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セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第三章『モノクロームアトラクト~白黒世界で彼らは踊る〜 箸・汐 穹臣』
20/90

今宵はモノアト・パーティーなん!

さて、まさかコロナウィルスがここまで長続きするとは思いませんでしたねぇ! マスクや消毒液が買えない状況ですが、もし買える時があっても買いだめはせずに一人でも多くの方の手に渡るようにしたいですねぇ! 私ですか? ごめんなさい。買いだめしちゃいました・・・・・・一元屋のきんつば。おいしんですもの。

 ヘカのマンションについてきたハチドリは、ヘカのマンションの部屋を見渡してこう言う。



「出荷される家畜の保管場所みたいなところだな」

「言い方! ハチドリちゃんは、寛大なヘカじゃなければこの東京砂漠では生きていけないんよ! すぐにでも鳰達みたいな公僕に捕まるんよ!」



 公僕という言葉にヘカはすこぶる不快そうな顔をする。そう、神保町ではヘカはイカれたゴスロリとして警察達から中々の有名人っぷりであった。そんなヘカの表情からハチドリは何を感じ取ったのか手を振る。



「いや、警察は困る。吾輩は本来、この未開惑星の原住民と関わるわけにはいかないのだからな。ヘカ殿は、一宿一飯のかりがあるから、関わっているわけだが・・・・・・」

「泊めるなんて言ってないんよ!」



 ヘカの言葉にハチドリは青い顔をする。



「ヘカ殿、吾輩。荷物も武器も食べ物もない! こんな未開惑星で放り出されたら……そうだ! その鬼とか、魍魎とやらにとってくわれてしまう」

「退魔課の公僕にでも助けてもらうといいんな」



 ヘカはウイダーインゼリーを咥えてマックブックと、自作のデスクトップマシンを起動する。ヘカのその様子を見て、ハチドリはちょこちょこちょこっと近づいてそのヘカの作業スペースをのぞき込む。



「なんという、子供の玩具みたいな道具。こんな古い機械を使っているのか、この未開惑星。ところでヘカ殿はお仕事か?」



 ヘカは隈の酷い表情でヘッと笑う。不健康の化身ここにありである。ヘカは自分の書いている文章。すなわちWeb小説を見せてからこう言った。



「ヘカは売れっこWeb作家なんな!」



 当然、自称である。毎日、十人アクセスがあればいいところである。そんなヘカの言葉にハチドリは目を丸くする。



「ヘカ殿、すげぇええええ!」



 ヘカはない胸を突き出して自信満々にどや顔を見せる。そしてエナジーバーを齧るとこう言った。



「ヘカはこれから執筆するんな! だから、ハチドリちゃんは、『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』でも読んでるん!」



 ヘカが取り出したipadを受け取ってハチドリはそのヘカが開いたWeb小説の画面とにらめっこをしてからこう言った。



「よ、読めん。こんな未開惑星の古代文字」

「先進惑星人なら翻訳装置くらい持ってるんな!」



 ヘカはそう言って嗤うので、ハチドリはムキになって喚き散らす。彼女の言い分は全て持ち物を無くしてしまったと。



「もってるもん! 今ないだけだもん! だから吾輩読めないんだもん!」



 ハァとヘカはため息をつくと、第一話を、画面も見ずに朗読してみせた。



「え? ヘカ殿なんで何も見てないのに読めるの?」

「ヘカ程、この作品を読んでいれば当然なんな! 作品が好きなんもあるんけど、文章がいい感じで固めなんがオススメのポイントなんな」



 ヘカの話を聞きながら、ハチドリは尋ねる。



「警察の退魔課と、退魔協会ってどう違うの?」



 ヘカはせっかく執筆をしようと思っていたのに、ハチドリがそう質問するので、各種ビタミン系のタブレットをざらざらと流し込むように食べてから答える。



「しいて言うなら、国営と民間の違いなんな? ただ本当に協会的側面も強いんから治外法権的な部分もこの作品では強いん。冒頭でもあるんよ。本来の、国営武装組織が殆ど役にたたなかったん。だから、高野山。まぁ密教なんな? あと、後の宿曜術になる陰陽術師に頼る事になるん」

