の慣れの果てなん。だから口伝で伝わるん。人を殺せば殺人鬼。人を食べれば食人鬼なんな? そういう意味では吸血鬼も人なん。わかるん? 悪に染まった人間はより鬼のような者、そんな領域に足を踏み込んでいるん。で、この作品に至る鬼は、概念的な悪なんな? ヘカは、面白い事が好きなん。そしてハチドリちゃんみたいな子も好きなん。そういうのを天邪鬼というん。ヘカも、鬼なんな!」



 補足をすると、天邪鬼は仏教の考え方、素直になれないもう一人の自分という意味もあったりする。仏教はつきつめていきば哲学である。他宗教にも言える事だが、宗教とは簡単に説明すると本来神や仏を拝むものではなく、人の嫌がる事をしてはいけませんよ。人の為になる事をしましょうね。神様が見てますよという教えなのだ。それをいつから勘違いしたのか、毎日祈る、懺悔をする、檀家から金子を集める。現在活動しているほぼ全ての宗教は教えに背いている邪教といえなくもない。


 ヘカは天邪鬼談義を終えると、胸をピンと出して見栄を張ってみせる。鬼という言葉をかけてハチドリに世話を焼いている自分を遠回しに語る。腐っても作家を語るヘカなりの戯れ言。ここにセシャトや神様が居れば失笑を買うところだが、ハチドリはヘカの話を聞いて店の中だと言うのに大声で叫んだ。



「ヘカ殿すっげぇええええ!」



 周囲の客が嫌な顔をしている事も無視してヘカは大量のエナジードリンクと大量の栄養補助食品を購入しようとレジに並んだ瞬間。

 悲鳴が聞こえる。



「きゃああああ!」



 だとか・・・・・・



「うわぁあああ! 逃げろぉお」



 だとか・・・・・・明らかに顔色の悪い青年が顔を振り、身体を痙攣させながら、暴れ狂っている。ヘカはそれを見て籠を落とすと言った。



「あれは、やばいん。ヤクちゅーなんな! 逃げるん」



 ハチドリの腕を掴んで逃げようとするヘカだったが、ハチドリは動かない。そしてゆっくりと言う。



「見つけた。あれは、この未開惑星に逃げてきた犯罪者の仕業だ」

「そんな事より、逃げるん!」



 ヘカにそう言われるも、ハチドリは首を横に振る。



「これは、ヘカ殿が話してくれる作品の虚鬼くらいヤバい奴なんだ。ここでなんとかしないとどんどん、感染者が増えていく、ヘカ殿は逃げて! これは我が輩の問題で、我が輩が止めねばならないものなんだ!」



 ヘカは誰も居ないレジに一万円札を置くと、本来レジを通して購入する筈だったカロリーメイトを取り出す。そして各種フレーバーを一気にバクバクと食べる。



「んまぁいん! ハチドリちゃんも食うん」

「そんな場合じゃ・・・・・・」

「腹が減っては戦はできぬなんな! ヘカはこれでもS級Web小説作家なんな! ランクだけで言えば鳰と同じなん」



 何処調べなんだという適当な事を言うヘカに、ハチドリは再び感動する。おそるおそるチーズ味のカロリーメイトブロックをちぎって食べる。



「うまっ! そして、さすがは未開惑星。口の中の水分が砂漠みたいに持って行かれるぞ! こんな物、非常食以外にありえないだろうっ!」



 と、ハチドリは大塚製薬の思うつぼみたいな事を言う。栄養補助食品とは名ばかりのカロリーメイトは言葉通り、高カロリー高炭水化物の普通に生活してたら必要のないオーバーカロリーを人体にもたらしてくれる。

