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47.やって来た目的

【カオス】以外は、新しい眷属のレパートリーとして使えそうだな。

『そうですね。それに【カオス】の方もその能力での制御は受け付けませんが、貴方の他の能力で制御は出来ますから、とくに問題は無いでしょう』

そうなのか?

『[ダンジョン領域]のダンジョン効果でも、[モイライの人形舞台]による人形遊びでも、制御は出来ます。それらで制御が出来ない個体がいるなら、ゴーレムにしてしまっても良いでしょう』

ふむ。そう言われてみると、制御方法はいくらでもあるんだな。なら、とくに問題は無いというわけだな。

『はい』

なら次を見てみよう。新しい耐性なんかの説明を頼む。

『わかりました』


[状態変化耐性]

自身に起こる状態変化に対する耐性。

状態異常耐性にある毒・麻痺・眠り等の耐性に加え、石化や水化、腐敗などの呪術的な状態変化への耐性も併せ持つ。


[ノルニルシステム]

時の管理神ノルニルが持つシステム。時間関係の事象に介入出来る。性能については、ノルニルの封印解除にしたがって拡張されていく。


[ラケシスシステム]

運命の管理神ラケシスが持つシステム。運命関係の事象に介入出来る。性能については、ラケシスの封印解除にしたがって拡張されていく。


[信意の翼]

高位存在の信頼を得た証。それぞれの翼がそれぞれの高位存在を現していて、その翼を通じて高位存在の加護を引き出せる。


[ラケシスの加護]

運命の管理神ノルニルの加護。

・因果に関係する能力の効果(極)増大。

・因果に関係する能力の消費エネルギー大幅削減。

・因果に関係する能力が確実に成功。



ふむ。後半の内容は無難な感じだな。

『ですね。前半部分に比べると、可もなく不可も無いといった感じです』

まあ、前半部分が異常過ぎるからそう感じるんだろうな。

『そうですね』


そうしてステータスを確認し終えた俺は、直後に違和感を覚えた。


はて?

『どうかしましたか?』

いや、こうしてステータスを一通り確認したわけなんだが、さっきSP交換で獲得した通常スキル群が無いと思ってな。特殊能力の内容からして混じっている様子でもないし、あの通常スキル達は何処にいっているんだ?

『そう言われて見ますと、たしかに[自爆]等が追加されていないですね。ちょっと待ってください。今から調べてみます』

頼む。

『・・・』


それから少しの間、彼女は沈黙した。


『わかりました』

何処にいってたんだ?

『どうやら[ゲームプレイヤー]の方に統合されていたみたいです』

[ゲームプレイヤー]の方にか?[危険察知]なんかはパックの内容的に理解出来るが、パック外の[自爆]や[高速機動]まで統合されたのか?

『みたいですね。なんででしょう?』

それを俺に聞かれてもなぁ。ちなみに、通常スキル達はどんな風に[ゲームプレイヤー]の方に入っているんだ?一つ一つ取り出せる感じか?それとも、[ゲームプレイヤー]の効果とくっついて統合されている感じなのか?

『・・・どうやら、似た効果の方に統合されている感じですね』

そうか。内容の表示を頼めるか?

『ちょっと待ってください。・・・どうやら今は駄目みたいです』

駄目?なんでだ?

『どうやら現在進行系でアップデートしているみたいです。今も能力の内容が随時書き換わっていっています』

今も書き換わっている?進化の時には終わらなかったってことか?

『いえ、どうやらそれとは別件でアップデートされているみたいです。いったん進化でレベルアップした[ゲームプレイヤー]の空き領域に、何かを追加して調整をかけているみたいです』

空き領域に追加?何を追加してきているんだ?というか、そもそも誰がそんな追加や調整作業なんてしているんだ?

『貴方の後見人。貴方の進化に介入しているお方。私の創造主たる方に、それと同格の方々ですね。ちょっと言い換えるなら、貴方を含めた転生プレイヤー達を私(この世界)に送り込んでいる方達です』

貴女の創造主に、それと同格の存在達。随分と凄そうな面子が関わっているんだな。

というか、転生プレイヤーを送り込んでいるのもその創造主達なのか?

それに今だに他の転生プレイヤーにはあったことはないが、達と言うからには転生プレイヤーは俺以外にも最低一人はいるみたいだし、いったい何が進んでいるんだ?


彼女の言葉には、気になる箇所がいくつもあった。


『申し訳ありませんが、いろいろと機密情報に触れることになるので、今はお答えいたしかねます』

駄目なのか?

『今は駄目です。ですが、上から許可が下りればお教え出来ますので、私に時間をください』

そうか。ならしかたがない、わかった。ちなみに、機密情報に触れない部分については今お教えてもらうことは可能か?

『はい。機密に触れない部分なら大丈夫です。それと、最初にお会いした時よりは情報規制が解除されているので、多少ならもと機密情報もお教え出来ます』

なら少し話しをしてくれないか?

『わかりました。答えられないことには駄目だときちんと伝えますので、どうぞご自由にご質問してください』

わかった。なら、最初は前提条件の当たりを聞いてみようか。俺達転生プレイヤー達がこの世界に送り込まれた目的は答えられるか?

『他の転生プレイヤー達のは無理ですが、貴方の目的ならお答え出来ます』

俺の目的?俺が送り込まれた目的じゃなくてか?

『はい。貴方の場合は、貴方ご自身の意思で私(この世界)に来ております』

俺の意思で、・・・記憶にないな。


もっとも、今の俺は転生前の名前さえ思い出せないんだがな。


『記憶が無いのは、プロテクトがかかっているからです』

プロテクト?どういうことだ?

『ここからは機密情報に触れますので、簡単にお答えします。記憶を保持した状態で私(この世界)に来ていた場合、貴方の精神衛生上悪いと判断されたのです。ですので、前世の記憶は思い出さないようにプロテクトでブロックされました。ある程度私(この世界)に来た目的を果たせば、プロテクトは自動的に解除されます。あるいは、貴方の能力が安心出来るレベルに達すれば、あの方の方で解除してくださいます』

なるほど。なら自分の目的については、ゆっくりと思い出せるのを待つとしよう。

『そうしてください。……って、違います!貴方の目的についてはお答え出来ます!』

あん?・・・ああ、たしかに俺の目的については答えられると言っていたな。なんか途中で勘違いしてた。

『勘違いしないでください。それはともかく、貴方の目的ですが』

ああ。

『私がお教え出来る目的は二つです』

二つか。その言い方からすると、その二つ以外にも俺には目的があるってことか?

『いえ、少なくとも私は知りません。ですが、他にある可能性自体は否定出来ませんので』

たしかにな。なら、他にあるかどうかは思い出すのを待つとしよう。それで、貴女が知っている俺の目的というのは、どういうのなんだ?

『一つは、人類種達によって私(この世界)に拉致(召喚)された一部の異世界人達の保護』

異世界人達の保護。この世界、勇者召喚なんてやってるのか?

『いえ、勇者召喚ではありません』

勇者召喚じゃない?なら、普通に異世界人召喚か?


呼び名が違うだけの気もするが、こんなのしか思いつかなかった。


『それも違います』

異世界人召喚も違う?それなら何の召喚で異世界人達を拉致ってるんだ?

『生贄召喚です』

生贄………。


なんかやたらと不吉な召喚名が出てきたな。



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