「えっ? なにそれなにそれ? もしかして、宗教とかいう未開惑星の原始人が信仰するやつの事?」



 ヘカは、ここにトトやセシャト等。自分ではなく物語をしっかりと説明できる者がいた方がハチドリは楽しめたかもしれないなとそう思う。だが、ヘカとて作品を書く上で知識のプールはセシャト達に及ばずともそれなりに持っている。



「宗教とは少し違うん。それがこの作品の面白いところなん!」



 そう言ってヘカは五枚のモニターを扱い作業をしている内の一枚に参考画像を表示させた。



「まず、密教というのはなんな」



 日本の密教はチベット仏教を元にしている。実はこのチベット仏教宗派によっては悪魔のような物を崇拝する考えがある。そして日本には古来より、魔を滅するには魔を持って行うという考えがある。

 ヘカは宙を指で五芒を描く。



「で、陰陽術師なん。こっちは、日本や世界の呪術の良い所を集めたハイブリット術者なん。陰陽術で使う裏五芒。セーマンは、海外では悪しき物として使われるん。でも日本では裏五芒は鬼を調伏し、その力で魔を払う物にかわったんな。いきさつとしては、病気の蔓延等を止める為の自然科学の事なんけど、世界中のそう言った知識から、陰陽術は宿曜術に姿を変えて、今は気象庁として生き残ってるん」



 百鬼夜行というものが実在するのをご存じだろうか? あれはスペイン風邪の事である。ようするにインフルエンザ。徳川家宣もこのインフルエンザで命を落とす。当時のインフルエンザ治療は樽に入った冷たい水の中に患者をつけて、祈祷師が祈るのだ。

 ちなみに、アメリカ等の先進国でも高熱の患者を水風呂に入れるとんでも治療が今だ行われていたりする。



「ほぉ! その陰陽術師とやらは、科学者という事か」

「まぁ、そうなんな。逆に言えば。この『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』の世界では、作品内の常識が通じない物に対して、独自の知識と見解でアプローチができる連中という事なんな。そしてようやく異能持ちという連中が台頭してくるん」



 ヘカのその話にハチドリは先っぽだけ金色の髪を触りながらそのおかしな点を指摘する。眼帯に黒と白の軍服のような服を着たハチドリ。ヘカは実にオタク女子っぽいなと思いながらその指摘を聞く。



「ヘカ殿、ヘカ殿ぉ。軍事力が通用しない連中が突然でてきて、代わりにそれに対応できる連中も同じようにいきなり出てくるのは、あまりにもご都合主義ではないか?」



 ハチドリの言う指摘は、面倒な読者の指摘である。物語なんだから気にするなとか、説得が下手な者は言うかもしれないし、高圧的に怒って揚げ足を取るなと言うかもしれない。が……ヘカは違った。



「ハチドリちゃんは馬鹿なんなぁ~! 世の中はいつもシナジーでできてるん」



 シェルドレイクの仮説と言うと、知らない人も多いかもしれないが、ある日突然。世界中のニトログリセリンが結晶化するようになったという話を聞いた事はないだろうか?

 ペテン師か超能力者かはさだかではないが、ユリゲラーが来日した時、日本中の子供達が次々にスプーン曲げを行って見せた事実も存在する。



「もっとわかりやすい話をするんな? 病気はすぐ感染していくん。シナジーだったりシンクロはすぐに起きるんよ。魑魅魍魎が現れた結果、それに対抗しうる異能持ちが開花し広がってもなんらおかしくないん」



 ヘカは作家目線で、肯定する。その肯定は暴論かもしれないが、読者もその作品の作者をも傷つけない。ヘカの作品はクソみたいに面白くないのだが、ヘカの考える頭脳は中々に作家脳なのだ。



