表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
724/755

カルテ696 怪球カマグ(前編) その84

 夜明け前後は地表の放射冷却が最も進んで寒さがピークとなる時間帯でもある。室内でも吐く息は白く、カップについた水滴は霜に変わっていた。


「旅?」


「「「修行?」」」


 二人、否、二匹の魔獣が同時に首を傾げる。ちなみにケルベロスは三つも首があるのでほとんど横に倒れそうな勢いだった。


「ああ、そうだ」


 この気温の中でも、ヒュミラの静かだが熱い口調は変わらなかった。


「実は南国のジャヌビア帝国に潜入しているエージェントがいてな、そやつから連絡があり、それによると今回のターゲットが彼の地に潜んでいる可能性が極めて高いとのことだった。

 知っての通りあそこは大陸の最南端のため、北の果てのここから行くまでにはかなりの距離を有するし、さすがにすべて人里離れたコースを行くわけにもいかないから、ホーネルにはこの際人間に変化する術を身につけてもらうとしようと思う。死ぬ気で習得しろよ」


「おっ、それはわりといいアイデアだぜ。三重奏でキャンキャン喋られるのはうるさくてたまらなかったし、これで犬臭いのが少しは減るってもんだ」


「「「何だとこの図体と態度がでかいだけの野良牛野郎!」」」


 ケルベロスが吠えるも、ケルガーはいつの間にやら人間体に変化し、「へっへっへっ、残念でしたー、牛じゃなくってヒトでーす」と馬鹿にしまくっていた。


「「「うごおおおおおおお!」」」


「やれやれ、お前たちいい加減に子供みたいな喧嘩はよせ。そしてケルガー、余裕かましているところ悪いが、お前にももう少し戦闘能力をつけてもらおう。これから毎日二人でさっきみたいに半殺し程度でいいから戦って切磋琢磨しろ。」


「ちょちょちょちょちょっと待ってよ団長殿! 無理無茶無謀だって! ほら、魔獣は帝国の兵士とは戦えないんだから、俺たち二人が戦うのは不可能だろ?」


 さっきかなりギリギリで命を繋いだ身としてはもうあんな体験はこりごりなので、ケルガーは全身全霊を持って拒否した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