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セシャトのWeb小説文庫2020  作者: 古書店ふしぎのくに
第二章 『短編作品ピックアップ第一期 箸・各種チーム』
18/90

『ホストクラブドラキュラへようこそ 著・三角さんかく』

皆さん、ここぞの時に食べる物ってありますでしょうか? この前、ヘカさんのお家に泊まりに行きました。夜まで海外ドラマを見ながらWeb小説について語りました。ヘカさんの生活はダンタリアンさんに少し似ており、デリバリーが多いですねぇ。たまには私が料理をしにいかないとですねぇ!

「やべぇ・・・・・・マジでやべぇ」



 大友は開店前から女性客達が長蛇の列が出来上がっている事。そしてヘルプで入れる人員がいない事。まさに詰みである。



「ふむお困りのようだ大友少年」



 ビクっと驚いた大友。声がする方を見ると開店前の店内で座り、紅茶を楽しんでいる年齢不詳の男。



「おっさん誰!」

「おっさんじゃないよ! お兄さん。またの名を果心居士。大奇術士でもお兄さんでも呼びやすい方で呼んでくれていいよ」



 そういって自信満々な果心居士を見て大友はスマホを取り出して電話。



「もしもし、ポリスマン?」

「ちょっとちょっと! お兄さん警察はヤダなぁ・・・・・・お店の手伝いしにきたんだから落ち着こう?」



 あまりにも怪しげな男に対して大友はやや身の危険を感じつつも手伝うというなら簡単なテストがあった。



「正直、猫の手でも借りたい状態だ。じゃあコジさん。何か面白いWeb小説教えてよ。それで決めるわ」



 果心居士は大友にそういわれてニヤリと笑う。



「じゃあ、このお店におすすめな作品を一つ『ホストクラブドラキュラへようこそ 著・三角さんかく』まぁ、とりあえず読んでみなよ」



 大友は読み始めて速攻突っ込んだ。



「世知辛いな! オイ」

「でしょ! ドラキュラが普通に昼間活動できないから夜の水商売ってのがねぇ」



 そして大友は吹き出した。ドラキュラがホストとして働いているわけなのだが、女の子からのドリンクがまさかの血液である。



「モンスターじゃねぇか!」



 本日二回目の大友の突っ込み。まぁモンスターなのである。どちらかといえば亜人というタイプに種別分けされるのだろうが、まさかの注文に思わずニヤリである。果心居士も楽しんでいる大友を見て掴みは問題ないと頷いている。



「最初部屋で区切られている意味がわからないけど、しっかりとその説明がされているのも成る程なぁと思えるよね?」



 果心居士の話に大友は普通に返した。



「最初からVIPルームが標準化されてるのは女性客の心を掴みやすいだろうけど、逆に部屋で高額料金稼げないのは少しもったいないよな」

「大友君、ホストクラブ詳しいね」

「いやぁ、まぁヘルプで何回か・・・・・・ねぇ」

「お兄さんが言うのもなんだけど、それ事案だよ」



 十七歳の大友がホストクラブで働くのはアウトなのだ。18歳からは実はギリギリOKなんだが・・・・・・それに大友は頭をかいてからこう言った。



「いや、ビラ配りとかな! 俺、女より可愛くて、ホスト男子より綺麗だろ?」



 そういう事を平気で言ってしまう大友。彼はある意味、水商売向きなんだろう。だからこそ果心居士は聞きたくなる。



「大友君的にはカナタ君はどうなの? 全然ダメなの?」

「いや、どうだろうな? 金使わせる事がホストじゃねーからな。そういうのは、二流だってどこかで聞いたぜ。むしろ確実に勇者サマの心を掴んでるカナタはたいしたもんだと俺は思うよ?」



 大友の子供らしい反応に果心居士はうんうんと楽しそうに話を聞きながら、キッチンに立つと果物をスライスしていく。



「大友君、僕はね。ホストクラブしかり、この店やメイドカフェとかさ、シチュエーションを売る商売は夢を売るところなんだよ。実のところ、酒じゃなくて、水物(すぐに変わる物)を売るから水商売ってね。カナタ君は、そういう意味では作中で語られるように、どちらかと言えば水商売向きじゃないね」



 彼は高いドリンクを入れる事も、ねだりも上手くはない。できる仕事があまりないからドラキュラ達はホストクラブを開いているわけで、むしろ共依存の店という事なんだろう。だから売り上げの乏しいカナタに当たりが強いわけでもなさそうなところがある。



「でもさ、ドラキュラとかって半分くらい不老不死だろ? 長い事人気とか続きそうだよな? そういう意味ではドラキュラの天職なのかもな」

「そうだねぇ、でも体質と性質に合っている事が天職とはお兄さんは思わないけどねぇ・・・・・・やりたい仕事と素質は違うじゃない? カナタ君なんか、日の当たる場所で生きていけるのであれば、お花屋さんとかの方が似合うんじゃない?」



 大友は分かりみが深いと思った。カナタは一応化け物。モンスターであるはずなのだが、異常なくらい心優しい・・・・・・が一つだけ大友は突っ込んだ。



「勇者サマの為とは言えさ、カナタ君酷くね?」



 ルビーの指輪、討論である。果心居士はこれには難色を示す。カナタ君の中では一番の上客は勇者の女性。主人公なのだ。その主人公の為に魔法薬を購入する術として、他女性客に貢がせているわけなのだが・・・・・・



「うん、お兄さんがホストやってた時なんか。一日に四回同じ店で同じ物食べるデートした事あったよ。女の子のお客さんは、プレゼントをあげた。じゃないんだよね。あげさせてもらった。で、こっちは、あげさせてあげた。なんだよ。悲しいお話だけど、お金以外でホストもホステスもつなぎ止めておく事ってできないのよね?」



