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26話 【テレポート】の原理

「……食べたけど、魔力は上がった?」


 ルナが心配気に聞いてきた。


「どれどれ──【鑑定】っと」



 [ 名 前 ] ルナ

 [ レベル ] 15

 [ 魔 力 ] 1100

 [ 攻撃力 ] 150

 [ 防御力 ] 100

 [ 持久力 ] 70

 [ 俊敏力 ] 100



「うん、ちゃんと上がってるな」


「ほ、ほんと? たったこれだけで……」


「ははっ、だがこれだけで満足していられないぜ。空間魔法【テレポート】は使えるか?」


「……使えない」


 しょんぼりとするルナ。


「それじゃあ次は【テレポート】の取得だな。【テレポート】がどういう魔法かは知ってる?」


「うん。魔導書で読んだことがある。……けど、その本には好きな場所に瞬間移動する魔法だってことしか書かれていなかった。それに空間魔法は難易度の高い魔法とも書いてあった」


 ふむ、魔導書によって記されている情報は違うよなぁ。

 俺の【アイテムボックス】に入っている魔導書にはしっかりと【テレポート】について記されているものもある。


 ルナにこの魔導書を渡せばきっと独学で取得出来るだろうが、どうせならしっかりと教えてあげよう。

 ちゃんと約束した訳だからな。


「よし、それじゃあ【テレポート】の原理から教えていくぞ?」


「よろしくお願いします」


 ルナはペコリ、と頭を下げた。


「まず前提として【テレポート】をはじめとした空間魔法は自身の周囲に存在する空間を正確に把握しておかなければならない。そして【テレポート】は移動先の魔素と移動前の魔素を交換することで瞬間移動が可能になる」


「どうして魔素を交換することで【テレポート】が出来るの?」


「効果する瞬間、魔素間の距離は0になり、交換後にその距離は元に戻る。そのときに移動先の座標に自分の身を置くことがこの魔法の原理だな。これをよくイメージ出来るかが【テレポート】を取得するうえで最も大事だろうな」


「難しい……でも頑張る」


「えらい。諦めずに挑戦し続けることが新たな魔法を取得するための一番の近道だ」


「……アルマのお手本見せて欲しい」


「んー、そうだな。じゃあ部屋の端から端に【テレポート】をしよう。まずはルナもこの距離の【テレポート】が出来るようになることを目標にすればいい」


「分かった」

【お願い】


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