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46.必殺技と新眷属

特殊技ねぇ。必殺技ってつくぐらいだし、かなり強力なんだろうな。

『そうですね。味方に誤爆する可能性もわりと高いですが、強力なのはたしかです』

誤爆って、そんなに威力が高いのか?

『威力ももちろん高いのですが、能力の効果範囲にランダムが混じっているものがあって、敵をピンポイント攻撃出来ません。ある程度の調整は利きますが、相手だけを攻撃出来るような精密性は必殺技にはありません。範囲がランダム系の必殺技を使用するのは、単独行動中のみに限定することをオススメします』

たしかにその方が良いだろうな。いくら強力でも、味方を巻き込むのは論外だ。

だけど、内容は知っておかないとまずいだろうな。ランダム系もあるのなら、誤動作でもされたらことだしな。内容の表示を頼む。

『わかりました』


[スタンピード]

・ダンジョン内の全魔素を消費して発動。

・消費した魔素の量に応じてダンジョン内のモンスター達のステータスを強化し、ダンジョン外に一斉に開放する。

・開放されたモンスター達はスキルホルダーの武器扱いになる為、開放されたモンスター達が経験値を得ると、その経験値を同量獲得する。

・開放されたモンスター達の制御は、この能力では出来ない。開放後は、基本的にモンスター達は暴走状態。


[過剰生産]

・全生産能力をフル稼働し、ゴーレムを過剰生産する。

・この能力発動時は、通常のゴーレム生産能力を越えた量のゴーレムを一度に生産することが出来る。

・この能力発動中は、0.0001%の確率で不良品・暴走状態・仕様外のゴーレムが生産されることがある。


[怨念代行]

・他者の怨みつらみを自身に取り込む。・取り込んだ怨みつらみを増幅し、それを[禁呪]等の触媒に出来る。

・取り込んだ怨みつらみが大きい程、威力や範囲が拡大する。

・他人の感情を触媒にする為、自分の制御よりも他人の感情が優先される。


[蠱毒]

・複数の対象を瘴気と障気が充満した亜空間に閉じ込め、殺し合いをさせる。

・生き残った者は殺した相手の能力を全て取り込み、統合強化されて【カオス】となる。

・【カオス】は制御出来ないが、[呪詛]を送り込む媒体として使用出来る。


[タイムストリーム]

・時間流を発生させられる。

・時間流を操作出来る。

・時間流に触れたものの時間を狂わせる。

・時間流を激突させ、本来存在しえない時間を生み出せる。


[ストーリー]

・任意の範囲を指定し、その範囲内の因果を外界から遮断・隔離する。

・能力発動中は範囲内と外界の繋がりは完全に断絶し、両者の住人達から相手側の記憶・認識・知識が欠落する。

・範囲内の因果を結び・抜き・紡ぎ編むことによって運命(物語)を構築する。

・能力が終了(構築した運命の完結)までは、この能力を停止させることが出来ない。

・この能力がシステムからの強制停止命令以外の方法で強制的に中断させられた場合、因果の暴走が起こる可能性有り。


[アナザーパラレル]

・因果を持った任意対象を指定し、その対象の因果を把握する。

・把握した因果を辿り、対象の現在過去未来で任意の分岐点を生み出し、その分岐点を通った場合のデコイを生み出すことが出来る。


[臨界点突破]

・世界元素を魔素に還元し、高濃度・高純度・高密度の魔素を周囲一帯に撒き散らす。

・撒き散らした魔素を再び吸収し、それを高濃度・高純度・高密度の世界元素に再精製する。

・魔素の存在値が臨界点を突破した時、膨大なエネルギーが周囲一帯を巻き込み爆発。その爆発に巻き込まれた全てを魔素へと還元する。


[エレメンタルサイクル]

・任意対象の元素の循環を行える。

・元素を別の状態(個体・気体・液体・光体・波動体・魔力体・魔素体etc)に変化させられる。

・無理矢理元素を変化させることで、その元素そのものを破壊する。


[アライメントサイクル]

