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58.連なる悪名

『スキルの内容を表示します』

『頼む』



【通常スキル】

[光陣]

光でリライトの術式陣を描ける。


[高速詠唱]

魔法やリライトの呪文を高速で詠唱出来るようになる。ただし、滑舌が良くなるわけではないので、舌を噛んだりすることも普通にある。


[多重詠唱]

魔法やリライトの同じ呪文を、副音声のごとく重ねて詠唱出来る。重ねた数が多いほど、威力や効果が向上する。


[並列詠唱]

魔法やリライトの呪文を、複数同時に詠唱することが出来る。


[合唱]

複数の口を使用し、魔法やリライトの呪文を増幅して詠唱することが出来る。


[想起]

イメージを起こし、それを魔法やリライトの術式として固定することが出来る。


[遅延起動]

魔法やリライトの効果を、任意の時間遅らせて発動出来るようになる。


[時限起動]

魔法やリライトの効果を、任意の時間を指定して発動出来るようになる。


[任意起動]

魔法やリライトの効果を、発動準備さえ終えていれば好きなタイミングで発動出来るようになる。


[分裂再生]

肉体の一部が破損した時、その部位を分裂させて再生することが出来る。分裂再生した部位は、一定時間後に元の一つの状態に戻る。


[眼光]

視線に威圧を込めることにより、睨んだ対象を畏縮させることが出来る。


[吐息]

吐息に毒を混ぜ、広範囲に毒を撒き散らすことが出来る。


[並行思考]

複数の物事を並行して思考することが出来るようになる。この思考は、頭が複数ある場合はここの頭で処理出来る。


[星霊体]

自身の身体を星霊化させ、物理寄りの通常攻撃を無効に出来る。


[執念の神毒]

肉体を欠損するダメージを受けた時、傷口から毒血をそのダメージを与えたものに向かって吹き出す。この通常スキルが発動した場合、対象の死因がこの毒血による毒殺に因果律によって確定・固定される。


[ブレス]

息吹に魔力と属性を混ぜ合わせ、ブレスとして吐き出すことが出来るようになる。


[竜気]

体内から竜気を発生させる。竜気を体内で巡らせることにより、身体能力が向上する。


[逆鱗]

身体の一カ所に逆さまの竜鱗が生える。その竜鱗が砕かれると、暴走状態になる。


[竜脈接続]

竜脈との間にラインを接続し、竜脈のエネルギーを借用出来るようになる。


[龍気招来]

体内から龍気を生じさせ、その龍気を媒介に自然災害を巻き起こすことが出来るようになる。


[潜影]

影に身を潜められるようになる。


[波渦]

水を発生させ、津波と渦潮を起こせるようになる。


[雷鳴]

雷と轟音を同時に発生させる。


[空閃]

空気を圧縮し、それを刃として放てるようになる。


【特殊能力】

[術式構築]

・魔法とリライトの術式を構築出来る。

・構築した術式をいつでも改変出来る。

・構築した術式を安定させる。


[神意代行]

・神の意思を代行し、その神の権能を一時的に借り受けることが出来る。

・この能力の発動中は、代行している神の意思が自分の意思よりも優先される。

・この能力の発動中は、代行している神の加護を一時的に得る。すでに加護を得ている場合は、その加護が強まる。


[三頭悪竜]

・異界の千の魔法が使用可能になる。

・相手からの攻撃によって流した血を、サソリや毒蛇に変えることが出来るようになる。

・人の悪意を喚起することが可能。

・[アジ・ダハーカ]が使用可能になる。

[アジ・ダハーカ]

・人々の悪意を増長させる。

・人々が自分に向ける敵意に比例し、能力が一時的に向上する。

・この能力の発動中、使用者は善なる者の攻撃しか受けない。


[這い寄る混沌]

・千の化身が使用可能になり、それらの姿に自由に姿を変えられるようになる。

・人々の恐怖を喚起し、人々の正気を失わせることが出来るようになる。

・[ナイアルラトホテプ]が使用可能になる。

[ナイアルラトホテプ]