「ヘカ殿マジすげぇええ!」

「ふふん。ヘカは凄いんよ!」



 二人して少しばかり小躍りを繰り返すと、ヘカはハチドリに友情の証を冷蔵庫から取り出した。



「ヘカがこれをやるんわ! 友情の証なん。魔剤なん」



 真っ黒い缶に緑色の爪痕のイラストが描かれた飲料。



「吾輩、酒は……」

「酒じゃないん。酒よりも、素早く心に届くモンスターエナジーなんな」



 ヘカが常飲するエナジードリンクの一つ。毎日致死量を飲む程のヘカはエナジードリンクジャンキー。乾杯すると二人は飲み干す。



「乾杯なん! ヘカとハチドリちゃんと『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』に」

「いやっふー! かんぱーい!」



 二缶目に手を伸ばしながらハチドリは酒でもないのにほろ酔い気分でヘカに聞いた。



「刀ってヘカ殿なんなのら?」

「ちょっと、ハチドリちゃん飲みすぎなんよ。日本刀は、たしかこの辺に……あったんな!」



 ヘカは玩具の忍者刀をハチドリに見せる。



「日本刀は鉄の芸術なん、そして日本の作品において、びっくりするくらい人外を斬る為のリーサルウェポンなんな!」

「なんでなんでどーしてぇ!」



 ヘカは、エナジードリンクでテンションがあがり、陽気になっているハチドリを見て、昔カドカワで2作目が炎上した獣人アニメを思い出す。



「ハチドリちゃん、見た目はあとりみたいに可愛いん。だけど、中身はあのケモナー人間みたいにオツムは空っぽなん」



 実に惜しい。いや、残念過ぎるとヘカは思う。ヘカは自分よりは劣るけれどもと思いながら、ハチドリはそこそこ綺麗な顔をしているのに、この頭悪すぎる喋り方と、本気で頭悪い感じに、さらにこのテンションだ。

 どうすればここまで女としてのアドバンテージを捨てる事が出来るのか、驚きつつもヘカは妙な親近感を感じる。



「鉄はこの日本では古来より、魔を寄せ付けないものと言われてるん。妖怪は金属が苦手っていう設定は多いんな。それとなんな……昔から、白いものは神の使いと言われてるん」



 犬や蛇なんかが有名なお話ではあるが、アルビノが神聖な者として扱われる理由は、黒が無限である事に対して、白は無だからとも考えられている。



「ここで役者がそろうん。ヘカもあとりたんを拾ったら連れて帰って可愛がるんな! でも拾ったんわ……ハチドリちゃんだったん」



 心底がっかりした顔をするヘカにハチドリはエナジードリンクの酔いが醒めてからこう叫ぶ。



「ヘカ殿ぉ! 吾輩もだまってこの刀とやらを持てば、ほうら! あとり殿のように」



 ただのコスプレ少女の完成である。ヘカは気づいていないが、イケメン大好きなヘカは男にはモテないが、異様なくらいおかしな女の子達にはモテるのである。

 それは、ヘカが異様に白い肌を持つ神の使い……というのは考えすぎかもしれない。ヘカは重い腰を上げてから言う。



「『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』を今日は夜通し楽しむんよ! イトーヨーカドーに買い出しなん! 色々説明したんけど、この作品は単純に格好いい物を集めた結果。ヘカのママが文字に起こして、それを續たんが絵を描いてるん。そんなん、面白くないわけがないん!」

「今宵はパーティーだな。ヘカ殿!」

『モノクロームアトラクト 箸・汐 穹臣』皆さん、続きが待ち遠しいですねぇ!簡単に申すと、格好いい物成分が足りていない方は是非、そこであなたの推しキャラクターを探してみてくださいねぇ!

私は断然、唐丸さんが好きですよぅ! ヘカさんはあとりちゃんみたいですねぇ!

 そして、よくよく考えると深い設定が見え隠れる本作を当方みたいに考察してみてくださいねぇ!

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