・任意対象の属性を変化させられる。

・雑多な属性を統一することで、属性性能を向上させられる。

・属性を変化させることで、対象の能力の適性を向上。または不一致させることが出来る。

・属性を融合させることが出来る。

・異なる属性を重ねることで、対消滅させることが出来る。


[ワールドホライズン]

・世界の地平線(境界)に干渉し、連なる世界の力を借り受けることが出来る。

・世界間の歪みを修正し、修正した歪みを【ネガティブ】として生み出す。

・世界の意思を汲み取り、【ガーディアン】を生み出す。


[侵緑]

・周囲の植物達を起点に植物達に能力を伝染させ、異常繁殖させる。

・能力を受けた植物達を急激に進化させ、生態系を塗り替える。

・植物に知性を与え、モンスター化させる。


[アポトーシス]

・自身の細胞に自壊命令を発信する。

・[パラサイト]で寄生している相手にも効果を発揮する。

・この能力は耐性などで軽減・無効化出来ない。


[アンダーネットワーク]

・植物達の根を連結し、巨大な生体コンピューターに出来る。

・ネットワークに参加する植物の数に応じて、演算能力が向上していく。

・ネットワークにリンクし、その演算能力を行使出来る。

・情報を集積し、擬似知性【AI】を生み出せる。

・【AI】をインストール出来る。

・集積した情報を元に、【アバター】を構築出来る。

・【アバター】にリンク出来る。



・・・ふむ。たしかにランダム性が高いみたいだな。というか、今までカケラも出てこなかった名称がちらほらとあるな。

『そうですね。【カオス】、【ネガティブ】、【ガーディアン】、【AI】、【アバター】。いろいろと出てきてますね』

【混沌】、【歪み】、【守護者】、【人工知能】に【化身】、か。俺の知っている直訳だと、こんな感じか?

『意味合い的にはそんな感じですね。もっとも、全てがそのままというわけではありませんが』

じゃあ実際には、どんな感じになっているんだ?

『性質は変質することもありますから、現在のだいたいの情報で良ければ、こちらになります』


彼女がそう言うと、新しい情報が俺の中に流れ込んできた。


【カオス】

・キメラ型の複合型モンスター。

・外見は様々な生物の特徴を合わせ持ち、攻撃性が高い。

・知能があまり高くない半面、野生的本能は高い。

・呪属性の媒体となって、威力をブーストすることが出来る。


【ネガティブ】

・世界の歪みが実体化した半エネルギー型モンスター。

・外見は基本的に生物型だが、その姿は元になった歪みに比例していびつになっている。

・知能が高くて狡猾なものが多く、世界に歪みを撒き散らす者を罠にかけて狩る習性を持っている。

・特殊な歪属性のモンスターで、一般的な通常スキルや魔法は使用出来ず、固有の能力を複数持ち合わせている。


【ガーディアン】

・世界を守護する高位法則体型モンスター。

・外見は巨躯の場合は非人間型。人間サイズでは人間型が主流。守護獣型、守護精霊型、守護騎士型、守護天使型など、様々な形状タイプが存在している。

・知能は軒並み高く、世界を守る役目に強い責任感を持っている。仲間内では優しく穏やかな半面、世界を脅かす敵に対しては情け容赦が無く、冷酷で冷淡である。

・能力は総じて高く、必ず一つは特殊能力を持ち合わせている。


【AI】

・情報が集積した知性体。

・物質的な肉体は存在しておらず、アンダーネットワーク上に情報生命として存在している。

・情報処理能力が高く、状況を認識・計算してから行動する。

・一般的な通常スキルなどは使えないが、その圧倒的な情報量を用いたサイキック(念動力等)が固有能力として扱える。


【アバター】

・任意対象の情報から生み出される写し身。

・任意対象からコピーされた情報を元にしており、一個の確立された存在ではない。

・その姿、能力、特徴は千差万別で、自由度が異常に高い。



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