・人々の恐怖を増長させる。

・人々の狂気を増長させる。

・自分を認識して相対した相手は、一定の確率で正気を失う。

・自分を認識して逃走した相手の恐怖を実体化させることが可能。


[仮面の悪魔]

・ありとあらゆる人類種の姿にその身を変えられる。

・相対した相手の表層の思考を読めるようになる。

・任意の対象に愛情を持たせることが出来る。

・スキルを最適化出来る。

・[ダンタリオン]が使用可能になる。

[ダンタリオン]


・他人の姿の虚像を虚空に映しだすことが出来る。

・その虚像を、世界の何処にでも映しだすことが出来る。

・映しだした虚像と感覚器を共有することが出来る。


[円環の蛇]

・自己のエネルギーを循環させる。

・自己のエネルギーを供給することにより、任意の対象を永続させる。

・任意の対象に一時的に無限の概念を付与出来る。

・[ウロボロス]を発動可能。

[ウロボロス]

任意対象の構成素材を別の物質に変化させる。


[楽園の蛇]

・囁いた言葉を相手に信じ込ませることが出来る。

・囁いた言葉で相手の思考を善良に出来る。

・対象を誘惑し、その誘惑を跳ね退けた者に天恵を与えられる。

・対象を誘惑し、その誘惑を跳ね退けられなかった者に天罰を与えられる。

・林檎を知恵の実に変えることが出来る。

・[サマエル]が使用可能になる。

[サマエル]

・対象の価値観を揺らし、新たな価値観を与えられる。

・対象にかけられている束縛を解除出来る。


[予言されし悪神]・任意の対象を亜空間に閉じ込めることが可能。

・任意の対象の行動・動作を強制終了させることが出来る。

・あらゆる動物に変身することが出来る。

・他人の因子を取り込み、卵を形成出来る。

・[ロキ]が使用可能になる。

[ロキ]

・任意の対象のバランスを崩すことが出来る。

・崩れたバランスを任意の方向に片寄らせることが出来る。


[聖域]

・■■■発動中に発動可能。

・■■■■が降臨時には自動的に発動。

・聖域内では、■■■■の能力制限を解除。

・聖域内では、信仰神達の権能の抑制が可能。


【以下、情報規制の為表示不可】




『・・・またいちだんとおかしな内容になっているな』

『そうですね。今回もまたかなりぶっ飛んだ性能をしていますね』

『というか、プレゼントパックというのはなんだ?』

『そのまま贈答品だと思われます』

『誰からの?いや、送り主は決まっているか』

『はい。まず間違いなく、上の方々からです』

『また俺の戦力強化か?』

『おそらくは』

『ならありがたくもらっておくとしよう。だが…』

『だが?だが、なんです?』

『だがなんで、こんな特殊能力のラインナップになったんだ?』

俺は表示されている特殊能力の欄をもう一度見て、どんな背景でこれらを選んだのか不思議でしょうがなかった。


新しく増えた特殊能力の大半は、異世界の神話に登場するような名前ばかりが説明文にある。だが、出典がバラバラだし、なぜこれが?という感じがするものがいくつもある。半数近くは蛇や竜繋がりの気がしないでもないが、逆に半数近くは共通点が見いだせない。…あえて言えば、名前付きの特殊能力のオリジナルが、神話では悪役として登場することくらいか?


……俺って、悪役なのか?

『いえ、別にそんなことはありませんよ。ただたんに、このラインナップも上の方々のご趣味に過ぎないと思いますよ?』

『なんでそう思うんだ?』

『このラインナップに載っている名前は、貴方の後見である方がご自身の写し身によく付けるものばかりなんです』

『あ~、プレイヤー名的な感じか?』

『そんな感じです』

『そうか』

なんだ、彼女言う通り、ただ自分の趣味に合わせて俺を強化しているだけか。


俺はとりあえず、それで納得しておくことにした。



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