 聞きたくない話を果心居士ははじめる。実際そういうもんなんだろうなと思いながら、大友は少しもの申す。



「いや、待てよ。カナタ君。勇者サマには特別扱いじゃんかよ! これどうなのよ?」



 果心居士は、先ほどからスライスしている果物をティーポットに入れるとそこに紅茶を流し込む。桃、梨、リンゴ、キュウイ。このブックカフェ『ふしぎのくに』でトトしか作る事を許されていないフレッシュフルーツティー。



「ちょ、オッサン。何勝手に作ってのさ! それ、トトさんしか作っちゃダメなやつなんだぜ!」



 それに眼光を光らせてから果心居士は大友にフレッシュフルーツティーを差し出す。



「こんな物は誰が作ったってお兄さん同じだと思うよ? そういう、一定の人しかダメみたいなのお兄さん古いと思うの。まぁ飲んでみてよ」



 渋々大友は果心居士の淹れたフレッシュフルーツティーで喉を潤す。確かに中々美味い。が、今はこの紅茶を楽しむところではないのだ。



「いや、話逸らすなよ。カナタ君の話だよ」

「お金以外で水商売の人間を虜にするのは、もう愛しかないじゃない。そんなのわかりきった事でしょ?」



 それを素直に言われるとなんとも恥ずかしい気になるが・・・・・・大友は少し、疑問に思った。魔王を倒した勇者を魔王側のモンスターであるドラキュラのカナタが何故ここまで推すのか、平和な世界を望んでいたと・・・・・・



「なぁ、なんかさ物語にツッコムのは作法違反だと思うんだけど、これ変じゃねーか?」



 大友の言いたいことも最もだが、果心居士はより最もな解釈を大友に与えた。それは至極当然の考え方。



「国同士の戦争で一番被害を被るのはだーれだ?」

「そんなの決まってるだろ。いつだって被害を受けるのは・・・・・・あっ、そういう事か、確かにそうかもな」



 モンスターだろうと人だろうと、一番底辺にいる市民に相当する者が一番つらいのだ。それが解消されるなら、勇者だろうが魔王だろうが、世界を平定してくれと思うだろう。



「まぁ、そりゃそうだよな。こうやってホストクラブとか普通に経営しちゃう連中だから、とくに揉める事もなければ、仲良くやっていけるよな」



 そこで少しだけ悪い顔をした果心居士は全く作品の内容とは関係のない話をしてみせた。



「案外、この資金が魔王軍復活に流れてたりしてね・・・・・・この世界観なら大いにありえるでしょ」



 またまたつまんねぇ事を言うなと思っていたら、果心居士は男性用の執事服を大友に差し出した。



「たまには大友君。男の子の武器を前面に出して勝負してもいいとお兄さん思うよぅ」

「顔の傷を治す為に、大枚集めるなんてさ、ミイラ取りがミイラになってんじゃんか・・・・・・まぁ、それも悪くないか」



 大友は奥の更衣室でメイド服を脱ぐと執事を服を着て、髪留めではなく、カチューシャで前髪を上げた。



「おぉ、中々いいじゃない」

「同化って言うんだっけ? この作品読んで、カナタの事考えてたらちょっと俺もその真似っこをしてみたくなったかなーってさ」



 乗り気満々な大友に果心居士は萎える事を言った。



「お兄さん、一つツッコムとしたらさ。シャンパンかな」

「・・・・・・いやいやいや、オッサン」



 シャンパンはシャンパーニュ地方のスパークリングワインの事なので、本来ありえないと果心居士は言いたいのだ。



「そういうのは・・・・・・あれ? オッサン何処いった?」



 開店1時間前。ガラガラガラと裏口から、この店のオーナー、トトが入ってくる。



「おや、大友君。珍しいですね。うん、メイドさんも可愛いですけど、それも似合ってますよ」

「トトさん! 帰ってきたんだ。さっきまで果心居士とか言うオッサンがさ・・・・・・」



 大友の話をニコニコして聞きながら、トトは大友が飲んでいる紅茶を見て笑顔を崩さないままこう言った。



「僕、言いませんでした? フレッシュフルーツティーはわりとコストがかかるから、僕が良いって言わない限りは従業員のお茶で飲まないでくださいねって」


(あっ、これめちゃくちゃキレてるやつだ)


 大友は一秒でも早く店が開店してくれる事を祈りながら、トトにこう言った。



「トトさん、今日さ「ホストクラブドラキュラへようこそ 著・三角さんかく』読まない?」



 トトはその話を聞いてこう言った。



「あぁ、確かに2月末の決算にはいいお話かもしれませんね。きっとお嬢様達はお喜びになるでしょう。ここは本作のホスト風に今日はお客様を姫とお呼びしますか?」



 よし、話が逸れたと大友はぶんぶんと頷く。それにトトは笑顔でこう言った。



「使った果物は、お店価格で大友君の給与から天引きしておきます」



 二月は逃げる。ろくでもない月だったが、面白かったなと大友は今か今かと開店を待ちわびている女性客に胸に手を当てて微笑んだ。



「ブックカフェ『ふしぎのくに』へようこそ。姫」

『ホストクラブドラキュラへようこそ 著・三角さんかく』今回はとても、素敵なお話でしたよぅ! 着眼点がとても面白く、こんなホストの方がいたら夢中になっちゃいそうですねぇ! 私ですか? 私はWeb小説が恋人ですよぅ! 是非、三角さんかくさんのほんわかする世界観をお楽しみくださいね!

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