 手軽に食べられるという事もあり、作中で登場しているわけだが、ヘカは違う。



「ヘカみたいに超有能な作家や、鳰みたいに超ハイスペックな対魔士は常にカロリーが足りないん! そう、これは選ばれた者だけが食べる事を許された食品なんよ!」



 ヘカはモンスターエナジーで喉を潤し、迫り来る異星人の手先となった人間相手に髪の中にある黒い羽ペンを取り出してからこう言った。



「Web小説登場人物、疑似召喚なん!」



 ヘカがそう言い放ち。一体何が起きるのかとわくわくしているハチドリにヘカは再びモンスターエナジーをくぴっと飲むとつぶやく。



「逃げるんな!」



 何も起こらなかった事。ハチドリはやや落胆し、そして迫りくる暴走した男。絶体絶命と思われた時。

 あらぬ方向から鎖分銅が暴走する男の頭を打った。その無情、そして比類なき一撃の前にゆっくりと倒れた。



「有受伤吗?」


 怪我はないか? そう聞かれているがヘカもハチドリも言葉の意味が分らない。

 そこに現れたのは・・・・・・Web小説のキャラクターではなく。妙に露出の激しい道士服。キョンシーのような格好をした少女。



「木人ちゃんなんな!」

「誰? ヘカ殿の知り合い?」



 ヘカが直接関わった事はない。なんのかんのあって(2019年10月登場)、トトのブックカフェでたまに働いている元殺し屋。



「通りすがりの殺人鬼なんな! 出る作品を完全に間違えたキャラクターなん。むしろ『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』に敵とか脇役で出れるレベルなん」



 ハチドリは全力で警戒する。鎖分銅を袖の中に隠すと木人は二人に伝える。



「欄姐姐から依頼を受けた。だから助ける。宇宙人の道具のありかも欄姐姐が見つけたらしい」



 そう言ってハチドリにぽいと写真付きのGPS端末を見せる。



「おぉおお! これは誠に我が輩の道具なりぃぃぃ!」

「ハチドリちゃん、コロスケみたいになってるんな! でもこれでやるべき事が分かったん! さぁ、ヘカ達も鵺や鳰みたいに化け物、もとい異星人退治なん!」

「我が輩達、鳰殿が食べて眠たくなったあのパッサパサのレーション食べたのに、あんまり眠くないのはこれいかに?」



 ヘカはエナジードリンクをぽーんとハチドリに投げる。



「これ飲んでるからなんな! 一時間後くらいに、どーんと耐えられない眠気がやってくるん。そしたらまた飲むんよ」



 元祖・不摂生の化身ヘカの目の下の大きな隈がどうやってできたのか、ハチドリも木人も悟る。そして木人はヘカに聞いた。



「おまえは、神様のなんだ? 馬鹿、馬鹿と神様の寵愛を受けている・・・・・・ずるい!」

「何処に寵愛を受けてる感じあるん? 木人ちゃんは馬鹿なん? ヘカと神様は水と油なんな・・・・・・まぁでも、一応ヘカを生み出したという意味では親になるんな。責任感が全くないんけど」



 ドンキホーテを出て、ハチドリの落とし物を回収するべく行動を開始しようとしたヘカとハチドリだったが、木人がヘカにこう言った。



(おれ)の事をお母さんと言っても良い!」

「とーとつなんな! 意味が分からないん! 木人ちゃんもとりあえずヘカ達の気分と同化する為に『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』を読むん!」



 ヘカが画面を表示させてそれを見せようとしたところ、木人がどや顔を見せてからipadを腕の裾より取り出した。



(おれ)が読んでないわけがない。実に、すがすがしくて。耽美的な物語だと(おれ)は感じている。おまえの書く、わけのわからない物語とは大違いだ」



 そう言ってヘカの書いた万年読者が少なく、ブクマも殆どない作品を見せて、わざとヘカの前でブックマークをはがした。



「S級の妖怪。妖怪ブクマはがしなん! 対魔協会に連絡するん!」



 頬を膨らませて怒るヘカだったが、木人はしてやったりという顔をする。突然超人のような木人の参戦にハチドリは一人呟いた。



「未開惑星、パネェ」

『モノクロームアトラクト~白黒世界で彼らは踊る〜 箸・汐 穹臣』皆さん読まれてますか? 今回鬼という物に関してヘカさんが色々語っていましたが、本作での鬼の概念も中々面白いですよぅ! ありそうな設定、そしてふわりとぼかしてある設定。読者を飽きさせない手法がちりばめられていますねぇ! カロリーメイトを購入して、モンスターエナジーを飲んで、日曜日はゆっくり本作の読書を^^

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