85.仮想・擬似ヘッド
次は仮面付きの頭とかを鑑定してみよう。
鑑定結果は次のようになった。
【アジ・ダハーカヘッド】
異界の悪竜、アジ・ダハーカの仮想神格の顕現。
三頭一在で、周囲に悪意を撒き散らす。
【固有呪詛】
ヒールディザスター
対象の人間性を悪に染め上げる。
【ナイアルラトホテプヘッド】
異界の邪神、ナイアルラトホテプの仮想神格の顕現。
千変万化の存在で、決まった姿を持たない。周囲に狂気をばらまく。
【固有呪詛】
SAN値直葬
対象の正気を蝕み、発狂させる。
【ダンタリオンヘッド】
異界の魔神、ダンタリオンの仮想神格の顕現。
仮面に合わせて容姿を変え、無数の幻を操る。
【固有呪詛】
ファントム
対象の人間に常時幻を見せる。
【ウロボロスヘッド】
異界の無限竜、ウロボロスの仮想神格の顕現。
無限の再生力を持ち、滅びることがない。
【固有呪詛】
メビウスループ
対象の存在を閉ざし、終わり無き永遠を与える。
【サマエルヘッド】
異界の堕天使、サマエルの仮想神格の顕現。
[神の毒]を拡散させる存在。
【固有呪詛】
フォールダウン
対象を堕落させる。
【ロキヘッド】
異界の悪神、ロキの仮想神格の顕現。
正邪が反転し続けるトリックスター。
【固有呪詛】
ラグナロク
対象を人生最期の大規模闘争の渦中に落とす。
【ハーメルンヘッド】
異界のグリモア、ハーメルンの擬似神格の顕現。
口より笛の音に似た鳴き声を発し、ネズミなどの小動物や子供を操る。
【固有呪詛】
ウィスパー
鳴き声を聴いたものの精神を茫然自失にする。
【シギュンヘッド】
異界の女神シギュンの仮想神格の顕現。
戒めを緩める力を持つ。
【固有呪詛】
シギュン
対象の行動全てを緩める。
【ドラウプニルヘッド】
異界の神具ドラウプニルの擬似神格の顕現。
滴るものの意を持ち、一定間隔で特殊な腕輪を生み出す。
【固有呪詛】
バグ
対象を分裂増殖させる。
【アングルボザヘッド】
異界の巨人、アングルボザの仮想神格の顕現。
災厄を産み落とす母。
【固有呪詛】
エンカウント
対象とモンスターの遭遇律を超向上させる。
【アテナヘッド】
異界の女神アテナの仮想神格の顕現。
鎧を纏い、数多の武器を操る。
【固有呪詛】
ミソロジー
対象となった相手を魔物に変える。
【アビスクイーンヘッド】
異界の生物アビスの顕現。
生命力を喰らう。
【固有呪詛】
エナジードレイン
対象の生命力を常時減少させる。(減少させた生命力は、アビスクイーンヘッドが吸収する)
【ルストヘッド】
異界の生物ルストの顕現。
あらゆるものと交わるもの。
【固有呪詛】
フュージョン
対象を別のものと融合させる。(融合後の精神は、精神力の強い方に主導権が移行する)
【シュピーゲルヘッド】
異界の生物シュピーゲルの顕現。
あらゆるものを跳ね返すもの。
【固有呪詛】
因果応報
対象の攻撃が全て対象に跳ね返る。
………なんだこれ?
『またいろいろと増えていますね』
…ああ。だがなんで童話の笛吹男や、神具なんてものまで擬似神格化してるんだ?
『そこはやはり、上の方々のご趣味でしょう。おもちゃ箱のごとく、貴方に自分達の好きな要素を詰め込んでいっているのではないですか?』
今までの統一性のない内容からすると、ありえそうだな。
……最初はあまり気にしないようにしていたが、俺ってもうすでにかなりキメラ化している?
『いえ、別段してませんが?』
えっ!?
『えっ?』
………
『………』
………俺、キメラ化してないのか?
『私はしていないと思いますよ』
なんでだ?自分で言うのもなんだが、俺の見た目、いろいろと混ざりまくってるだろう?
『たしかにいろいろと混ざってはいますが、貴方の今の姿については正規登録されています。ですので、別段異形には当たらないと思います』
……ああ、そういう基準(世界目線)。
わかった。貴女の基準でそうなら、この世界ではこの程度はキメラ扱いにならない、と。
『なりませんね。ヒュドラ系のモンスターは元々頭などが増殖しますし、見た目なども千差万別です。この程度を異形に分類していたら、私の住人達は半数以上が異形扱いです』
そうか。
たしかに異形というのは、普通の姿から離れた姿を指す。なら、モンスターが進化でまったく別の姿になるこの世界では、常に異形は生まれ続けているということになる。
彼女の言うとおり、俺を異形扱いしていたら、簡単に全体の過半数を超えそうだ。
気を取り直して、そろそろステータスの確認に移ろう。
『わかりました。ステータスを表示します』




