ある作者の苦悩と謝罪
その日、その男は後悔をしていた。
ダンジョンには冒険者の夢や希望を食い物にする魔物が住むと言う。そして、それは本当だった。
どれだけ強くなっても、下層へ行くほど強くなる敵は常に苦戦を強いる。終わりの見えぬ戦いに絶望する。
まさに魔窟…安易な気持ちで足を踏み入れていい場所ではなかったのだ。
これが、ダンジョン。
その男…なまず太郎は呆然としていた。
「やらかしちまった――」
ずらりと画面に並ぶダンジョン編のタイトル達。こんなハズじゃなかった。
その男、なまず太郎が書きたいのはダンジョンバトル物ではなかった。なのにどうしてこうなった。
プロットから大きく外れた画面を見ていると後悔しかない。これが素人って事か、と呆然としていたのだ。
ダンジョン編はすでに終わりまで書きあげた。しかし――と悩む。
このままダンジョン編をあげて素知らぬ顔をして話を続けていいのか?そんな想いが胸をかきむしる。
物語が巻き戻る事は許されない。小説でも現実でも時間は巻き戻らないのだ。
すでに100件以上ものブックマークすら付けてもらっている。この小説を読んでくれた読者の方々を裏切るなど許されない。
「うがぁーー!」
なまず太郎は叫んだ。60話の中で20話ものダンジョン編が続く作品をそのままにしておくのも、それもまた読者への裏切りであると感じて身動きが出来なくなっていたのだ。
”エタる――”
禁断の選択肢がよぎるが、すぐに頭をふるった。ここから新作を始めて何が始まるというのか。それなら読み専の方がずっといい。
こんな時、小説の中の主人公みたいに小説も若返りができたらいいのに…
そう思ったとき、「はっ」っと新たな選択肢がひらめいた。
「書き直し」だ。
物語は巻き戻る事が許されない、通常なら。だが、ここは小説のフロンティア”小説家になろう”なんだ。
初投稿で、恥を覚悟で始めたはずだ。それが取り返しのつかないくらい大きくなったところでなんだって言うんだ!
なまず太郎は開き直った。
ここまで読んでくださった読者に見捨てられる事もあるだろう、当然だ。だが、それでも、どうしても、手塩にかけた作品を失敗したままにしておけるものか!
それで作品が蘇るかどうかわからない、でもだからって見捨てられない!できるだけの事はしてみよう。例えそれが許されなくても――そう覚悟を決めた。
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そんな訳で、タイトルを変えてダンジョン編の前からやり直すことにしました。
怒られることも、叱られる事も、見捨てられることもあると思います。
それでも、あえて言わせていただきます
ここまで読んでくださった皆様、光栄にもブックマークしていただいた皆様、ありがたくも評価してくださった皆様
大変!申し訳!ありませーーーーん!
しかも!図々しくもこちらに書き直し作品を貼っておきます。
異世界へ来たのはいいけれど、モンスターと戦える程若くないおっさん。神様からもらったスキルは戦いにも生産にも役立たない。それでも生きる為に転々と渡り歩く
N0121GF
https://book1.adouzi.eu.org/n0121gf/
あらすじをそのまま題名に放り込みました。 べ、別にめんどくさかった訳じゃないんだからねっ
もし、「しゃーねえなぁ、続き読んでやっか」って思ってもらえるならページを開いてもらえると望外の幸いです。
ちょこっと手はいれますが、基本そのままなので続きから読んでもらえればいいです。
あと、最後に、ミジットさん…すまん…




