表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
725/755

カルテ697 怪球カマグ(前編) その85

「なに、今は二人とも同じ帝国兵士なわけだし、訓練であれば戦闘は十分可能だ。なんなら私自ら稽古をつけてやってもよいぞ。この風のハラヴェンで一つ揉んでやろうか?」


 団長が傍らに置かれた魔封剣を振り返ると、悪魔の笑みを浮かべる。


「「「ハッハッハッ、そいつはいい考えですね! 団長殿の華麗なる剣さばきでズンバラリンにされてロースやらヒレやらカルビやらタンやらハツやらモツやらに解体されないよう、せいぜい気をつけろよ、ケルガー! 牛骨なら拾ってスープの出汁にしてやるぞ!」」」


「チェンジ! やっぱりこのクソ犬相手で充分です、団長殿!」


 舌の根も乾かぬうちに、ミノタウロスは意見をひるがえした。


「フッ……」


 ヒュミラの方はといえば、軽くほほ笑んだだけで、何も答えなかった。


「んで、もったいぶらずにそろそろ教えてくださいよ。一体どこのどいつがマトなんスか、団長? 教えてもらえりゃひとっ走り行ってきて首チョンパしてすぐ戻ってくるわ!」


「「「お前、今までの話を聞いていてわからなかったのかよ!とっくにおっしゃられているじゃねえか! 天然の鈍感ちゃんなのかようがあああああああああああ!」」」


 またしてもブチ切れたケルベロスが三つの口とも限界まで開いた後、まさに毒の唾を吐くかのように頬を膨らませる。だいぶストレスが溜まっているようだ。


「まあ許してやれ、ホーネル。こいつは昔から勘は鋭いくせに、誰もが間違えないような箇所で、うっかり凡ミスをしてしまうタイプだった。いいか、ケルガーよく聞け。まずこの話の冒頭を良く思い出せ。一体何があった?」


 まるで物分かりの悪い生徒に根気よく勉強を教える教師のように、ヒュミラが優し気に問いかける。馬鹿にされているみたいでケルガーは内心ムカつくも、確かに自分にはそういう点があるわと思い直し、特に反論はせず、先ほど聞いたばかりの物語を頭から反芻する作業に取り掛かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